第二章 (編集中)
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『特別なんてない』
『全ての魂は平等に』
かつて、その女性はこう言った
『神様って、どうして存在してると思う?』
第十一話
≪キング・オブ・KY≫
「懐かしいなぁ、なんか…惑星ベジータと同じだ…」
レギが移動した先は小さな星だった。
足を踏みならして感覚を確かめる。
ここの重力は故郷と同じくらいで、その久しぶりの重さが体に染み込んでいくようだった。
「さて、界王様は、と…」
感傷に浸っている暇もない。レギが気を取り直して目的の人物を探そうとした時だった。
「ウッホウッホ」
「…………」
「ウッホッホ」
(ゴ…ゴリラだ…!?)
楽しそうに(たぶん)お散歩中のゴリラが目の前を通過していく。
場違いなゴリラの登場に、さすがのレギも固まった。だが、固まったままでは話は進まない。
レギは意を決して、第一星類人猿に声をかけてみる。
「(なんでゴリラ…?)か、界王様、な訳ないよね」
「ウッホ」
「だよねやっぱ、界王様はご在宅ですか~?」
「ウッホホ!」
「え、あたし?あたしの名前は…」
「おーいお前何をやっとるんじゃ?」
「あ」
ゴリラと会話(っぽいこと)をしていたらすぐそこの地平線からトコトコと触角がやって来た。
「ここへ来たらまずわしに挨拶に来るのが道理じゃろう」
「こんにちわ界王様。直接会うのは初めまして。ところでこの子は?」
「ペットのバブルス君じゃ」
「バブルス君か、あたしはレギだよ、よろしく」
頭を撫でてやったら嬉しそうにまた『ウッホウッホ』と言って去っていった。
「……ずっとあたしのこと見ていたよね、界王様」
「気付いておったか…」
「そりゃしょっちゅうあんだけ熱い視線送られちゃイヤでも」
「仕方なかろう。お前さんほど複雑な事情の持ち主、そうそうおらんからな」
「その複雑な事情のことでなんだけど…」
「ふーむ、サイヤ人にか…」
レギが事情を説明し終えると、界王は神妙な面持ちで言った。
「それはまた厄介な連中に目を付けられたもんじゃな地球は」
「それで、しばらくの間ここで修行させて欲しいんだ」
「まぁ別によいぞ。ただし!」
「飴は甘ぇな~」
「何!?」(どーん!!)
「梅はうめぇなあ~」
「っぶ!!うぷぷぷ…っ」
「『この部屋シッケがヒドいね~』『いやぁシッケイシッケイ』」
「ぶくくく…っぎゃははははははっ!!!」
「合格?」
最後は一人二役でレギは、よじれる腹を抱えて若干痙攣している界王にしゃがみ込んで訊ねる。
そして暫くして、ようやくツボから抜け出た界王が呼吸を整えながら答えた。
「…い、いいだろう、許可する…」
「ありがとうございます」
「し、しかしお前さん、なぜシャレだと分かったのじゃ?」
その疑問に、レギはそんなの今更と言うかのように苦笑した。
「北の界王様はシャレがお好き。みんな知ってるよ」
その『みんな』が誰のことなのか、その時界王はあまり気にとめていなかった。
そして、レギが界王の所に来て二週間ほど経ったある日、唐突に閻魔から界王に通信が入った。
「………な…」
「どしたの界お」
「なんじゃとおおおっ!!?」
「………何…」
いきなり上げた雄叫びにおっかなびっくりしているレギをチラッと見て、界王は再び閻魔との通信に戻った。
「何かの間違いじゃないのか!?」
『いえ、わしも初めはそう思ったのですが母親にも確認を取りまして、それをもとに調べたところ、ま、間違いなく…』
「界王様?閻魔様からなんて?」
「ち、ちょっと待て!いや、お、お待ち下され!!」
「へ…?」
何でいきなり敬語!?
しかし質問を挟む間はなかった。
「なぜそんなことが!?」
『それはわしにも分かりませんが、しかし、地獄の門が開かれるのをこの目で見ました…。とにかく今資料を送りますのでご確認下され!』
──ピーーガガガガ……
「あ、FAX…あれ動くんだ!?」
界王の趣味で置いてある骨董品だと思っていたレギは、いきなり起動し仕事をし始めたFAX機にちょっとショックを受けた。
そして、驚いているレギを置いて界王は真っ先にFAXを確認しに行った。
「……な、な、な、な、な……」
プルプル震えながら届いた長~いFAXの紙(古い)を読みながら、こちらは壊れた機械のようにただひたすら「な」を繰り返す。
さっきから置いてきぼりのレギは、その背後からこっそりFAXの端っこを読んでみた。
「…ニシノ、カイ…オウ、シン…?」
…西の、界王…神、て?
「レギ!!」
「いっ!?」
全てのFAXを読み終えた界王がグリッとレギを振り返った。
「ふ………」
「ふ?」
「……ふ…服を脱げ…」
「は?」
「いいからとにかく服を脱げーっ!!」
「ぎゃああっ何何!?なんなのさ!!?」
「ちょっとだけ!!一回だけだから!!」
「何がちょっとで一回だ!!『縛鎖』!!!」
「うおっ!?」
斬気の鎖が界王をぐるぐる巻きにした。
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