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『人の心を覗くらしいよ…』
『覗かれた者は魂を吸い取られるんだって!』
『気味の悪い…』
『あいつは鬼の子だよ!』
『あっちへおいき!!』
“災いを呼ぶ”と。
大人達の言葉は、少女の心を簡単に傷つけた。
物心ついた頃から、周囲の目は冷たかった。
木枯らしの吹く、冷たい冬の初め。
身に着けているのは、薄い羽織一つ。
風に晒された手足は冷え切って、凍える体を温める術もなく。
少女は冷たい大人達の目をかいくぐり街の外へ出た。
自分の居場所はここにはないと思った。でも行く所もなかった。
特に目的もなく、ただ聞こえる全ての声から逃げたかった。聞きたくなかった。
少女は、大人達が言うように人の心が読めた。
故にそれを知った者は皆揃って彼女を怖れ、気味悪がって追い立てた。
少女は、読みたくて読んでるわけではなかった。
読みたくなくても、聞きたくなくても人々の心の声が勝手に入ってくる…。
いつも頭は割れそうだった。
自分ではどうすることも出来なくて。受け止めてくれる者もいなくて。
その日、少女はついに街を出た。
『……どうした?』
『……』
そこで、一人の老人と出会う。
『そんな格好では寒いだろう。私の家へ来なさい』
自分の上着を少女に着せ抱き上げる。
それが少女の、初めて触れた人の温もりだった。
『お前の名前は?』
『………ツクヨミ』
それだけ言うと、少女は老人の腕の中で気を失った。
老人は眠る少女を抱き直すと歩き出す。
向かった先は大きな寺院。
老人はその寺院の一番偉い老師で、名を『武泰斗』と言った。
少女はそこで、自らの力の使い方を学び、
やがて、
かけがえのない出会いを果たすことになる…。
それが、今から300年前のこと。
現在の世に、それを知る者はほんの一握り…。
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