第三章 前編 (編集中)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
フリーザの宇宙船に着くとまだ悟飯達は来てはいないようだった。
「まだ少しかかるのかな?」
「なら丁度いい」
すたすたと我が物顔で宇宙船の中へ入っていくベジータにレギもついて行くと、予備のプロテクターやスパッツ等が置かれている部屋に着いた。
「うわっ……懐かし…(爆)」
「貴様も着替えておけ、あった方がいくらかマシだろう」
「やだ、それ嫌い」
「……ガキみたいなこと言いやがって…」
「あ~、今はこうなってんだ~。あ、この型見たことある!…ふーん、昔より結構改良されてるんだね、こんなに柔らかいんだ…」
「………おい」
ケースに並べられているのをキョロキョロ眺めて手に取っていじくって、一向に出て行こうとしないレギに、痺れを切らしたベジータが声をかけた。
「いつまでそうしてここにいるんだ」
「は?」
「着替えるから出て行けと言っているんだ」
「な、なにその乙女みたいな発言!?ぶはっ!!か、可愛いよ王子!!」
「貴っ様…!今すぐぶっ殺されたいかあ!!!!」
「はいはいはい分かったよ!」
真っ赤になって叫ぶベジータから逃げるようにレギはようやく退室していった。去り際に「…今更恥ずかしがるかね」とぼやいたのに対して外したばかりの手袋を投げつけるも、寸でのところで扉が閉まり腹癒せは不発となった。
「っち、あれでも女かあいつは…!」
「失礼な」
すぐに返事が返ってきてベジータはため息を吐いた。
…深く考えるだけ神経の無駄遣いだ。
「…あ、そういえば」
身なりを整えているベジータを待つ間、部屋の外の壁に寄りかかっているレギが思い出したように口を開いた。
「ザーボンを殺したよね」
「それがなんだ?」
「いや、礼を言うべきなのかなと思ってたからさ。あいつにも色々と世話になってたからね、その…始末してくれて、さ…」
「本当は自分で殺したかったんじゃないのか?ドドリアのように」
皮肉って言ってみたら、物の見事に沈黙が返ってきた。
「ふん、図星か」
「まぁ……、ないって言ったら嘘になるけど、それなりに制裁は加えてあるから、いいよ」
「制裁?………そういえばお前、やつに一体何をしたんだ?」
最初にザーボンと戦った時、ベジータは身に覚えのない恨みをぶつけられていた。
ーー「……あ、あああの…女は、こ、この私の顔に傷を付けただけじゃなく………あ、あんな……あんなっ…………………………………ぜ…絶っっっっっっっっっっっ対に許さんぞ貴様らあああ!!!!!」ーー
で、どっごーーん!!されたベジータ。
あの怒り方は、尋常じゃなかった。本当に。
「てめえのせいで、あの時は本当に死ぬかと思ったんだぞ」
「………よく生きてたね。どうやって助かったのさ」
「(しれっと言いやがって……!!)……やつが、オレが隠し持っていたドラゴンボールのありかを吐かせるためにマシンに入れて回復させやがったんだ。…まあ、そのお陰でこっちもパワーアップできたがな」
着替えが完了したベジータが出てみれば、レギが何やら思案するように顎に手をやり、
「なるほど、そのドラゴンボールを悟飯達に取られたってわけか。でも、まあ、強くなれたんなら結果オーライじゃ…おっと!」
親指をおっ立ててやれば怒りの鉄拳が飛んできてとりあえず避ける。割りと殺気の籠ったそれにレギはベジータをねめつけた。
「何よ」
「お前のせいだろうが……!!」
どうせこの距離で攻撃してもさっきのように避けられるだけなので、せめて視線だけで殺せないかと言うくらいに殺気を乗せてベジータが睨み付けるも、「まあごめんって」とレギからの謝罪は酷薄なものだった。
それで気が済むはずもなくベジータが更に何か言ってやろうとするが、レギは降参するように両手を上げて、
「しょうがないじゃん。こっちもあの時は逃げるので精一杯だったからさ。手っ取り早くダメージ与えるには、アレが一番だったんだよ」
先の『結果オーライ』よりも『アレ』が気になり、ベジータはひとまずため息と共に怒りを吐き出す。
「……で、何をしたんだ」
「…いやあ、知らない方が…いいかも……」
「おい」
ベジータの声に怒気が戻る。
レギとしては、さすがに言うのは憚れて目を逸らす。
ああいうことをするのは人生で二度目になるが(一度目は完全に事故だ)、ザーボンにやったのは完全に故意だった。それだけに、あの時レギは全身全霊、持てる力の全てをその一撃に込めていた。………まさかそれが、そんな形でベジータに飛び火するとはその時は微塵も考えてはいなかった。
そう、その飛び火の被害者(笑)であるベジータは知らない。その『制裁』がどんなものだったか。
だが、レギの言葉を拾いながら、ベジータは一つの仮説に辿り着いた。
「…………………………………まさか、貴様………」
「せ、…『制裁』……でしょ?」
気付いてしまったベジータに、肯定の意味も込めて遠慮がちに確認するレギ。もはやベジータは若干青ざめて僅かに後ずさりレギから距離さえ取っていた。
「やらないよ」
「やられてたまるか!!!!」
股間への、強烈な一発。要するに、禁的である。
あの時、レギ達に逃げられるわ大事な所蹴られるわで、フリーザの目の前での大失態。あのナルシストにとって肉体的にも精神的にもそのダメージは絶大だっただろう。……その怒りの矛先がベジータに向かうとはレギも全く予想していなかったが、結果的にベジータ自身のパワーアップに繋がったのならなんの問題もないと本気で思っていた。
「あんたにやる意味もないんだし、やったらやったで回復するにも仙豆はもうないから、あんたもマシンに入らなきゃならないでしょ…(金的でマシン送り……前代未聞……いや、もうやめとこう。次変なこと言ったら収まりがきかなくなる)」
レギは寸でのところで言葉を飲み込んだ。辛うじて笑いを堪えていたことは気付かれなかったようだった。
「……セ、センズ?……さっきの薬か、あれは一体なんだ?」
「ああ、あれは地球の仙人様が作ってる豆だよ。仙人って言っても猫だから仙猫になるのかな?結構可愛いんだよ」
「ま、豆…!?」
何となく話題が逸れてベジータが安堵したのも束の間(レギもだが)、あれ程のダメージが瞬時に全快した薬が豆で、しかもそれを作っているのが猫である事実にさっきとは違う衝撃を受ける。
そんなベジータに構わず、レギは続けた。
「どんなに瀕死の状態でも、それ一つ食べれば全快する凄い豆なんだ。多分悟空はそれを使って宇宙船の中で修行してきたんだ。誰も教えていないのに、サイヤ人の特性に気付くとはね……」
悟空の強さの秘密にレギも気付いていた。
「………本当に、どいつもこいつもふざけてやがる…」
「ん?何か言った?」
「なんでもない」
「さっきから何怒って……あ」
「…来やがったな、カカロットのガキとパチンコ頭が」
「…『悟飯』と『クリリン』ね」
「どうでもいいだろう」
「呼ぶ時面倒じゃ…むぐっ!?」
言葉の途中でレギはベジータに口を塞がれた。
クリリン達が降り立ってレーダーでドラゴンボールを探し出したところだった。
船の中じゃなくその周辺の地面を注意深く探っているのを宇宙船の足の影から見守る。…というより監視しているような状態だ。
「ちょっ…何!?」
ベジータの行動で自然と小声になりながら抗議すれば、何かよくないことを企む顔が返ってきた。
「いいから黙っていやがれ、貴様が今出て行ったら話がややこしくなるだろ。このまま奴らが『シェンロン』とやらを呼び出すのを待つんだ」
「…要するに早く見たいんだね」
「貴様は気にならないのか」
「(認めた!?)…ま、まぁ、実物は気にならないこともないけど…」
その時、クリリン達が歓声を上げた。見れば無事ドラゴンボールを見つけたらしく、しかもしっかり七個揃っていた。
いよいよ神龍を呼び出すその瞬間、その場の空気が緊張する。
「出よ神龍!そして願いを叶えたまえ!!」
「あ、あんな単純な合図か…!?」
しかし、ボールはうんともすんとも言わず、空も明るいままだ。
悟空から聞いていたような現象は露ほども起こらず、微妙な沈黙が辺りに降りた。
クリリンも悟飯も困惑しているようだった。
「……やっぱり本場のドラゴンボールは地球とは呼び出し方が違うのかな」
「どういう…」
ことだ、と続けようとしてベジータは勢いよく空を振り仰いだ。
気配が二つこちらへ近付いてきているのだ。レギもそれに気付いて同じく空を見た。
「悟空負けたのか!?」
「ちっ、役立たずめ!」
「ぅをい」
すかさず突っ込んだが、降り立った人物にそのまま釘付けになった。
「…なんで、悟空がジースと…?」
.