アラバスタ編 第一話
ワンピースアラバスタ編
オカマの弟子アラバスタで暗躍する組織、その一員でありながら恩師の教育で仁義を貫く。オカマの弟子でも身も心も女の子。師匠一筋。愛情一発。変化(ヘンゲ)は出来ても心は変わらない。砂漠を飛び出し大海原へ⁉
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「…さっき、あいつが見せた過去のメモリーの中に、父の顔があったわ…!!」
「え!?」
ビビの言葉に全員が声を上げた。
「…てめェが例えば王になりすませるとしたら、相当よからぬことも出来るよな…。あのミス・ハロウィンって女も、もし人にも化けられるとしたら…」
「ああ、厄介な奴を取り逃がしちまったな」
ゾロとウソップに続いてナミも口を開く。
「確かに、敵に回したら厄介な相手よ…!!」
声も姿も完璧に化けられては、どうしようもない。
一番恐い所だ。
「あの二人がこれから私達を敵と認識しちゃったら…さっきのメモリーで、この中の誰かに化けられたりしたら、私達仲間を信用できなくなる…!!」
「そうか?」(どーん!)
「え?」
しかしナミの不安は、あっけらかんとしたルフィの一言であっさり砕かれたのだった。
ナミは呆れるしかない。
「あんたねぇ、姿も声も、完璧に化けられたら見分けつかないのよ!!どうやって…」
「まあ待てよ」
問い詰めるナミを止めたのはゾロだった。
「確かにこいつの意見にゃ根拠はねェが、あいつらにびびる必要はねェって点では正しい」
「…?」
「今あいつらに会えたことをラッキーだと考えるべきだ。
…対策が打てるだろ」
どういう意味だと眉をひそめた一同に、極悪な笑みを浮かべて言ったゾロの言葉は、確かな希望を見出していた。
超全速前進スワンダ号船上。
「マジで心配しましたよミス・ハロウィン!!」
「あなたが無事でよかった…!!」
「通信が途絶えた時はどうしたものかと…!!一体何があったのですか!?」
「実はこれこれ…」
ミス・ハロウィン、トリニカは事情を説明した。
「なんと!ではあの人達が!?」
「ホーント幸運だったわよねい!あの子達が通りかからなかったらあんた死んでたわよ!!」
「はい。…………あ」
そこで、トリニカはあることを思い出し青ざめた。
Mr2も同じ様に忘れていたそのことを思い出したのだった。
「そういえばあんた、お使い…」
――Σビクゥッ
「…まさか…」
「…お、溺れた時に…海に、落としたみたいで……」
「ぬぁんですってえええ!!!?」
「ごめんなさいいぃぃ!!!」
「…ふっ、まあいいわ、この過酷な海で出会えた素敵なダチ達に免じて許してあげるわよぅ…」
「師匠っ!ありがとうござい…「ぬぁんて甘いんじゃボケェエ!!!」
「ぎゃふっ!!」
「「「ΣΣミス・ハロウーーーン!!!」」」
強烈な踵落としが炸裂した。
完全に床に首をめり込ませジタバタもがくトリニカを助けるでもなく悩ましげに顔を曇らせるMr.2。
「これから大事なお仕事だってのに、こんなんじゃ召集に参加でーきないじゃなーいのよーうっ!!
お使いやりなおし!!!」
トリニカの首根っこを掴むとずんずん船首へと歩き出す。
「し、師匠、何を…?」
次に何が起こるのか予想がついて脂汗を垂れ流すトリニカを、Mr.2は大きく振りかぶった。
「しししし師匠ちょっ…!?」
「ちゃっちゃと、行って…来いやああああ!!!!」
「っぎぃやあああぁぁぁ………」
「「「Σミス・ハロウィンーーーッ!!!!」」」
遥か海原の彼方へと飛ばされたトリニカ。部下達の声虚しく…。
「さあ!あんた達ィ!!アラバスタを目指して船を進めるのよーーうっ!!!」
「は、はいっ!Mr.2ボン・クレー!!!」
絶対に逆らえない上司の号令に、彼らは従うしかなかったのだった。
心の中で、彼女の安否を気遣いながら…。
(((ミス・ハロウィン、どうかご無事で……)))
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