すれ違う思い 前編
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「あはははははは!!」
「な……何がそんなに可笑しいッ!?」
「た…、だ、だって、そんな顔するだもの…!」
「ぐっ…!貴様、このオレを誰だと思って…!!」
「存じてますよ?ピッコロ大魔王様」
「………」
にこ、と言ったツクヨミに、ピッコロは開いた口が塞がらなかった。
この人間は一体何がしたいんだ。
自分のことが怖くはないのか…
「私は、あなたなんか怖くありませんよ」
「……心を、読んだ…のか…?」
「ごめんなさい。これが私の能力なんです。何故か分からないけれど、物心ついた時から人の心が聞こえるんです」
そう言って、ツクヨミはピッコロの手を取った。
反射的にその手を振り払おうとしたピッコロだったが、頭の中に流れてきたもので動きを止めた。
小さな少女が、薄汚れた格好で一人街をさまよう。
幼い頃のツクヨミだと気付くのには時間がかかった。
「……よせ、このオレにこんなものを見せるな」
そう言うと、ツクヨミは素直に映像を送るのを止めた。
街の人間から、蔑みと脅威の目でしか見られず身よりもなくずっと独りでばかりいる映像だった。
ツクヨミは、そっとピッコロから手を離した。
「同情でもして欲しいのか?」
それは、ピッコロが自分でも驚くほどに冷たい言葉だった。
本当はそんことを言うつもりじゃなかったはずなのに…。
(いや、何を考えているんだオレは…)
どちらが本当の自分の意志なのか急に分からなくなってピッコロは黙り込んだ。
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