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――久しぶりじゃな亀の!お主もすっかりジジィじゃなあ!!
カカカカ!!と豪快に笑う。
その女性は向こう半分が透けていた。
亀仙人は未だショックから立ち直らず。
ブルマやウーロン達は真っ青になってガタガタと震えた。
「ゆ…ゆゆゆユーレイイイィィ!!!?」
「オバケーーッ!!!」
――まぁ、否定はせぬが…そう怯えられては傷つくのう。
お主らは何じゃ?亀の孫か?
ぶんぶんぶんっ!!(首振り)
――違うのか…。違うとすれば…、おなご、
「…え!?わ、私!?」
指名されてブルマは反射的に返事をした。
――お主はもしや、亀のコレかの?
小指をおっ立てた。
「っば、バカ言わないでよ!!そんな訳ないじゃないのよ!!」
――冗談じゃよ。
ケロッと言った女性に対し、さっきので警戒心も恐れも吹き飛んだブルマは女性に詰め寄った。
そもそもが正体不明なのだ。
「冗談にも程があるわよ!!あなた一体なんなの!?」
すると女性は、ニカッと笑って言ったのである。
――わしの名はツクヨミ。亀の古い知り合いじゃ。
『…ピッコロ、あなたが思うほど、この世界は悪くはないんですよ?』
笑いながら、子供に言い聞かせるように言った。
あれは、自分には意味のない物だったはずだ。
その言葉も、あの笑顔も。
全てを壊し、安息も平和もない。
恐怖と絶望だけの世界を築き上げる。
ただそれだけが、自分の存在理由だった…。
『私はあなたなんか怖くありませんよ』
『…私は知ってるんです』
やめろ。それ以上わしの頭の中で喋るな。
『あなたはただー…』
「…ピ、ピッコロ大魔王様…?い、いかがされましたか…?」
「…うるさい。喋る暇があるなら、さっさとドラゴンボールを集めろ」
「は、はいっ只今!!!」
睨まれたピラフは縮み上がりすぐさま作業に取りかかった。
ピラフの用意した飛行機の中、いつまでも消えない幻影が、ピッコロを苛んでいた。
「……あそこで出てこなければ、己の生をまっとう出来たであろうが、愚かな女だ…。再びこの世に出て、わしに殺されることもなかったであろうに…」
一人呟いて、冷笑を浮かべる。
だが、それはどこか悲しげに…。
無理矢理忘れて目を閉じた。
…あれで、良かったのだ…。
だが、彼はまだ知らない。
あの時の、
あの笑顔も、
言葉を交わしたことも、
共に過ごした僅かな時間も、
その全てが特別だったはずのことを…。
…ツクヨミ…。
一度だけ、呼んだ。
声に出さずに呟いたその名前を、彼は二度と口にすることはなかった。
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