イナズマジャパンボールで試合再開。虎丸からボールを受け取った豪炎寺がドリブルしていくと、瑞貴と不動が両隣に走って来た。


「アレをやるぞ！」

「でも、アレはまだ……」

「そんなのわかってる。イチかバチかだろ！」


豪炎寺が言う『アレ』とは三人で練習してきた新必殺技だ。しかしまだ未完成だが不動もぶっつけ本番でやろうと言うので、瑞貴も乗ることにした。


「わかった！」

「ＧＯ！」


三角形の陣を取ってボールを中心に回転させ、不動の合図で三人はボールの周りを走り出す。それと同時に竜巻がボールを中心に起こっている。


｢｢｢はああぁぁあああ！　いっけえぇぇええええ!!｣｣｣


そして竜巻の中に入った三人は同時に上空へ蹴ると、シュートが竜巻と共にゴールへと向かっていく。

今までで一番いい出来だったので、これならと思ったが――ケーンに必殺技を使わせずにアッサリ止められてしまった。


「まだ、何かが足りない……!?」

「クッソ！」


途中まではよかったが威力が全然ダメだ。瑞貴も不動も豪炎寺も悔しそうにしていた。


「マキシ！」

（もう一度ロココに集めて、３点目を取る！）


ケーンのゴールキックがマキシへと向かうが、渡る前に鬼道がパスカットした。


「何っ!?」

「お前が攻撃の起点だ！」

「狙っていたっていうのか!?」

「フッ」


鬼道も同じゲームメーカーからか、マキシにボールが渡ると確信して密かにマークしていたようだ。ニヤリと笑った彼はゴールに走り出す豪炎寺と虎丸とヒロトを発見し、パスを出す。


「豪炎寺！」

「グランド……」

｢｢｢ファイアＧ２！｣｣｣

《またもや必殺ロングシュート!!》

「ゴッドハンドＸ改！」


なんとケーンのゴッドハンドＸが進化してグランドファイアを止めた。この短時間で成長してヒロトも目を見開く。


「進化した……!?」

「個々の選手の成長によりチームも成長する。またその逆も然り」


大介はケーンがロココたちのプレーに感化され、必殺技が進化したのだと気づいた。そしてロココもまた感化されるだろう。


（スゴいぞ、みんな……！　マモル、ミズキ、君たちと戦うことで僕たちは強くなる。君たちは最高の相手だ！）

『お前たちは充分に強い。だが、決定的に足りないモノがある』

『それは？』

『「ライバル」だ！』

『ライバル……？』


ある日、大介がロココたちリトルギガントに対してそう言った。そのときはどういうことかわからなかったが……。