第二章 (編集中)
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選べない道
今立っている所が
今の居場所
変えられないなら
どうするか…
悩んでるヒマはない
第七話
≪悲しい兄弟達≫
「…ちっ、向こうの二人は何をコソコソやってやがる!」
「気になるの?ヤロー同士の会話が」
「お前が言うと何故そうなるんだ!?」
その昔と変わらないツッコミに、レギはたまらず言ってしまった。
「…なんでこんなことになっちゃったんだろうねラディ…」
「何も変わっちゃいないさ」
「変わったよ!!!」
ラディッツの一言にここまで堪えていた感情が爆発し、レギは一気にまくし立てた。
「…あんた、そんな目してなかった!!今日初めて会ったとはいえ、実の弟に手を下すようなマネ絶対にしないやつだった!!…兄弟でも何でもない、ハンデばかり背負うあたしの世話だって焼いてくれた…!それが今、なんだってこんな酷いことができるんだよっ!!!」
「…上からの命令だからだ」
「命令ならなんでもするのかっ!?」
「ああそうだ!…レギ、お前こそ分からんぞ!何故そこまでカカロットに肩入れをする!?」
「分かんないのはあんたの方だよ!!この馬鹿兄貴!!!」
「…これ以上言い合っても無意味だな。せめて俺の手で葬ってやる」
「…っ」
ラディッツの自分に対する殺気は変わらない。
もう本当に何も変えられない…。そう確信してしまうと泣きたくなった。
でもそんな暇はない。今ここでこいつを止めなければ、今度は………。
その時、悟空とピッコロに動きがあった。
(…決まったか)
確認して、目を閉じた。
「レギ、あの世で親父達によろしくな」
ラディッツの言葉が終わるより先に、レギは動いた。
一気にラディッツの正面へ飛び込み構える。
ラディッツもその急な突進に応じるため右拳を繰り出すが、レギはそれより更に懐へ入り込み、手に持った斬気でラディッツの胴を狙うもそれはプロテクターに弾かれる。
すかさずラディッツの蹴りが強襲するが、レギはその足へ手を着き体を旋回して上へ回避。
ラディッツの背後へ落ちながら、再び斬気を構えた。
──ガキィン!!!
「っぐ……!!」
「ちっ……」
弾かれてレギは空中を回転しながらラディッツから距離を取り着地。ラディッツから目を離さず立ち上がって、忌々しそうに睨んだ。
狙ったのは、首だった。攻撃はラディッツが着けている籠手によって阻まれていた。
レギは斬気の切っ先をラディッツへ向けて、
「やっぱり鬱陶しいなそれ」
「……レギ、貴様………!」
レギからの殺意に、初めてラディッツの顔に焦りが滲んだ。
斬気は、体術や掌波よりも遥かに殺傷力が高い。プロテクターを身に付けていなければ、今ので確実に首が落ちていた。
レギがあえて先に胴を狙ったのは、首への攻撃のフェイントだと悟って、ラディッツは密かに冷や汗をかいていた。
明らかに、レギの様子が変わっていた。
レギは斬気をまっすぐに突き付けたまま、
「悪かったねラディッツ。本気でやるよ
あたしはまだ死ぬわけにはいかないんだ」
「………へっ、全然使ってこないから、使い方を忘れてんのかと思っていたぜ…」
「ほざけ」
軽口に付き合いながらも、レギは自分の内心を今一度整理する。
(……出来れば、これは使いたくなかった………)
だがそれは甘えだと、自分自身が一番良く分かっている。
ラディッツを、ここで止めなければ、ここで、殺さなければならないのに…。
もしかしたら、ちゃんと話をすれば殺し合いなんてしなくていいんじゃないかと。
もしかしたら、悟空だけでも見逃してくれるんじゃないかと……。
そんなことを心のどこかで期待してなかったと言えば嘘になる。
それは、自分にラディッツを殺す覚悟が出来ていなかったことに他ならない。
この選択に、ほんの少しの後悔もあった。
でももう四の五の言ってられる状況じゃない。
もう何もかも取り返しはつかないのだから。
甘さは捨てて、全力で闘う。
それが、レギが自分で決めた道だった。
「大事ならさっさと行け。もたもたしてると殺されてしまうぞ」
「おう、それじゃあいっちょ食い止めてみっか!」
ピッコロとの話もまとまって、悟空はレギとラディッツの元へ向かった。
「せいぜい踏ん張ってくれよ…!」
悟空を見送り、一人残ったピッコロは気を溜めるために集中に入った。
「っち!」
向かってきたエネルギー弾を切り飛ばして凪払うように斬気を振るう。
それを下がって避けたラディッツのカウンターのエネルギー弾がレギの頬を掠めていった。
「だがやはり昔よりスピードがないな!そんなんじゃ俺は殺せないぞ!!」
「だあああっ!!」
「何!?」
ラディッツの背後から躍り出た悟空、その拳を慌てて飛び退いて避けたラディッツに、更にレギのかまいたちが追いかけ距離を取った。
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