◆出発◆
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あ~あ、なんでこんな世界になっちゃったかな~…。オレ達暗黒世界の似合う魔物に、この激しく眩しい太陽光線ってのはどーだろ…」
「…50年くらい前までは、まだこの辺にも川はあったんだよね…」
ボヤくベルゼブブにミルナギも隣に並んで砂漠を見渡した。
「でも、人間の愚かな行動と天変地異が重なって、サンドランドはたいして広くもなかった砂漠が世界の全てになっちゃったんだよね…」
「それなのに人間達ときたら、馬鹿な争いを続けて、それがやっと落ち着いたと思ったら、今度はこの砂漠の命でもあるたった一本の川が突然涸れちまって…」
「「あの肉饅頭が出てきたんだ…!!」」
ミルナギとベルゼブブが声を揃えて顔をしかめた。
…『肉饅頭』、つまり国王のことである。
とある日のテレビで。
――『あいかわらず雨は期待できません。さらに死亡者が増えるものと思われます。では、国王の会見です』
――『国民の皆さん、昨今の特に厳しい水不足にはさぞお困りのことでしょう。そこで、とても優しい私は、期間限定で水を値下げすることにしましたぞ』
得意気に笑いながら、見るからに肥え太った肉ま…国王が続けた。
――『500ミリリットル入りペットボトル1000円を、なんと900円で提供しましょう!!』
それを聞いた途端、テレビに向かって振り下ろされたミルナギの翼をベルゼブブ達が必死になって抑え込んだのは記憶に新しい。
全ての水は、たった一つの水源を持つ胡散臭い国王がコントロールし私腹を肥やしていたのだ。
「むかつく…」
「以上、回想&説明終わり」
「わ、わしの出番……」
凹んでいるシーフを気にすることなく砂漠を眺めていると、
一台の車がやって来たのだ。
.