◆砂の世界◆
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長い体をクネクネとくねらせ、手(前足?)を口元へ……何か、仕草がアレだった。
「ひっさしぶりのエモノなーのよーう!!逃ーがす訳なーいじゃなーいのよーう!!」
ΣΣオカマだーーっ!!(どーん!!)
「……わ、私にも、言葉が分かるぞ……これは、聞こえ方がおかしいのか……?」
「おかしくねえ!は、初めて見たぜ……」
困惑するラオにベルゼブブも言い返す。
それなりに長く生きてきて、オカマに遭遇したのは初めてだった。
「中々活きの良いのがいるじゃなーい!2匹はちょーっと鮮度が悪そうだけど……この際贅沢は言ってられなーいわねー!」
加齢で鮮度が悪いみたいに言われて、必死に運転しながらもシーフは一人涙を飲んだ。
(絶対ワシとラオのことじゃ……!!(泣))
「……くそ!!」
鮮度はともかく、捕食対象であることは同じのようでラオは歯噛みする。
言葉が通じても目の前の魔獣の本質は変わらない。
やはり向こうにとっては、自分達はただのエサでしかないのだ。
ミルナギは無理矢理ショックから立ち直り果敢にもゲジ竜に叫び返した。
「…わ、私達だってここであなたに食べられるわけにはいかないのよ!!」
「あーら!だったら逃げ切ってみなさーい火竜のお嬢ちゃんvVご自慢の炎でねぃ♪」
「っ…」
ミルナギの心がざわりと騒いだ。だが、言い返せない。
ゲジ竜は、そのことを分かっていた上でミルナギを挑発していた。
「どーうしたのよーう!?太陽の化身は単なる肩書きなのかしら!?だったら、大人しく食べられなさーい!!!」
ゲジ竜がムカデ式の体をバネのように伸ばしてミルナギを一飲みにしようと襲いかかる。
「ミルナギっ!!」
ラオが叫ぶ。
しかしその瞬間、フッとミルナギの影が浮いた。
それは、車に衝撃を与えないために。
ぎりっと体を捻ると同時に、右の翼を目一杯後ろへ反らす。
「ふざけないで」
「え」
──ズガンッ!!
「ギギャアアアアアっ!!?」
耳をつんざく凄まじい悲鳴が響いた。
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