最後の再会
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(…オ、オレは、幻を見てるのか…?)
悟空が敗れ、その首に下げたドラゴンボールを奪いピッコロ大魔王が去るまで、一人物陰に隠れていたヤジロベーは、目の前の光景に動けずにいた。
(…女が、見える…向こうが透けて…、幽霊…か?)
倒れた悟空の傍らに、黒装束の女が屈み込んでその胸元に手のひらを押し当てていた。
――…童死ぬな。お主は死んではならん…!!
庇うつもりで、エネルギー波の前に立ちはだかった。だが、それは全くの無意味に終わった。
今となっては、もう誰も守れなくなってしまっていることを否応なく痛感してしまって悔しくて怒りさえ覚えた。
――…今のわしにはこれくらいのことしか出来ぬが…。
息を吹き返せ。孫悟空!!
──どん!!
「ういぃ!?」
それは、風と呼ぶには少々荒く、爆発では優しすぎる、淡い光が悟空を包み込んだ。
「あ………な、何だよ?」
光も治まり、おっかなびっくりにしているヤジロベーに、ツクヨミが手招きして悟空を指差した。
恐る恐る近付いて、悟空の胸に耳を押し当てて仰天する。
「心臓が動き始めた!!おいっ、孫!しっかりしろ!!」
「…はあっ!!ごっ、ごほっ…」
頬を叩くと悟空は止まっていた呼吸も戻って激しく咳き込んだ。
「す、すげぇなお前!!生き返らせちまった!!……あれ?」
興奮してヤジロベーが振り返った先に、もうその姿はどこにもなかった。
「…な、なんだったんだ、あいつ…?」
「…み、水…」
「あ、そうだ!こいつ死にかけだったんだ!!」
か細い声に我に返り、大急ぎで悟空を川へと連れて行った。
「…なぁヤジロベー、真っ黒な服着た、髪の長ぇやついなかったか…?」
「いたぜ。お前の知り合いか?」
「いや…、でもあいつオラに…」
「なんだよ、何を言われたんだ?」
「…か~、く~…」
「寝るなぁー!!」
悟空の案内で一度カリン塔を目指すことになったスカイカーの中で、居眠りに落ちる悟空の横っ面にヤジロベーのグーパンが炸裂したのであった。
「案内しろよ!!寝るな!!」
「…あれ?なぁヤジロベー、髪の長ぇ…」
「それはあとでいい!!!!」
この後ヤジロベーは、運転と居眠りする悟空に渇を入れたりと、始終忙しかったという。
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