最後の再会
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――お久しぶりですな、カリン様。
「ツクヨミ…いや、ツクヨミ様、今やあなたは神様と同列のお方。もはやこの私には、敬称も敬語も不要ですじゃ」
人の身で魔封波に入り300年あまり生きているツクヨミは、すでに人の領域を越えていた。
それを理解したのかしていないのか、ツクヨミは顎に手をそえ僅かに考え込む。
――む、そうか。……ということは、わしは今奴とタメか?
「はい…?」
カリンがこてんと小首を傾げた。
「今、なんと…?」
――神の奴とタメなのかと聞いておるのだ。
「は、はあ、そうなりますな…」
――そーかそーか、ウフフフフフフフ……。
途端に怪しく笑い出し背に背負うオーラがはっきりとどす黒くなった。
さしものカリンも、ちょっと怖くなる。
「え、ツクヨミ様…?」
――なるほど。それは良いことを教えてくれた!礼を言うぞカリン!
「な、お、お待ち下され!一体…」
――ふん、わしは前々から奴のことが気に入らなかったんじゃ。言いたいことも山盛りあるしな、奴と対等とは好都合なことこの上ない!
「って、一体何をなさるおつもりじゃ!?」
――よーし!ならば善は急げ!!待っておれよ神!!!
ではな、カリン!
「人の話を……お待ち下され!!ツクヨミ様、神様に手を出してはなりませぬぞーー!!!」
しかし、カリンの制止の声も空しく、ツクヨミは空高く神の神殿へと上っていってしまったのだった。
「ぜ、善は急げって……そ、それは、善なのですか…ツクヨミ様………⁉
わ、わしはとんでもないことをしてしまったのでは…!!神様、どうかご無事で…!!」
もはや姿も見えなくなった遥か空の上を見つめながら、カリンには祈ることしか出来なかったのだった。
「ミスター・ポポよ、下がっていなさい。ツクヨミが来るぞ」
「か、神様…」
「…大丈夫だ。私に恨みがあるようだが、あやつには、私は殺せない。それは、本人が一番よく分かっているはずだ」
「で、でも、ツクヨミは今神様と同じ存在。もし何かあれば、ポポ、止められない」
「……大丈夫だ」
ぎゅっと杖を強く握りしめた。
渋面に冷や汗を浮かべながら待ち受ける神の前へ、
「……」
ツクヨミがー…、
「………」
「…………」
「……はて?」
「…ツクヨミ、来ない……」
――はあ~、随分質素な所だのう。
「「!!?」」
――神の家じゃから、もっと仰々しいものを想像しとったが……ん?なんじゃ?
「おおお前は一体どこから…!?」
指を指されてツクヨミは無意味にふんぞり返る。
――お主らの後ろからじゃ。真っ正面から行ったのではつまらんから、途中から気配を殺して、わざわざ裏を回って来たのだぞ!!
(…こやつ、ただのアホではないのか…)
さっきまでの緊迫感を物の見事に打ち砕いて、ツクヨミがついに神と対面する。
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