第三章 前編 (編集中)
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(…やつがリクームより強いわけじゃない……。戦っている最中ずっと、やつの戦闘力はリクームより低かった……なのに…)
自分と同じ様に攻防を繰り広げ、レギはカウンター攻撃を食らってはいるが、それは大したダメージにはなっていない。だが、リクームの攻撃は決して軽くはない。受けるだけでも一撃一撃が骨の軋む重さがあった。それでもあのリクーム自身は本気を出していなかっただろう。
だが、だからこそ、レギのこの勝利にはあまりに違和感があった。その違和感を、ベジータは限られた情報の中で分析し、ひとつの結論にたどり着いていた。
(…………戦闘力…じゃない…………あいつは、戦闘能力が高いんだ……!!!)
だから自分より強い相手に対抗できる。
リクームの場合、己の強さを過信して完全にレギをなめていたことが、最大の隙になっていた。
相手の強さを掻い潜り、一撃必殺の攻撃を叩き込む。
最小限、最短距離での敵の殲滅。
……久しく、そんな戦い方をしていたことをベジータは忘れていた。
ここに来てレギが異様な強さを見せ始めたことに妙に納得がいってしまった。
そしてそんな中、余裕綽々で登場してきたカカロットも…。
(…こいつも、かなり戦闘力が上がっていやがる……!!)
周りの変化に、苛立ちが募る。
リクームに受けたダメージでボロボロになりながら、ベジータは力いっぱい睨みつけるしかなかった。
第十二話
≪プライドと誇り≫
「レギ!!遅くなってすまねえ!」
「早く悟飯に仙豆を!」
レギの指示で悟空はすぐに悟飯の下へ駆け寄った。
「…首の骨を折られたのか…ムリヤリ押し込んでやる」
「ちょっと…怖いんだけどそれ………」
レギが不安そうに見守る中、なんとか仙豆を飲み込んだ悟飯が目を覚ました。
「よう」
「…あ、お、お父さん!?」
「よく頑張ったね悟飯」
「レギさん!?…あ!き、気をつけて!あいつ物凄く強くて…」
「もう大丈夫だよ」
「え?…」
優しく微笑んだレギのその向こうにうずくまるリクームを見て、悟飯はポカンとした顔でレギとリクームを交互に見た。
「悟空、あと仙豆は?」
「ああ、まだ二個ある」
「一個ちょうだい。ベジータ!」
袋に手を突っ込んで一つ取り出し、レギはそれをベジータに投げ渡した。
「そいつを食べな!」
「な……」
受け取ったベジータは悟飯が回復したのを見て渋々口に運ぶ。飲み込んだとたんに全てのダメージが全快したことに目を見張った。
レギはそれを確認して、悟空達とクリリンの所へ行った。
一方、
「…どういうことです?」
フリーザの下へ全てのドラゴンボールを持ち帰ったギニューだったが、そこで思いもよらない事態になっていた。
「…何故…何も示さない…!?」
ここへ来て、ただボール集めればいい訳ではないことに気付かされていた。
恐らく、ナメック星人でなければ願いを叶えることが出来ないということに。
「…そういえば、確か二個目のドラゴンボールを奪った時ナメック星人が……」
ーー『…ど、どうせドラゴンボールを集めたところで、貴様らには願いを叶えることは出来んからな……』ーー
「……あれは、ただの負け惜しみだと思っていたのですが、貴様らには…、確かにそう言っていた……」
その言葉を頭の中で繰り返して、フリーザは気付いた。
『貴様らには』願いを叶えることは出来ない。つまり、ナメック星人以外の者にはドラゴンボールは扱えないということだ。
「何か暗号があるのですね‼ナメック星人しか知らない、願いを叶える秘密の暗号が…‼」
七つ集めるだけではダメだとすると、叶えるために必要なのはなんなのか。
合言葉か、特定の場所へ行かなければならないのか、それともボールの並べ方か……。規則性も分からなければ、その方法を特定するのはほぼ不可能だった。
知っているとすれば、ナメック星人しかいない。
ここに来てまたも予想だにしない展開に、フリーザはナメック星人を探すべくスカウターを操作する。
「ナメック星人は殆ど殺してしまいましたからね……一匹くらい生き残っていれば良いのですが……」
すると、スカウターに表示された数字に少しばかり目を見張った。
「この反応はベジータ達…。もしかしたら、やつらなら知っているのかも…」
ベジータは、自分達がスカウターを失ったのを良いことに、村の一つを襲い、そこのドラゴンボールを奪っている。その時に、何か聞き出しているかもしれないと思ったが、
「それは大変だ!すぐに部下達に殺すのを止めさせるように伝えなければ…!」
フリーザの呟きにギニューが慌てて部下達にスカウターで連絡を取ろうとしたが、待ったをかけられた。
「ポイント8829401をご覧なさい。明らかにナメック星人の反応があります。この辺りはあまり手をかけていませんでしたからね、見落としていました」
焦燥が滲んでいた顔に邪悪な笑みが戻った。
幸いが災いを呼んでしまった。
願いはまだ叶えられていなかったが、それには大きな代償がかかっていて、フリーザが見つけだしたそこはまさしく、最長老の居場所だったのだ。
「ここの方達の扱いは私の方が慣れていますから、私が直接行ってきます。ギニューさんはここでドラゴンボールを見張っていてください」
「分かりました!お任せください!!」
ふわりと乗っていた球体ごと浮き上がり、フリーザは猛スピードでその場所へ向かった。
遠く、その動きに気付いたネイルが口を開く。
「…最長老様、とうとう気付かれたようです」
「レギさん達は間に合いませんでしたか…カルゴ、デンデ。ここへ」
「はい…」
示されて、最長老の横に並んだ二人に大きな手が被せられた。
──ぼうっ!
「「あ…っ」」
頭に手が置かれたと同時に湧き上がる力にデンデもカルゴも驚き自分の手を見つめた。
「二人はレギさん達の所へ行きなさい。あなた達を必要としています。力を引き出しておいたから、僅かな時間で行けるはずです」
「……わ、分かりました…!」
「最長老様、どうか死なないで…!」
デンデとカルゴは最長老の所を飛び出す。
そして途中、フリーザとすれ違った。
「…ふん、まあ良いでしょう。チリの一粒二粒、放っておきますか……」
取るに足らない存在と思ったフリーザは、二人に構わず最長老の所へ向かった。
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