第三章 前編 (編集中)
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少し
長い話になる
誰も知らない
忘れてしまった
消えてしまった
存在は残して
滅ぼすことができなかったから
この方法しかなかったのだから
だけど
もしもの時は
一番に
その傍に…
星の中でも一際高い岩の上に、このナメック星を統治する最長老がいる。
「…いつかこんな日が来るのではないかと思っていました」
囁きのような声に守り役のネイルは顔を上げた。
「…それは、ドラゴンボールを求める者の侵略のことですか?」
「いいえ」
最長老は僅かに首を振った。
「確かにそれもありますが、私が言いたいのはツフル人のことです」
「ツフル人……初めて聞きますが、どうしてでしょう…。
私はその種族をよく知っているような気がします……」
「ええ。どういう因果が働いたのか、今この星に来ているのです。とても強い気の持ち主だ。反面、内の深くは灰のように脆く儚い。…導きが我らの役目ならば、今がまさにその時ですね…」
「…最長老様…?」
最後は独り言のような言葉にネイルがその意味を理解しかねていると、
──…シュン!
「!」
「あんたか、あたしを呼んでいたのは」
空を裂く音と共にレギが現れ、忌々しそうに最長老を見上げた。
第七話
≪優しい手≫
「無断で人の頭ん中にしつこく話しかけてきやがって。一体何の用だ、ナメック星の最長老」
「よかった。ちゃんと聞こえていたのですね」
自分達の所へ来るようにずっと呼びかけていた最長老は、ほっとしたように微笑む。
それすらも鬱陶しそうにレギは軽く鼻の頭にしわを寄せた。
ちらりとネイルを見やり、最長老に向き直る。
「それなりの用なんだろうな?」
「ええ。あなたをお呼びしたのは他でもない。あなたのお母様の種族のこと、そして前世の魂のことでお伝えしなければならないことがあるからです」
「界王神とかの生まれ変わりのことか。関係ないね。ここに奴がいる。それだけで十分だ。余計な口出しはしないでもらいたい」
「そうもいかないのです。あなたは今とても危うい状態だ。手遅れになる前にどうか聞いて下さい」
「手遅れ?……どういう意味だ?」
状況にそぐわない最長老のその言葉に、ずっと苛立ちを露にしていたレギの表情が僅かに曇る。
何が危ういと言うのか……。
最長老は頷いて、続けた。
「あなたのお母様の種族ツフル人、その現在知られている有り方は偽りなのです。この世界が分かつ前、ツフル人は本来、サイヤ人の様に戦闘を好み、その性格はサイヤ人よりもずっと荒く手も付けられなかったほどだった。破壊そのものが、彼らの生きる意味でした」
「……何を訳の分からないことを」
「『狂戦士族ツフル人』。その本質に、少しは心当たりがおありではないですか?」
「………そんなこと……」
最長老の口から語られる聞いたこともない内容に頭はついて行けず、言われてもすぐには思い当たらなかった。
それを察して、最長老は更に続ける。
「先ほどもムーリの村で、僅かにですがその片鱗が見えていました。そして、敵の一人を屠った時にも……。覚えておいででしょう?」
「………」
そう言われて少し、思い当った。
村でのやりとりと、ドドリアを殺した時の自分。
それから、いつかの声。
――近いうちにね。きっとその時話そう…。――
そういえば、あれは、誰だったんだ……。
「ツフル人の力の源はその名の通り狂気でした」
最長老の言葉に、レギの考えは中断された。どのみち今はそれを知る由はない。
そんなことよりも、今はその『狂戦士族』とやらの話の方が気になった。
「その当時、ツフル人の止まることのない破壊行動は世界の存続までも脅かすほどでした。しかし、どんなに凶悪であっても現存しうるものを意図的に滅するのは自然の摂理に反すること。そこで当時の神々はその力だけを封じることにしたのです。
この宇宙を含めた全世界、神の領域まで、その一切の記憶を書き換えることで成すことができた、とても大きく、重大な封印です」
「…記憶を…書き換える……?」
「当時の神の決断です。それにより、ツフル人は現在の科学の民となったのです。
今、私がこの話をあなたにできると言うことは、すなわち封印の綻びが生じている証拠。このまま世界で記憶が蘇り、封印が解かれてしまってはそれぞれの神も黙ってはいないでしょう。ですが、私に再び封印を行使する力はない。
本当に封印が解かれた時に備えてせめてもの準備が必要です。だから、あなたをここへお呼びしたのです」
最長老はここで一旦言葉を切った。レギの返事を聞くために。
酷な話なのは分かっている。
全てではないにしろ、最長老は今の不安定なレギの心からその過去を垣間見ていた。
どんな風にしてここまで来たのか…。
だから、レギが震える声でようやく絞り出した言葉にも黙って耳を傾けられた。
「……………なんだ、それ…っ、どいつもこいつも、訳の分からないことを言いやがって…!!界王神の生まれ変わり……その上、狂戦士族ツフル人……?」
ギッ、とレギは顔を上げた。射殺してやらんばかりの眼光が最長老を睨んでいた。
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