アラバスタ編 第二話
ワンピースアラバスタ編
オカマの弟子アラバスタで暗躍する組織、その一員でありながら恩師の教育で仁義を貫く。オカマの弟子でも身も心も女の子。師匠一筋。愛情一発。変化(ヘンゲ)は出来ても心は変わらない。砂漠を飛び出し大海原へ⁉
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海原に
プカプカ浮かぶ
ルージュにチーク
つけまつげ
忘れちゃいけないアイシャドウ
その他諸々
どこまでも波間を漂う
いつか誰かが見付けるその日まで…
アラバスタ王国港町ナノハナ。
「はいよ。うちで用意できる最上級のコスメだよ!」
「ありがとうございます!助かりました」
心底ほっとしたように女店主からピンクの紙袋を受け取ったのはトリニカ。
「これで怒られずに済みます~」
「しかしねえ、あんたには必要ないんじゃない?こんなに可愛い顔して、これ以上綺麗になる必要なんかないでしょうに!」
「いえ、使うのは私じゃないんですよ」
「そういやお使いだって言ってたねえ。お姉さんかい?」
「半分は」(どきっぱり)
「……………(半…分?)…ぁあところで」
微妙な空気を誤魔化すように話題を変えた女店主に気付かずトリニカは袋の中身を確認していた顔を上げた。
「あんたスパイダーズカフェに行くんだってね?あそこは今日はどこぞの団体さんで貸切だそうだよ?」
「大丈夫です。私そこの知り合いなので。それじゃありがとうございました!」
「あ、お嬢ちゃん!」
呼びとめられて小さな箱が投げてよこされた。
「たくさん買ってくれたからね、おまけだよ。このナノハナは香水も名物なのさ!」
「何から何まで、ありがとうございます!」
元気よくお礼を言って、店を後にした。
スパイダーズカフェ。
集合時間は、午後8時。
先に行ってもいいけど、気の早い人がもう着いちゃってそうだからもう少し街を散策してみようかなと思った時だった。
遠くの方から、雄たけびが聞こえてきたのだ。
「何だろう……あ!」
目を向けた通りにダーッと駆けて行った人物に見覚えがあって、気付いた時にはトリニカは走り出していた。
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