第二章 (編集中)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「まあもっとも、こいつは母親が別の種族だったからサイヤ人の血は半分しか流れてはいないがな。そのおかげで頭の方は大分キレる。惑星でも重宝されていたんだ」
「あ……」
ブルマが小さく声を漏らした。
レギが機械やコンピューターに詳しい訳…。
男の話が本当なら、これまで疑問だったことに全て筋が通る。
そして男は、さらに信じられないことを口にした。
「そしてこのオレは、貴様の兄ラディッツだ!!」
「な!?」
「き、兄弟…!?」
「でたらめ言うな!!」
「そ、そうだ!!悟空が宇宙人なら、なんで地球にいるんだよ!!」
「カカロットはこの星の邪魔な人間どもを絶滅させるために送り込まれたのだ」
そこから更に語られたサイヤ人という種族の生業は耳を疑うような話だった。
サイヤ人は、環境の良い星を襲いそれを別の異星人に売りさばく。
レベルの高い星には大人の戦士が出向き、そうでない星には赤ん坊を直接送り込むのだという。
まだ赤ん坊だった悟空がそうだったように。そして、その悟空は心優しい老人孫悟飯に拾われ育てられた…。
幼い頃に頭を打って狂暴な性格が変わったということと、悟空の飛び付けた強さが、ラディッツの話と繋がる。
繋がるが、今の悟空には狂暴さは欠片もないし、ラディッツの話のように悟空が他の星を襲うだなんて想像も出来なかった。
確かに、あの大きな猿に変身してしまうと手は付けられなかったが……。
「幸いこの星にも月があるからな。お前一人でも数年かかれば十分邪魔者を一掃できたはずだ」
「ぁ……!」
ちょうどあの大猿の事を考えた時、ラディッツがその事を口にした。
クリリン達がギクリとする中、悟空はやはりピンと来ず顔をしかめた。
「…おい、月があるから、なんで幸いなんだ?」
「とぼけるな。月が新円を描く時こそが我々サイヤ人の本領を発揮できる時ではないか!」
「何のことかさっぱりだ!」
「何!?」
そこでラディッツがハッとしたように悟空の腰を確認した。
「貴様しっぽはどうした!?」
「ずっと前に切れてなくなった!!」
「なんと愚かなことを…!!」
ラディッツが憤る訳も悟空には分からない。
分かっているのは、目の前の男が自分にとって、そして仲間達にとっても危険な存在だということだけだった。
「もういい!オラが別の星から来たとか、おめえが兄貴だとかは関係ねえ!!
オラはこの星で生まれた孫悟空だ!さっさと帰るんだな」
「ところがそうもいかんのだ。サイヤ人というのは元々少数民族だった上に、惑星ベジータが巨大隕石の衝突で爆発してしまったのだ。ほとんど全てのサイヤ人は宇宙のチリと消えた。俺達の父親や母親もな」
故郷の消滅も親の死も、ラディッツは悲しむそぶりなど微塵もなく淡々と語った。
その時、レギがゆっくりを身を起こした。
「…………隕石の、衝突、ねぇ…」
「レギ!!」
「大丈夫か!?」
しかし、レギは悟空たちの方を見ようとしなかった。
「レギ…?」
何か、様子がおかしい。
そう感じても、何がおかしいのか判然としない。
悟空達が言い知れない不安に駆られる中、レギはラディッツへ向けて口を開いた。
「あの時、星にいなかった奴といえば、だいたい予想はつくな」
「…ああ、俺とお前と、それからカカロットを含めて生き残ったのは5人だ」
ラディッツの返答を聞きレギは、ふん、とつまらなそうに鼻を鳴らす。
「大方、いい値で売れそうな星を落とすために人材が必要でこんな辺境の星まで来たんだろう?そんな状態じゃ、まともなチーム編成もできていないんだろうな」
「…分かっているじゃないか」
レギの言葉に、ラディッツが小さく笑った。
「…レギ、何言ってんだ…?」
悟空の問いに、レギは答えなかった。
その代わりに信じられないことを口にしする。
「ラディッツ、代わりにあたしが行ってやるよ」
「…え?」
「…レギ、何を…」
訳が分からないでいる悟空達にかまわず、レギは続けた。
その顔に、野心に歪んだ笑顔を滲ませて。
「久しぶりに、暴れてやるのも悪くない」
.