第二章 完結
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弾けたのは風船のようにかたどった斬気。中には暴れる掌波と鋭い斬気が無数に入っていた。
ナッパが触れた瞬間外側の斬気が弾けて、中の斬気が掌波によって飛び出す。
目の前でそれを浴びたナッパの、手や首や顔中に斬気が突き刺さった。
…ポコン、ポコン…と音を立てて次々とホウセンカが作られていく。
正体が分かっているだけに、それは身の毛のよだつ光景だった。
痛みで悶えるナッパは気付かず、新たなホウセンカに触れてまた斬気を浴びた。
「…っぎゃぁあ、ああ…!!」
「やめて…もうやめてレギさん!!!!」
悟飯の声も聞こえないのか、ホウセンカが絶えず作られていく。
さっきまであんなに恐ろしかった男が、今や自らの血に染まって痛みに悶え苦しんでいる。
信じられなかった。
今、目の前で起こっていることが。
こんな状況で、レギは歌っていたのだ。
あの、ツフル人の歌を。
倒れたピッコロを抱き抱えながら、まるで子守歌のように。
「これ、ラクラン…?でもこんなの…!」
間違ってる。
こんな状況で、こんな穏やかな旋律…。
「誰か…止めて…!!」
その時、歌が止んだ。
「…もう、よせ…」
一時、気を失っていたピッコロが意識を取り戻し、レギの頬に触れた。
「っ!………」
その瞬間、浮遊していた全てのホウセンカが淡雪のように溶けて消えた。
レギの目からぼろっと涙が零れてピッコロの頬に落ちた。
「……お前は、そっちに行くな…」
「あ………」
ゆっくりと頬に添えられたピッコロの手が落ちていった。
それと一緒に、レギも全身から力が抜けていくのが分かった。
《…まだ、早かったかな?》
薄れゆく意識の中、またあの声が聞こえていた。
残念そうに。
でも少しだけ、楽しそうに。
《…まぁ、また今度ね…》
遠ざかる気配。
何もかも忘れるように、レギはそのまま意識を手放した。
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