◆出発◆
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どこまでも続く砂と岩だけの世界。サンドランド。
乾いた風が吹き、照りつける太陽が更に水分を奪っていく。
そんな生きるものも少ない砂漠の中を、一台の車が走っていた。
この国唯一の水源を持つ国王の、街から街へ水を運ぶ輸送トラックだった。
その前方に、トラックの行く手を遮るように立ちはだかる人物がいた。
「こんちはー♪」
「「げげっ!!?」」
それを確認したとたん、トラックに乗っていた人間は同時に呻いた。
なんて言ったって、その小柄な人物の背に、魔物の象徴である黒い翼を見てしまったから。
「片翼のミルナギ…っ」
「はい、どーん」
無造作に翼を地面に突き立てた。人間から見れば、突然現れた黒い壁。
トラックはブレーキが間に合わず突っ込んだ。
しかし、少女も翼もびくともしておらず、むしろ車の方が少し凹んでしまっていた。
「みんな!!」
「「「おー!!」」」
少女、ミルナギの合図で岩陰で待ちかまえていた魔物達が一斉に飛び出す!
「くそ!バックだ!!」
「グレムリン!!」
「あいよ!」
ボンネットに乗り上がったグレムリンが車に手を突っ込みコードを引きちぎる。
バチバチと音を立てて車は完全に動かなくなった。
トラックはあっと言う間に魔物に取り囲まれてしまった。
「よーし!水いただき!!」
遠慮なく荷台を開け水を運び出す魔物達。
「く、くそ!」
「水貰うだけだって、いいじゃんちょっとくらい!」
「そうはさせるか!!」
トラックから降りてきた人間がピストルを構えた。
──パンパン!!
「いっ!!」
魔物の王子ベルゼブブが撃たれた。
が、仲間は誰一人気にする者はいなかった。
「おーいて。…ってこら、オレ撃たれたんだけど…」
「平気だろ王子なら」
とケンタウロス。
ミルナギはベルゼブブの撃たれた所をくるくるとなぜた。
「いたいのいたいの飛んでいけー」
「………」
…いや、ちょっとくらい、心配とか……ミーまで………。
ちょっとショックだったベルゼブブ。
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