第二章 (編集中)
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(あたし、今何を…)
槍の斬気は気づかぬ間に消えて、レギには意識が一瞬だけなかったような感覚だけが残っていた。
「き、貴様!まだそんな力が…!!」
「レギーー!!」
ラディッツの背後から、悟空は振り絞るようにレギの名を呼んだ。
「ご、悟飯を頼む…!」
「…………」
それは、そこから動くなと言うことだと、それがどういう意味を成すのかとレギはぼんやりと考えてしまった。
「ピ、ピッコロ!早くあの技を!!」
「…ああ、そう来るだろうと準備していたぞ!だがもう少し時間がかかる!なぜ尻尾を掴まなかったんだ!?」
「そ、その気になれば、尻尾は自分で切ることが出来る…!」
「し、知っていたか…!!」
悟空を振り解こうと暴れ回るラディッツはまくし立てた。
「わ、分かった!今度こそ本当に手を引こう!もうこの星には来ん!!」
「に、二度も同じ手に引っかかるか…!!」
「こ、このままでは貴様も死ぬぞ!!」
「へへ、オラも一緒に死んでやらぁ…」
「なっ…………」
その言葉に、レギは絶句した。
悟空の『動くな』と言った意味を理解してしまったからだ。
覚悟を決めた笑みを浮かべる悟空。
ピッコロは容赦なく撃つだろう。
「レ、レギ!!い、いいのか!?このままカカロットも死んでしまっても!」
……良いわけない……良いわけがない!!
「だめ……!」
しかし止める間もなく、悟空が最後の力を振り絞って叫んだ。
「やれーーッ!!!」
「魔貫光殺法ーーッ!!!」
閃光が二人を貫く。
勢いで吹き飛び、二人の体が離れて地面に落ちるまで、レギは悟飯を抱いたまま目を離すことが出来なかった。
「…悟空、まだ意識はあるか?」
悟飯を抱えたまま、横たわる悟空の側へ行き見下ろして問えば、悟空は弱々しく笑った。
「…レ、レギ…、へへ、勝ったぞ、オラ達…」
「…………うん。…一つだけ、聞いておきたいことがある。あの時、なんで尻尾を離したの?」
それがなければ、ラディッツは倒せても、悟空まで死ぬ必要はなかったのに……。
問われて、悟空はその時のことを思い出すように少し考え込んで、やがて口を開いた。
「…あいつに、騙されちまった、のもあっけど…レギにはやっぱ、笑ってて欲しいからよ…」
「……」
「あのまま、あいつを殺してたら…、もう、レギの笑顔が、見られなくなっちまうんじゃねぇかって…」
黙って聞いているレギに困ったように笑った。
「怖くなっちまったんだよなぁ…」
「バカだな…」
その笑顔が、いつかの誰かと重なってレギの脳裏に甦った。
苦しさは、もうないけれど、無性に虚しさがこみ上げてくる。
(…どうして同じことを……あぁ、やっぱり…)
そこまで言葉が出かけて、分かり切っている答えに考えるのはすぐにやめた。
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