第三章 前編 (編集中)
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悲しみはどこへ
心は何を求める
第四話
≪ムーリの想い≫
「お元気そうでなによりですよ、レギさん」
「はっ、お互い様だ、お前こそよく誰にも殺されずに今まで生きていられたな」
「……あなたは本当に面白いですねぇ」
ニコニコと笑みを浮かべていたフリーザは、レギのその嫌味にほんの少し目を細めた。
ドドリアに腕を折られろくに抵抗できない状況でも尚変わらないレギのその殺意に、どこか懐かしそうに。
それまでのやりとりを見ていて、ナメック星人達は愕然としていた。
自分達に危険を知らせに来た人物に釘付けだった。
(…あの者が言っていたことは本当であった…!)
(いやそれよりも、あの者が扱っていたのは、掌波と斬気……あの技を使えるのは…)
(…ツフル人か…まさか…!?)
心話での会話はそこで途絶えた。
フリーザが自分達の方へ向き直ったのだ。
「レギさん、あなたにお聞きしたいことは沢山ありますが、まず先に用事を済ませてしまいたいので。
さてナメック星人の方々、お話は聞いていたようなので要件はお分かりのはずです。ドラゴンボールを渡していただけますね?」
「貴様らからは邪な気配しか感じない。そんな輩にドラゴンボールを渡すわけにはいかん」
「…確か、二人目に殺したナメック星人の方もそんなことを言ってましたよね、ドドリアさん?」
「はい、ドラゴンボールは認められた勇者にしか渡すことはできん、と」
「そうそう、その人はとても頑固でしてね、なかなか協力していただけないものですから見せしめに一人殺して差し上げましたらね、そうしたら色々と喋っていただけましたよ」
その言葉でナメック星人達の顔色が変わった。
「ドラゴンボールを作ったのはこの星の最長老で、7個それぞれは星に住む7人の長老が大切に持っている、と。その一人一人と知恵比べをしたり、力比べをしたり、願いの理由を話したり……。また実に、何もないこの星ならではの、のどかなお話ですね…」
嫌味なのか、単純に思っただけなのか、フリーザはにこやかな笑顔を貼り付けたまま淡々と話し続けた。
「そしてそのドラゴンボールは、それぞれの長老に勇者と認められて、やっと手に入れることが出来るらしいですね。ところが、私は言われた通りにしようとしたのですが、絶対に渡せない…なんて言うもんですからね、つい殺してしまったのですよ。ですから、最初の1個は見付けるのに苦労しました」
「…おのれ、なんとむごいことを…!!(だからこの方は我々に逃げろと警告を…)」
「あとの3個は簡単に手に入れることが出来ましたよ。みなさんとても素直でね」
「素直だと!?ほかの長老が貴様などに素直に渡すはずがない!!」
「いいえ、こうしたら素直になられましたよ」
「やめ、逃げろ…!!」
「おおっと、お前は黙ってな!」
止めようとしたレギはドドリアに頭を押さえつけられてそれ以上言えなくなった。
フリーザがザーボンに目くばせする。
それを合図に、首の骨を蹴り折られまず一人。
反撃してきたナメック星人もザーボンの放ったエネルギー弾であっけなく殺された。
子供達は怯えきって残された村長にしがみついていた。
「……っ!!!」
レギは押さえつけられている状態から睨むことしか出来ない。
腕はまだ折られた時の状態のままドドリアに踏まれていたが、そんな痛みよりも、こみ上げて来る感情が頭の奥から理性を支配し始めていた。
「もう少し待ってくださいねレギさん。あなたのお話はあとでゆっくりお聞きしますので」
「ふざけるな!!!お前と話すことなんかない!絶対殺してやる!!!」
「貴様!フリーザ様になんという口の聞き方!もう片方の腕も折ってしまえドドリア!!」
「およしなさい。別に大したことではありませんよ」
「しかしフリーザ様…」
「あの時に、『不慮の事故』で故郷の星とお仲間さんを同時に失われたのですから、仕方のないことですよ」
(…故郷の星…そうか、こやつら…!)
開け放しっぱなしのフリーザ達の心の過去を読んで、ムーリは愕然とした。レギが何故これほどまでに怒りに満ちているのか。その真相を知って、憎しみに染まったレギの眼を見て、ムーリの中に悲しみが広がった。
(…それなのにあなたは我々に危険を知らせに来てくれたのか……)
クリリン達がその場所に到着したのはナメック星人達がザーボンに殺される少し前。
一同を見下ろせる高い岩の上で身を伏せながら様子を見ていたが、
「あいつら…なんてひどいことを…!!」
ベジータは一緒ではないようだが、レギの状態はとても無事だとは思えなかった。
しかし出て行くに行けず、目の前で行われている惨劇に二人は見ていることしか出来なかった。
フリーザ達のその非道なやり方に、悟飯は自分でも抑えられない怒りを感じていた。
(こんなこと止めさせて、一刻も早くレギさんを助け出さなきゃ…!)
そう思えば思うほど握り締める拳に力が込められた。
クリリンはそんな悟飯の様子に気が気でない。地球での戦いで、感情が高まった時の悟飯の実力を知っているからだ。我を忘れて飛び出して行ったりしたら…止められる自信はなかった。
「お、おい悟飯!変な気は起こすな!気持ちは分かるが、今行ってもどうにもならないんだぜ!?」
しかし、クリリンの言葉も耳に入らないほど、悟飯はフリーザ達を睨み付けた。
「……ド、ドラゴンボールを集める目的は……?」
「何、つまらない願いですよ。私に永遠の命をいただこうと思っています」
「!…お、お前達のよう奴には、死んでもドラゴンボールは渡せん…!!」
「ほっほっほ。私に渡すくらいなら、死を選ぶというわけですか。なる程、この星の皆さんはやはりとても頑固者ですね…でも」
そう言って、フリーザの視線がムーリの両脇にピッタリ寄り添っている子供達に向けられた。
「その子供達の死にも、頑固でいられるでしょうか?」
「き、貴様ら、子供達まで…!!」
「…ぐっ…!!!」
「おっと、動くんじゃねえよ!」
レギがどうにか抜け出そうと踠くのを、頭を踏みつけてドドリアが再度押さえつける。フリーザはもう、それすら見てはいなかった。
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