第二章 (編集中)
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(これじゃあもう…!!)
今のが一番の技、悟空とピッコロの作戦なのだとしたらもう手の打ちようがない。
相手が次を撃つまでに待ってくれるわけもない。
ラディッツも二撃目を撃つ前にとこの場にいる全員を一度に殺すべく手を掲げた。
万事休す!!
と、その時だった。
「っ…ぅおお!?」
「へへ…油断したな」
したり顔で笑う悟空。
その手に握られているのはラディッツの尻尾だった。
子供の頃の悟空がそうだったように、サイヤ人は尻尾を強く握られると力が抜ける。
それでラディッツを弱らせて倒そうと言うのがピッコロと悟空の本来の作戦だったのだ。
「なる程、そっちか…」
「…き、貴様…っ」
てっきりさっきのピッコロの技が二人の策だと思っていたレギは納得して立ち上がった。
そしてもう一度、右手に斬気を纏う。
「悟空、そのまま離すな」
「あ、ああ…」
ラディッツの正面に立ったレギは、大きな剣のように象った斬気の刃を突き付けた。
「ラディッツ、せめてあたしの手で葬ってやる」
ラディッツのセリフを真似て、レギが構えた。
「ぐっ…ま、待てレギ…!お、お前にオレが殺せるわけが…」
「出来ない道理がない」
「なっ…」
絶句するラディッツにレギが冷たく続けた。
「ここでお前を殺らなきゃ、ダメなんだ。“カカロット”のことなんか忘れたままで、地球になんて来なきゃよかったんだよ」
「…………」
限りなく感情のない声言うと、右手を掲げた。
そんなレギを見て、悟空は強く何かが違うと感じていた。
(こんなのは、レギじゃねぇ…)
神様みたいに、人の心が読める訳じゃない。
でも、確実に変わっていく、暖かくて優しかったレギの心が、冷たい氷の壁の様になっていくのが分かってしまった。
(だめだ……こんなこと、やらせちゃいけねぇ…!)
「か、カカロット!お前からも言ってくれ!オレは心を入れ替えた!この星からは手を引く!!」
「黙れ。悟空を惑わすな」
「た、頼む信じてくれ弟よ…!」
「っ散々殺そうとしておいて、虫の良いことを言うな!!お前の敗けだ、ラディッツ!!」
「カカロット……!!」
命乞いをするラディッツの首へ向けて、無慈悲にレギの斬気が振り下ろされる。
瞬間、悟空は尻尾を掴む手を緩めてしまっていた。
──…スル
「…っな、悟空!?」
「…馬鹿め!!」
尻尾を解放され素早く起き上がったラディッツは、驚いて手を止めてしまったレギを蹴り飛ばしてから悟空を肘打ちで沈め、再び立ち上がった。
「お、愚か者め…!!」
いざという時の為に構えていたピッコロの目の前でレギと悟空はほぼ同時に倒れた。
「はーはっはっは!こりゃあいい!貴様のようなマヌケは珍しい!まんまと引っかかるとはな!!」
悟空を踏みつけて高笑いするラディッツ。
レギは胸に受けた重い蹴りでまともに息も出来ず、咳き込む度に血を吐いてうずくまったまま動けずにいた。
「こんな甘っちょろい奴に育ったとはつくづく情けない奴め!だがオレは違うぞ?実の弟であろうと殺すことに何の躊躇いもない」
悟空の胸を踏む足に力が込められ、骨の折れる音がした。
「うぎゃあああっ!!」
「…ご、くう…っ」
「こいつを殺したら次はお前の番だからなレギ」
「くっ…足を退けろラディッツ…!!」
言葉は出るけど体が動かない。
踏み締める度に響き渡る骨の折れる音と悟空の悲鳴にレギは砂ごと拳を握り締めた。
「…な、何なんだ……何を、やってるんだよ……!」
悟空を踏みつけるラディッツの背中を、穴が開くくらい睨みつけた。
本気で穴を開けてやろうかと思った。
昔の仲間同士、兄弟同士で殺し合っている状況に怒りで身体が震えた。
ざわり、と風が吹いた。
「…こんなこと、やってる場合じゃないだろうがああ………っ!!」
──ボンッ!!!
「「っ!?」」
「…え」
叫んでから、呆けた声で移した視線の先に、宇宙船を突き破り飛び出した悟飯を見た。
怒っているのは、自分だけじゃなかった。
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