◆出発◆
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ベルゼブブは腕を組んで悩む。
「う~~~ん…悪くない話だけど、オレ達盗めば水くらいなんとかなるしな…」
「だが、泳げなくてストレスの溜まっている半人魚や河童達は喜びますぞ」
「鱗ハゲとかになっちゃってるもんね…」
シーフの言葉にミルナギも彼らの姿を思い浮かべて苦笑いをした。
他の魔物達の意見も様々だった。
「やめろよ格好悪いよ。人間と組むなんてさ」
「でもあの水で儲けてる国王にはいいキミだぜ」
「ちょいと!さっきから聞いてりゃ、危険すぎやしないかい?人間と一緒になんて!」
「サキ!」
進み出たのはサキュバスのサキだ。
ミルナギを庇うようにラオの前に立ちはだかった。
「幻の泉なんて胡散臭い!一体何を企んでいるんだい!?人間!!」
「企みなどない。純粋にこの世界を思ってだ!泉は必ずある、どうか信じて欲しい……うっ!?」
瞬間、ラオは息を飲んだ。
首元に、サキの背にある翼の鋭い爪が突きつけられたのだ。
「お前の命に誓って?」
「…ああ、誓おう…!!」
「………」
爪を突きつけたまま、サキはラオを睨み続け…。
ふと、その束縛を解いた。
ベルゼブブを仰ぎ見た。
「どうする?王子」
問われて再び考え込むベルゼブブ。
隅の方で、
「…サキの姐さんおっかねぇよ…」
「何もあそこまでやんなくても…」
「お黙り!!」
キーッ!!と、サキの怒りの矛先がコソコソ話してた化け狐や一反木綿達に向けられた。
爪と張り詰めた殺気から解放されラオは冷や汗と共に安堵の息を吐いた。
サキの目が本気だったからだ。
「どうしようかな~…」
中々決心が付かないベルゼブブ達にラオが車から一つの箱を持ってきた。
「よかったらこれを貰ってくれないか?長い混乱で、たった一つ残ったゲーム機らしいが…」
それに、ベルゼブブ達は飛び付いた。
それはもう、物凄い勢いで。
「すっ、すげーーっ!!おいっ、プレステ6だ!!!」
「ソフトも付いてるぞ!!ドラクエXⅢとか…!!」
うぉぉおおおっ!!!
盛り上がる少年達(心は)。
これはもう決まったなと、ミルナギとサキは顔見合わせたのだった。
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