06 揺らぐ瞳
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「あっ、おかえりー胡桃ちゃん。」
「御国さん、ジェジェさん……」
息を切らして帰ってきた彼女は、俺とジェジェの姿を見て気が抜けたのかその場でへたり込んでしまった。
胡桃が最近奴らに狙われていたのは知っていた。でも俺はお守りを渡すだけであとは何もしない。彼女が本当に襲われるかは微妙だったというのもあるが、どちらかというと彼女を試したという理由の方が大きい。
彼女に戦闘能力があるのか、無くても聖水を使って逃げ切るくらいの体力はあるのか。無かったならその時は……
「……無事か?」
「あ、はい。何とか……」
気づけばさっきまで俺の横にいたジェジェが胡桃の近くまで行って声をかけている。心配なら手を差し伸べるくらいしてやればいいのに、見下ろすだけなところがジェジェらしい。
「言っただろ、ジェジェ。やっぱり胡桃ちゃんも巻き込まれた。」
「……ああ」
ジェジェはどうにも胡桃を気にかけている節がある。8番目の奴らが
「やっぱり、御国さんたちは何か知ってるんですね。」
俺とジェジェのやりとりを聞いて胡桃が少しむくれた顔になる。理解が早くて何よりだ。
「今さら何もかも話してくれるとは思いません。でも私が納得できるぐらいのことは教えてください!」
「納得できるぐらいのこと、ねぇ。」
俺が笑ってみせると、彼女は警戒心丸出しな顔になった。御国お兄さん少し傷ついたよ、うん。
「本当にそれでいいのかい?」
「え?」
「大人というのは限られた都合のいい情報だけを与える。“納得できるぐらいのこと"なんて教えてもらったところで、君はいいように踊らされるだけかもしれない。」
そう、俺にとって彼女はただの駒なのだ。
「それは……」
「だったら何も聞かずに無関心を貫いた方がよくないかなぁ?これからもお守りを持ち歩いて、びくびく怯えながら暮らすんだ。」
ただの駒なら、何故わざわざこんな話をしているんだろう。
瞳の揺らぐ彼女を前に、俺はその答えを見つけることができなかった。