03 ブランコ
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お店を出ると知らない街で、とりあえず真っ直ぐ歩くことにした。
包帯を巻いてはいるものの、怪我なんてほとんど治っている。歩き回ってもちっとも痛まない。車に轢かれたのなんてなかったかのようだ。これが吸血鬼の治癒力というやつなのだろうか。
そういえばこの道も街灯の細々とした明かりしかないのに、そんなに暗く感じない。
何もかもが変わってしまった気がする。
気にし過ぎなのかもしれない。自分が吸血鬼になったと聞いたからそう感じるだけという可能性もある。でもやっぱり怖いんだ。変わってしまった私がいつか御国さんの言うように人間を襲うようになるかもしれない事が。
さすがに、道も知らないのに店から離れ過ぎるとどこにも帰れなくなりそうだったので偶々見つけた公園のブランコに座った。
実は夜の公園には何度かお世話になっている。さっきみたいに、心がぐちゃぐちゃになるとこうやって逃げ出して、ブランコに座って、
「あー、このままブランコの一部になりたい。」
「一部……?」
背後から聞こえた低い声に慌てて顔を上げる。
「ジェジェさん!?い、いたなら声かけてくださいよ!」
「……今、かけた。」
「いやそうじゃなくて、」
いつの間にか、ブランコのすぐ隣にジェジェさんが立っていた。ふざけて言った独り言バリバリ聞かれてしまったではないか。
「御国は……吸血鬼の事になると…神経質……」
「そうなんですか?」
ジェジェさんはこくりと頷く。だから急にあんな事言ったのか。
「御国を………悪く思わないでほしい……」
「えっ、あの、違うんです。御国さんに怒ったわけじゃないんです。」
「……?」
ジェジェさんが首をかしげる。
「ちょっと動揺しちゃったんだと思います。もう、大丈夫です。」
気合いを入れるようにブランコから立ち上がると、ブランコが小さく揺れた。
「ごめんなさい、急に飛び出したりして。ジェジェさん、わざわざ追いかけてくれたんですよね…?」
「別に…いい……戻るぞ……」
「はい!」
夜の公園に来たのは何度目かだったけれど、誰かが来てくれたのは初めてだった。その事実に、思いの外浮かれている自分がいて、ジェジェさんと歩くのはなんだか変な気分だった。
包帯を巻いてはいるものの、怪我なんてほとんど治っている。歩き回ってもちっとも痛まない。車に轢かれたのなんてなかったかのようだ。これが吸血鬼の治癒力というやつなのだろうか。
そういえばこの道も街灯の細々とした明かりしかないのに、そんなに暗く感じない。
何もかもが変わってしまった気がする。
気にし過ぎなのかもしれない。自分が吸血鬼になったと聞いたからそう感じるだけという可能性もある。でもやっぱり怖いんだ。変わってしまった私がいつか御国さんの言うように人間を襲うようになるかもしれない事が。
さすがに、道も知らないのに店から離れ過ぎるとどこにも帰れなくなりそうだったので偶々見つけた公園のブランコに座った。
実は夜の公園には何度かお世話になっている。さっきみたいに、心がぐちゃぐちゃになるとこうやって逃げ出して、ブランコに座って、
「あー、このままブランコの一部になりたい。」
「一部……?」
背後から聞こえた低い声に慌てて顔を上げる。
「ジェジェさん!?い、いたなら声かけてくださいよ!」
「……今、かけた。」
「いやそうじゃなくて、」
いつの間にか、ブランコのすぐ隣にジェジェさんが立っていた。ふざけて言った独り言バリバリ聞かれてしまったではないか。
「御国は……吸血鬼の事になると…神経質……」
「そうなんですか?」
ジェジェさんはこくりと頷く。だから急にあんな事言ったのか。
「御国を………悪く思わないでほしい……」
「えっ、あの、違うんです。御国さんに怒ったわけじゃないんです。」
「……?」
ジェジェさんが首をかしげる。
「ちょっと動揺しちゃったんだと思います。もう、大丈夫です。」
気合いを入れるようにブランコから立ち上がると、ブランコが小さく揺れた。
「ごめんなさい、急に飛び出したりして。ジェジェさん、わざわざ追いかけてくれたんですよね…?」
「別に…いい……戻るぞ……」
「はい!」
夜の公園に来たのは何度目かだったけれど、誰かが来てくれたのは初めてだった。その事実に、思いの外浮かれている自分がいて、ジェジェさんと歩くのはなんだか変な気分だった。