第三章 前編 (編集中)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「い、いくら貴様が戦闘力を上げたとしても、変身した私に勝てるわけがない!!!」
「サイヤ人は戦闘種族だ!!なめるなよーーっ!!!」
激しい攻防の末、ベジータの拳がザーボンの腹を貫いた。
「あ…あぐ………べ、ベジータ…私は、フ、フリーザ様に…命令されただけなんだ…み、見逃してくれ…」
「これまで散々こき使ってきやがって、勝手なことを抜かすんじゃないぜ…!」
「そ、そうだ…!二人で手を組もう…!そ、そうすれば、フリーザに勝て…「サイヤ人狩り」…な…!?」
ボソリと言ったベジータの単語が、ザーボンの言葉を止めた。
ベジータは口角を吊り上げ挑発的に笑った。
「……てめえがあいつを逃がしたのは痛恨のミスだったな。おかげでオレも真相を聞けた。貴様らが裏で何をやっていたのか、全てだ…!!」
「あ、あれも…全部フリーザの命令で……!!」
「ああそうだな、やつの命令は絶対だ。それで、失敗した者はどうなってきた?貴様は二度もレギを取り逃がし、オレを始末することも出来ない………はっ!焼きが回ったな、ザーボンさんよ!!!」
「ぐっ……た、頼むベジータ…!は、話を……!!」
「ドドリアのやつがどうなったか教えてやろうか?」
至近距離から、ベジータは更にぐっと顔を寄せ低く告げてやる。腹を貫かれ命乞いをし始めたザーボンの深層心理を抉るように。
「『貴様が逃がしたレギ』に手も足も出ず、八つ裂きにされて死にやがった。あれならフリーザに殺された方がまだマシだったかもな。もしあの世でドドリアに会ったら、あの時どんな気分だったか是非聞いてみてくれ」
「ド、ドドリアが、レギなんかに……そ、そんな馬鹿な……!?」
あの後戻ってこないところから、ザーボンはてっきり逃げ出したとばかり思っていた。
ベジータの言葉は信じがたいが、この男が誰かを評価する事はあり得ない。だとすれば、レギがドドリアを殺したというのは、事実なのだろう……。
目の前のベジータの異常な戦闘力の向上も、もはや否定のしようもなく。
サイヤ人は、ダメージを回復させる度に大幅に戦闘力を上げていく。戦えば戦うほど強くなる。この種族の特性は、よく知っていたはずなのに。
…本当に、サイヤ人は………。
いつか、フリーザがこぼしていた言葉をザーボンは走馬灯の様に思い出していた。
ーー『サイヤ人という種族は、厄介なところがありますからね、きちんと教育をしておかないと……』
『厄介、ですか……』
『ええ、少し目を離しただけで、飼い主に噛みつきかねませんからね。油断は禁物ですよ、ザーボンさん』ーー
レギは20年余り。そして、ベジータも命令にない地球という星に行ってから劇的に戦闘力を上げていた。
フリーザの言っていたことは、間違っていなかった。
「……くっ、さ、猿の分際で…卑しいサイヤ人どもめ……!!!」
──ッドン!!!!
ザーボンの手にエネルギーが集中し始めた瞬間、腹の中にあったベジータの掌が特大のエネルギー波を放ち、吹き飛んだザーボンはそのまま湖へと落ちていった。
確実にザーボンの気が消えてから、ベジータは吐き捨てる。
「……直(ジキ)に、フリーザもそっちに送ってやるぜ」
…………誰かの気が消えた…。
ああ、ザーボンが、死んだんだ……。
それを感じ取って、レギは目を開けた。
第九話
≪乗り越えるもの≫
「あ!気が付きましたか!?」
「………」
目を開けても脳みそがまだ覚醒していない状態のレギに二つの小さな影が覆い被さって覗き込んでいた。
「最長老様!レギさんが起きられました!」
「ボクお水を持ってきます!」
「……ここ…?」
「お加減はどうですかな?レギさん」
「…最長老、様……あ!」
のそのそと体を起こし、声の方を見上げて最長老の姿を見て、ぼんやりとしていたレギの頭は急激に現実に戻り勢い良く立ち上がった。
ここに来たばかりの時の自分がどんな状態だったか、少なからず覚えていたからだ。
「あ、あの、あたし…!」
「もうだいぶいいようですね」
慌てて何かを言おうとしたレギに、最長老は穏やかだった。
その言葉にレギは頭を下げずにはいられなかった。
「あたしは、あなたにとても酷いことを言ってしまいました、ごめんなさい…!!」
「いいのですよ。今のあなたがちゃんとここにいるのですから」
それでもレギが頭を上げられずにいると、ふわりと最長老の手が優しく置かれた。
見上げると、そこには変わらぬ柔和な微笑みがあった。
「私のことは大丈夫です。しかし、封印の綻びは想像以上に進んでいるようです。現状、今の状態はあまりよくありません。界王神様のお力もあってなんとか持ちこたえていますが、私の力も、たかが知れています……」
「界王神?…あ……あたしの前世だっていう、西の界王神、様が…」
「はい。お声は聞こえませんが、そのお力は感じています。私も微力ながらお手伝いをしていますが、それでも完全に抑えられるかどうか正直に言って難しいかも知れません。
ですが、全く希望が無いわけではないことを、先程確信いたしました」
「?…」
一体何のことかと首を捻るレギの所へ水を取りに行ったもう一人が戻ってきた。
「どうぞ!」
「あ、ありがとう…」
差し出された水の入ったコップを受け取り不思議そうにしているレギの前に、その小さな二人は並んで見せた。
「覚えてますか?」
「ボク達、あなた方に助けてもらいました!」
「……あ、ああ!あの時のちっちゃいピッコロ…!」
ムーリの村で、助け出したナメック星人の子供だ。
その事をようやく思い出したレギに、二人は自分達を指して、「ボクはデンデ、そして」「ボクはカルゴです!」と元気一杯に名乗って見せた。
「二人はあなたのお仲間をここへ案内して連れてきてくれました。お名前は確かクリリンさんでしたね」
「クリリンが!?」
驚くレギに最長老は頷き、そしてどこか嬉しそうに続けた。
「あなたが目を覚ますほんの少し前のことです。本当に、あなたのことを心から心配していましたよ。だから私も安心できた。こんなに心強いお仲間がいるのなら、ツフルの狂気に負けはしないでしょう」
圧倒的な力を思い出してレギは両手を見つめた。
「……封印、ってのは正直まだよく分からないけど…」
記憶を書き換えられているのなら、本来分からなくて当然の事なのだろう。
だからこそ、自分は何も知らずにその力をごく当たり前に使ってきた。
力の源が狂気。
狂戦士族ツフル人。
ここに来た時の状態は、それに近付いていたのか……。
ドドリアを殺した時の自分には、確かに殺戮に対する悦びがあった。やっと仇の一人を殺せる、と。
……でも、あれではダメだ。
このままでは、いつか傷付けたくない人達まで傷付けてしまう。
自分が求めている力は、そんなんじゃない……。
左の手首で軽く揺れる腕輪を見てから、レギは意を決しキツく拳を握った。
「勝てますか?あの力に」
「信じることです。お仲間を、そしてご自身の力を」
「仲間、か…」
一瞬の悪寒も、レギは覚えていた。
最長老はそれを察して、頷いて見せる。
「クリリンさんがここへ来た時に、彼の眠っている力を引き出しました。そうすると、もう一人ここへ連れてきたいと言いました。その方も、大きな力を秘めているようで」
「……悟飯の事か…確かにあの子は…」
最長老の『眠っている力を引き出す能力』はナメック星人の、それも最長老特有のものだろう。
地球の神も人智を越えた力を使っていた……気がする。うん。(地神『おい』)
クリリンは、地球人にしてはとっくに常人の域を越えた武道の達人であることは間違いない。更にそこから眠っている力を引き出したとなると、レギにはどれ程パワーアップしたのか想像もつかなかった。
それに、悟飯も同じように力を引き出してもらうためにこちらへ連れてくるという。
頼もしい限りだが、相手はあのフリーザだ。
結局巻き込んでしまったことに、レギは黙り込むが、
「レギさん、今の困難に立ち向かえるよう、私達も出来うる限りの事はいたします。あなたはあなたの、出来ることをおやりなさい」
「あたしに、出来ること……」
その言葉にレギが困惑していると、最長老は微笑した。
「今はまだ、少し時間があります。ひとまず、気分転換に外の風にでも当たってきなさい。これからの事はその後でも大丈夫です」
「き……気分転…換…………」
九官鳥のように、言われた言葉を繰り返すレギ。
内心、気分転換をする気分には到底なれない。今はそれどころじゃないはずだからだ……。しかし、
「デンデ、カルゴ。レギさんを案内してあげなさい」
「はい!」
「行きましょうレギさん!」
「え、ちょっ…!」
「最長老様のお家は、とても眺めがいいんですよ!」
二人に手を引かれレギは半ば強制的に外へ連れ出された。
.