第二章 (編集中)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
朝起きて
恐竜さんと鬼ごっこ
ボクが勝ったら
尻尾は貰うね!
それから
ピッコロのおじさんと『しゅぎょう』『しゅぎょう』『しゅぎょう』…
だけどあの日
いつもと違うことが起きた
第十三話
≪ボクらの修行ライフ≫
「ピッコロさん遅いなぁ」
ピッコロに拉致られて半年。
荒野に置き去りにされた悟飯は、なんとも逞しく生き延びていた。
今日も恐竜の尻尾で朝ご飯を済ませていつものようにピッコロとの修行のはずなのだが、そのピッコロが今日はまだ姿を見せない。
太陽はすっかり上りきって、辺りの気温も徐々に上がり始めていた。
…いつもなら、もうとっくに来ているはずなのに…。
「ピッコロさん、寝坊しちゃったのかな?」
本人に聞かれたら目からビームもんである。
無邪気に笑いながらそんなことを言った、直後。
──…ゾクッ
「いっ!?」
明らかに自分に向けられた殺気、と同時に巨大な光の玉がいきなり降ってきて悟飯は辛うじてそれを避ける。
光の玉は地面に当たって大爆発し、悟飯がいた場所をめちゃくちゃにしてしまった。当たっていたらただでは済まなかったということは、悟飯にも分かった。
今のをぶつけてきた張本人であろう人物にちょっとムカッとして、悟飯は光の玉が来た方角へ向かって叫んだ。
「…び、びっくりしたぁ~!?ピッコロさん!?いきなり危ないじゃないですか!!」
それに対して、『これくらい避けられて当然だ』とか返ってくるかと悟飯は思ったのに、
「…あれ?…きつね、さん?」
呼び掛けに、崖の上から現れたのは見たことのない小柄な人物だった。
何故か狐の面を被って、じっと悟飯を見下ろしている。
「だれ…?……あ!」
狐面がおもむろに掲げた右手に、ズタボロになったターバンを見て、悟飯の心がざわりと騒いだ。
それは紛れもない、ピッコロのターバンだったのだ。
まだ姿を見せないピッコロと、狐面が掲げるターバンが、悟飯の中であることに繋がる。
「お前!ピッコロさんをどうした!?」
「……」
狐面はくるくると弄んでいたダーバンを投げ捨てると、その手で自分の首をかっ切る仕草をして見せる。
『ピッコロは、自分が殺した』と。
「…っよくもピッコロさんを!!!」
怒りを爆発させた悟飯は崖の上の狐面めがけて飛び出す。
師匠の仇を討つべく拳を振るうが、それを腕で受けられ簡単にいなされてしまう。
「くそ…っ!」
体制を崩された悟飯はそれでもすぐに地面を蹴って今度は蹴りを繰り出すが、狐面はそれを予測していたようにあえて踏み込んで一気に間合いを詰めて来た。
予想外の動きに悟飯は反応ができず、その無防備な腹へ狐面の両手からの掌底が叩き込まれた。
「ぐふ…っ!?」
お腹を抑え込んでうずくまる悟飯へ向けて、狐面が容赦なく手をかざした。
「……‼」
──カッ‼
狐面が放ったエネルギー弾が崖を吹き飛ばした。
悟飯は転がるようにして何とか地面へ着地するのに対して、狐面は悠然と降り立ってくる。
自分は地面に這いつくばるようにしているのに、狐面は砂埃一つ付いておらずただじっと悟飯を見下ろしていた。その瞬間、
「…あ………」
さっきまで狐面に対する怒りで一杯だった悟飯の頭は急激に冷えていった。
目の前の相手が、強すぎる……。自分では勝てない、と認識してしまったのだ。
攻撃は一つも当たらないし、打たれたお腹は今も痛みが響く。
そして何より、
怖かった。
「うっ…痛いよぉ……!」
涙が滲んで、そのまま泣き出してしまいそうになる悟飯に、狐面は無言で構える。
そこで悟飯は初めてそのことに気付いた。
狐面の、腰の辺りからゆらゆらと揺れているもの。
自分やラディッツと同じように尻尾が生えているのを見て思い出す。
父親が死んだ元凶、そして自分が今必死になって修行をする理由を。
(………そうだ…ボクは、戦わなきゃいけない…。強くならなきゃいけないんだ…!!)
悟飯の目に再び戦いの意志が宿り、狐面を強く睨み付けた。
直後、狐面の手が容赦なく伸びてきて、
──ぽん。と驚くほど優しく、頭に手を置かれた。
「ごーかく」
「……………………へ?」
.