第二章 (編集中)
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「ラディッツのヤロウの敗因だったからな。同じ轍は踏まん」
「そういうことだ。全く、天下のサイヤ人様が尻尾を鍛えなきやいけねぇなんて、情けなくて堪らなかったぜ」
あの時の戦いの一部始終をスカウターを通して聞いていたのだから、こちらが一年間修行をして来たのと同様にベジータ達も対策をしていて当然だった。
ピッコロ達の立てた作戦は失敗。
今はピッコロもクリリンも倒れて、レギはまだ十分に動ける状態じゃなく帳を展開するのもままならなかった。
「に、逃げろ悟飯…!!」
「い、嫌だ!!レギさんはボクが守る!!」
クリリンが倒れても、ピッコロが倒れても、自分にもまだ出来ることがあるんだと、悟飯はレギを庇うようにナッパの前に立ちはだかる。
「ほほう!じゃあ守って見ろよ!!」
そんな悟飯を優に見下ろして恫喝するナッパに、意を決した悟飯の顔付きが変わった。
「……っわあああ!!!!」
──バキィ!!!
その一発は、恐らくその場の誰にも予期せぬ威力で、悟飯のことを完全に舐めきっていたナッパはその渾身の蹴りを横っ面に食らい、何が起こったのかも分からないまま岩へと叩き付けられ、轟音と共に砕けた岩に埋もれてしまった。
「な………」
ラディッツの時もそうだった。悟飯は感情の高ぶりで瞬間的に信じられない力を発揮する。
思いもよらない破壊力に、レギは言葉をなくしぽかんと悟飯を見つめてしまった。
しかしそれが、油断となった。
「……ガキあああ!!!」
瓦礫の中から立ち上がったナッパが吠える。
ようやくダメージらしいダメージを与えられたが、それは到底ナッパを倒せる程のものでもなかった。
しかもまずいことに、ナッパは理性をなくす程に逆上していて、ただでさえ短気な上に子供に蹴り飛ばされたこという事が『エリート』のプライドを傷付けていた。
ましてやその相手が『落ちこぼれの息子』なら、尚の事だった。
「クソガキがあ…‼死ねえ!!!」
「うあ……っ」
怒り狂ったナッパの強力なエネルギー弾が悟飯に迫る。
「くっ……‼」
レギは咄嗟に悟飯を抱き込んだ。
戦闘経験のない悟飯にはさっきの蹴りが精一杯だった。
ナッパの攻撃に悟飯はもう動けない。
せめてこの子だけでも守らなければ…‼
そう、思っていたのに、
衝撃が過ぎても、それだけだった。自分達が無事であることにレギはゆっくりと目を開けて、その惨状に愕然とした。
ナッパの攻撃の前に立ちはだかり、自分達を庇ってボロボロになったピッコロの姿がそこにはあったからだ。
「………ピッ……コロ…」
「へっ…なんて顔してやがる…」
笑おうとしたらしいその顔が、そのまま地面に倒れた。
それが、レギの記憶の中のいつかの情景と重なる。
──…キィィィ…ン……と、レギは耳鳴りと一緒に頭の奥が痺れていくのを覚えた。
「……あ、レ、レギさん…?」
悟飯の呼びかけも聞かず、レギはふらりと立ち上がりピッコロの傍に座り込むと、目を閉じたまま動かないピッコロの頭をそっと抱き込んだ。
「おっと、そういやあナメック星人はドラゴンボールの事を聞き出さなきゃならねぇから殺しちゃまずいんだったっけか?」
先程よりは幾分理性を取り戻したナッパが思い出したように言った。
それから悠然と歩み寄り、レギの頭を軽く蹴った。
「なあおい、ナメック星人の野郎はくたばっちまったのか?」
「………………」
レギは俯いたまま反応を示さずで、ナッパの頭にまた青筋が浮かんだ。
血走った目で拳を振り上げる。
「そんならてめぇもあの世へ行きな!!!!」
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