第三章 前編 (編集中)
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ナメック星に到着してベジータはすぐにスカウターを取り付けた。
「ち、またこいつを使うことになるとはな…」
……忌々しいが、今の自分にはまだなくてはならないものだ…。
ベジータはさっそくスカウターを操作して星の状況を見た。おおよその予想はしていたものの、表示されたその情報に焦りが募る。
「フリーザめ、はやりこの星に来ていたな。…ザーボンとドドリアまで連れてきていやがる…!」
そこまで見てからベジータはスカウターをポッドの無線に繋げた。
「レギ!着いただろう、さっさと下りてこい!」
自分が降り立ったすぐ隣にもレギの乗ったポッドが着いていた。
だが、呼び掛けても反応はない。
「………まさか!?」
この期に及んで悪足掻きかと思ったが、スカウターを合わせてベジータは慌ててポッドへ駆け寄った。
「い、いない!?奴めいつの間に消えやがった!?」
窓をのぞき込むと、ポッドは既にもぬけの殻。
確かに一緒に出発したはずなのに、ハッチは開かれた後すらなかった。
第二話
≪レギの決別≫
「レギさーん!!」
「レギー!よかった!無事だったんだな!!」
悟飯はレギに泣きながら飛び付いた。
ずっとずっと心配だった。
目の前でみすみすさらわれてしまったこと、守れなかったこと、ずっと後悔していたし謝りたかった。
でも何より無事で会えたことが嬉しくて無我夢中で抱き付いた。
クリリンも再会できたことに心底ほっとして嬉し涙を滲ませた。
だが、ブルマだけはレギの顔色を見て素直に喜べなかった。
そのレギは、悟飯、クリリン、そしてブルマを見て、震える声で言った。
「…なんで……なんでこんな所に来ちゃったんだよ…!!」
「レギ…?」
レギは膝を着いて悟飯の肩にうなだれた。
その体が震えているのに気付いて悟飯の中にも不安が広がる。
「…レ、レギさん、どうしたんですか…?」
悟飯の質問に、レギは答えることも出来ない。
……でも、今ならまだ間に合う。
レギは立ち上がって言った。
「あんまり時間もないからよく聞いて。
悟飯、クリリン、今この星にはスカウターを持った奴らがいるから気配を殺して気を0にして…!」
「あ、ああ…」
切羽詰まったようなレギの指示に戸惑いながらも二人は言う通りにする。
それから、レギはブルマ達が乗ってきた宇宙船を一瞥し、遠くある一点を指さした。
「向こうの一番高い山が見えるでしょう?あの方向にまっすく進んでいけばあたし達が乗ってきた宇宙船があるから、それに乗って今すぐこの星を脱出して」
「「えっ!!?」」
『星からの脱出』。その思いがけない言葉にクリリンは耳を疑った。
「な、何言ってんだよ!?」
「そうですよ!ボク達たった今来たばかりなんですよ!ナメック星のドラゴンボールならピッコロさん達を生き返せられるかも知れないって!!」
「それにお前のこともさ、ベジータにさらわれちまったからここで何か手掛かりが掴めるかも知れないって、だからオレ達ここに来たんだ!!」
クリリン達の言葉を聞いて、それでもレギは重く口を開いた。
「…ドラゴンボールのことは諦めて」
「そんな…!?」
「じ、じゃあ死んじまったヤムチャさんや天津飯、餃子、それにピッコロはどうすんだよ!?」
「今生きてるみんなの方が大事だ!!!!」
叫びに近いレギの言葉に、クリリンも悟飯もそれ以上何も言えなくなった。
「怒っても恨んでもいいから!今はあたしの言うことを……」
その時、背後から上がった水音にレギは言葉を止めた。
「…く、くそ!なんだあのチビ共……‼」
「た、ただの旅行者じゃねぇぞ…!」
「あ!あいつら……!」
見れば、先ほどクリリンと悟飯が湖に落とした兵士が岸に手を掛け這い出てこようとしていた。
二人はクリリン達を見咎めて、「あ!て、てめえら‼そこを動くな!!」などと声を荒げるが、レギの姿を見るとその表情が一変した。
「………お、おい、あれ……!」
「し、囚人服…⁉こんな所に脱獄犯か!?」
「い、いやあれは……れ、例のサイヤ人じゃないのか!?ベジータ様が連れ戻したっていう…!!」
兵士達の口振りに、レギはチッ、と舌打ちを漏らす。
「…こんな末端の雑魚にも周知済みか……嫌な奴だ」
「す、すぐにフリーザ様に報告を……!!」
──バキャ!!
「うわっ!?」
兵士が『フリーザ』という単語を口にした瞬間、耳に付けていたスカウターはほぼ二人同時に吹き飛んでいた。
それが、レギが瞬時に撃った掌波によるものだとも分からない兵士は、突然スカウターが爆発した事にただただ驚き、レギ達への注意が逸れ、
「横一列に並ぶな馬鹿」
「「っ!?」」
声に振り返った時には、真横に移動していたレギのツミハにより容赦なく二人まとめて叩きのめされ、再び湖に沈んでいった。
一瞬の事に、クリリンも悟飯も動けず。
ブクブクと泡立つ湖面を見つめるレギが、不意にクリリン達の方へ向いた。
「レギ、あんた…」
「もう、あたしに関わったらダメだよ」
それぞれと目が合ったのは一瞬だけ。ブルマが何か言おうと口を開きかけるがそれを最後まで聞くことなく、レギはサッと背を向け、──シュン!と空気を裂く様な音と共に三人の前から姿を消してしまった。
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