別々の心
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――それにしてもなんじゃ亀、お主頭ではなく口のまわりに毛が生えたのか。
「これはヒゲですじゃー!!」
――ふーむ、器用なもんじゃなぁ。
「いや、人の話を聞いておりますか!?大体あなた様は事の重大さが分かっておるのですか!?」
――少し落ち着け亀。あまり興奮すると頭の血管がちぎれてしまうぞ。
「これが落ち着いていられますかーッ!!!」
幽霊の女性ツクヨミに真っ赤になって叫んだ亀仙人。
本当にどこかがぶち切れて倒れてしまいそうに見えた。
数分前。
「…ツ、ツクヨミ…?」
名乗られて、ブルマ達はオウム返しに繰り返した。
聞いたことのない名前、幽霊であることに加えてその容姿から『古い知り合い』にはとても見えない。
どう見ても、若い。
(ふ、古い知り合いってどういうこと!?なんで爺言葉!?)
(古いってことは、や、やっぱりそれなりに…なんじゃないのか?)
(でも全然おばあさんには見えませんよ)
(下手すりゃお前より若く見えるよな)
(うっさいっ!!)
上から順に、ブルマ、ヤムチャ、プーアル、そして最後のウーロンにブルマが肘鉄を食らわした。
ツクヨミは、少し離れた所でのそんなやりとりを微笑ましく見ていた。
――賑やかなやつらよのう…。
「…ツクヨミ…?」
じっと見つめていた天津飯が思い出したように呟いた。
「…ツクヨミ……武泰斗様の、孫の…?」
それを聞いてツクヨミは目を丸くした。
――なんと!亀以外にわしのことを知っておる者がいたとは驚いた。
スッとすがめるように目を細めて天津飯を見た。
――…なるほど、鶴の弟子か!そっちのちっこいのもの。
「「…!」」
そう言って天津飯の後ろに隠れていた餃子に微笑みかけた。
いきなり言い当てたことに天津飯と餃子は一瞬驚いたが、心当たりがあった。
(…読心術!鶴仙人様が言っていた通りだ…だが…)
そこまで考えて、はっとしてツクヨミを見た。
黒い瞳が天津飯を見つめていた。
――鶴のやつはずいぶんお喋りだった様だの。ま、やつとは仲の良い方ではなかったから気にはせんよ。
にこやかに笑いかけた。
――(…気にはせんが、よもやあのタヌキめ、いらぬ事まで吹き込んではいまいな…)
天津飯の心から汲み取ったものに、嫌な予感がしていた。
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