◆出発◆
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「オ、オレ、サタン様に相談してくる!!」
ベルゼブブはダッシュで駆けていった。
魔物の城の一番奥が、大魔王サタンの部屋だ。
「…あ、あの…パパ」
「話は全て聞いていた」
小山のように見上げる所に炎が灯っている。
その明かりで、玉座に座り本を読んだままの体制で大魔王サタンは言った。
「あの人間は信用できそうだ。サキュバスの威嚇にも邪な考えはなかった。お前の修行にもなるだろう」
「は、はいっ!」
「ただし!」
サタンの語調が強くなった。
「無事帰ってきたらゲームは1日1時間まで。明るい部屋で、画面から離れてすること」
「わ、分かりました…」
ゲーム機にガッツリ食いついていた様子もシッカリ見られていたようだ。
バツが悪そうに返事をして下がろうとした時だった。
「お義父様、私も同行させて下さい」
「ミー!?」
いつの間にか、ベルゼブブの隣に並んでミルナギがいた。
「まさか、一緒に行く気か!?」
「だめなの?」
「いや…でも…」
小首を傾げるミルナギにしどろもどろになるベルゼブブ。
来てくれるのは凄く嬉しい。
だけど…。
「ミルナギ」
口を開いたのは、サタンだった。
ミルナギはサタンを見上げた。
「意味を理解している上で言っているのか?
……人間と共に行動することだと」
「勿論です」
サタンの言葉にミルナギは何の迷いもなくはっきりと答えた。
「あの人間は嘘をついているようには見えませんでした。泉の話が本当なら、サンドランドに水を取り戻すことが出来るかも知れない。私もその役に立ちたいのです」
「ミー…」
「ベルが行くなら私も行く。大丈夫だよ、私もう平気だから」
そう言ってにっこりと笑ったミルナギ。
それでも、ベルゼブブの不安は拭いきれなかったが、サタンが厳かに口を開いた。
「分かった。お前がそう決めたのなら、旅の同行を許そう」
「ありがとうございますっ!!」
ぱっと顔を輝かせて頭を下げたミルナギ。
「じゃ、私準備してくるから!」
言ってダッシュで自室へ駆けて行った。
その背中を不安そうに見つめるベルゼブブにサタンが声をかけた。
「…ベルゼブブ、我々にあの子を止めることは出来ない。お前が、ミルナギを守ってやれ」
「…はい!」
力強く頷いてベルゼブブも部屋を後にした。
.