「恥を知りなさいトリニカ。自分のこともろくに知らないまま、自分を殺そうとしたことに!アチシだーってねぇ、生まれたときからオカマだったわーけじゃなーいのよーう」




「バケバケ…」

「うおあああ!?な、なんだあれ!?」

「で、でかい蛇に、化けやがった!?」

「トリニカ君!?」

「…メインマスト、修繕しておきます」

マストに巻き付いて柱を直し始める。

「あの子…」

カナヅチを振るいマストを直していく。


…ぐずっ……トンテンカンカン…ずびっ…カンカンカン…


垂れる鼻水を啜りながら、涙を拭いながらカナヅチを振るう。


…バサッ…シュ……バサッ…。


「「「は?」」」
いきなり、トリニカの背中から羽が生え、すぐに消えた。
その後も、出たり消えたりを繰り返す。

「な、何やってるんだあいつ?」

「…全く、仕方なっさブルね」

「イワちゃん?」

「何かをやっていないと無意識にボンボーイの所へ行ってしまいそうになるのを、必死に抑え込んでいるのよ」

「…トリ肉…」(イワちゃんの裏拳が炸裂)

「トリガール!ちょっと降りて来なサブル」

「はい…」

ぐずぐずと鼻をすすりながら、トリニカは変化を解いて降りて来た。

「全く…」

「!」

真っ赤になった目で、何故呼ばれたのだろうと不思議そうに見上げるトリニカを、イワンコフは優しく抱きしめた。

「泣きたい時は我慢するもんじゃなっサブル。思いきり、泣いてしまいなショナブル」

「…う……ふぇっ……うええええっ…」

オカマは男で女。
師匠以前に、幼い頃からトリニカにとって親も同然の存在だった。










「お師匠様ー!!見て下さーい!!」

「なーによぅ、騒がしいわねぃ…っうおぉあなんじゃこりゃあ!?」

船の甲板に、居るはずのないものが上がり込んでいてボン・クレーは飛び上がった。

「なーんで甲板にイルカがいんのよーぅ!!?」

「えへへへー♪私ですよお師匠様!」

「Σトリニカ!?あんた一体何やってんのよぅ!?」

「みなさんにイルカを捕まえてもらってメモリーしてみました♪」

「は?」

「悪魔の実の能力者は海の嫌われ者。実を食べれば常人離れした能力を得る代わりに一生泳げないカナヅチになる。でも、私のバケバケの能力で海の生き物になったら、そんなの関係ないと思いませんか!?」

目を輝かせて力説するトリニカにボン・クレーは盛大にため息を吐いた。

「でも能力者は能力者よう?そんな簡単に克服できるこっちゃなーいわよーぅ」

「やってみなくちゃわかりませんよ!じゃ、行ってきます!!」

「え、ちょ、待ちなさいってトリニカ…!!」


――ドボーン!!


「見てみてお師匠様ー!!私泳げてまぶぐびゅぶぶ…」

「「「ΣΣイルカが溺れたーー!!!?」」」

「今助けに行くわトリニカーー!!!」

「ΣΣわーー!!Ｍｒ２ボン・クレーあなたもカナヅチですーー!!!」

手下達も次々に飛び込んでどうにかこうにかアホ二人を救出する。

「…全く…はあっ、後先、考えないで、へえっ…飛び込むバカは、初めて見たわよ…っ」(バテバテ)

(((あなたもですけどね……!!!!)))(手下一同)

「ごめんなさい。でもおかしいな～。イルカはれっきとした海の生き物なのに……」

「海の生き物って言っても、イルカは肺呼吸だからね」

「あ」

「あんたいらないこと吹き込んでんじゃねえよゴルアアア!!!!」

「ひぃぃ申し訳ありませんＭｒ２ボン・クレー!!」

哀れな手下はちょっと口が滑っただけでタコ殴り。
そうしてる間に、トリニカは次こそはと海の生き物に変化を遂げていた。

「じゃーん!クマノミですー♪」

「なんでよりによってそんな小さいのに!?」

「だって可愛いじゃないですか♪」

「「「可愛いじゃないですか～vV」」」(部下一同)

「それにお師匠様、もしこれで泳げたら大発見ですよ!!今後のお仕事にだってきっと役に立てます!!」

「…分かったわよぅ。じゃあ海へ入ったらすぐ水面に上がって来るのよぅ」

「はい!」

手下の一人に海へ放り投げてもらう。


ーーポチャン。


「……」

十秒経過。

「………」

二十秒経過。

「………来ないですね…」

三十秒経過…よん「っやっぱり溺れてんじゃないのよーーう!!!!」

海へダ～～イブ。

「「「ΣΣだからあなたもカナヅチですってばー!!!!!!」」」

アホ救出再び。




溺れるイルカ。溺れる魚。

溺れる、ペリカン。


◆◆◆◆
殴り書きをそのまま載せました。
色々やろうと、思っていたんです…。