イナズマジャパン最後の戦い!
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「私の仕事は『イナズマジャパンを世界に導くこと』……そしてそれは、彼らのおかげで達成することができました。ですが、優勝が掛かった大舞台――彼らを精神的に支えることができたのは、選手からの信望が厚いあなたしかいません」
「…………」
言葉を紡ぐ久遠だが響木は表情を変えずに聞き入るだけだ。
「まして、決勝の相手は……円堂大介。私はサポートに回ろうと思います。ですから――」
「イナズマジャパンの監督は、久遠……お前だよ。お前が監督だったからイナズマジャパンは世界のレベルに到達できた。お前だったからこそ、ここまで勝ち上がって来れたのだ」
「ですが!」
「お前の仕事はまだ終わっていない」
「えっ……?」
「俺が頼んだのは『イナズマジャパンを世界に導くこと』ではなく『世界の頂点に導くこと』だからな」
響木は最初からイナズマジャパンを優勝させようと久遠を監督に頼んだのだ。たとえ病気のことがなくても、久遠ならイナズマジャパンを世界の頂点に導いてくれるだろうと信じて。
「久遠……最後までイナズマジャパンを頼む」
「……わかりました」
「お父さん……!」
最後まで監督として戦うことを久遠は選んだ。
「ですが響木さん、あなたもベンチに入っていただきたい」
「ん?」
「私も、あなたに見出された一人です。優勝の瞬間を共に分かち合うことで、その思いをお返ししたい」
「久遠……!」
今度こそ響木は了承するために頷く。その光景をシンと夏未と冬花は笑い合っていた。
「そういえば前から気になっていたんですけど、神崎さんをコーチにした理由はなんですか?」
冬花はふと訊いてみる。確かにシンはこの世界では神崎グループの若社長だが、そこからサッカーに結び付ける共通点はないように感じる。
夏未も気になったようで響木を見ると、彼は両腕を組んで応える。
「エイリア学園の事件があったとき、情報処理能力、特訓メニューの内容をよく瞳子くんと連絡して話し合っていて俺も相談に乗ったが、どれも選手のメンタルや技術を考えた素晴らしいものだ。きっと、イナズマジャパンの力になるだろうと思ってな」
「響木さん……」
「それに……あいつの精神的な支えにもなるからだ」
「「「!」」」
響木の言う『あいつ』とは久遠も冬花も夏未も見当がつく。それは間違いなく――瑞貴だ。彼女とシンは兄妹みたいなもので、円堂と同じくらい信頼し合っている。世界大会という舞台で心の支えとなる人物がいればという配慮もあったのだろう。
「あの子のこと、そこまで考えてくれてありがとうございます。そして僕も、イナズマジャパンのコーチをやってよかったって心から思いますよ」
優しく微笑むシンにつられて、他のみんなも微笑んだ。
☆☆☆☆☆
早朝練習も終わってマネージャーが用意してくれた朝食のおにぎりを食べている間、瑞貴はふと周りを見渡すととある人物がいないことに気づいた。そして瑞貴の表情に気づいた人物もいて声をかける。
「瑞貴、どうした?」
「あっ、守。夏未ちゃんがいないって思って。食べ終わったら出発するのに……」
「だったらさ、一緒に探しに行こうぜ!」
「一緒に……」
ニカッと笑う円堂はいつもの表情だ。しかし瑞貴は夏未がどうしてこの場にいないのかはなんとなく見当が付いている。
夏未は今までリトルギガントにいたので、その強さと情報をイナズマジャパンに伝えるべきかどうか迷っているのだ。確かに情報は多ければ有利だが、逆に足枷になってしまうこともある。親友として会いに行きたかったが……。
「一緒より手分けしたほうがいいかな。私は宿舎周辺を回るから、守は海岸に探しに行ってくれる?」
「ああ!」
そう返事して円堂はおにぎりの一つをつかんで出て行った。
「あのおにぎり……夏未ちゃんの……」
最初の頃に比べて夏未のおにぎりは、まだ形がいびつなものの塩加減がちゃんとできていた。素直に『おいしい』と思えるほどに。迷わずそれをつかんで外に行った円堂はきっと夏未を見つけるに違いない。
(これが嫉妬って奴なんだ……。守が好きって自覚すればするほど、初めて味わう感情が多いな)
それが居心地悪いものであり、同時に初めて体験することで胸を踊らせることもある。サッカーのことしか考えてなかった人生に、新しい扉が開いた気分だ。
「…………」
言葉を紡ぐ久遠だが響木は表情を変えずに聞き入るだけだ。
「まして、決勝の相手は……円堂大介。私はサポートに回ろうと思います。ですから――」
「イナズマジャパンの監督は、久遠……お前だよ。お前が監督だったからイナズマジャパンは世界のレベルに到達できた。お前だったからこそ、ここまで勝ち上がって来れたのだ」
「ですが!」
「お前の仕事はまだ終わっていない」
「えっ……?」
「俺が頼んだのは『イナズマジャパンを世界に導くこと』ではなく『世界の頂点に導くこと』だからな」
響木は最初からイナズマジャパンを優勝させようと久遠を監督に頼んだのだ。たとえ病気のことがなくても、久遠ならイナズマジャパンを世界の頂点に導いてくれるだろうと信じて。
「久遠……最後までイナズマジャパンを頼む」
「……わかりました」
「お父さん……!」
最後まで監督として戦うことを久遠は選んだ。
「ですが響木さん、あなたもベンチに入っていただきたい」
「ん?」
「私も、あなたに見出された一人です。優勝の瞬間を共に分かち合うことで、その思いをお返ししたい」
「久遠……!」
今度こそ響木は了承するために頷く。その光景をシンと夏未と冬花は笑い合っていた。
「そういえば前から気になっていたんですけど、神崎さんをコーチにした理由はなんですか?」
冬花はふと訊いてみる。確かにシンはこの世界では神崎グループの若社長だが、そこからサッカーに結び付ける共通点はないように感じる。
夏未も気になったようで響木を見ると、彼は両腕を組んで応える。
「エイリア学園の事件があったとき、情報処理能力、特訓メニューの内容をよく瞳子くんと連絡して話し合っていて俺も相談に乗ったが、どれも選手のメンタルや技術を考えた素晴らしいものだ。きっと、イナズマジャパンの力になるだろうと思ってな」
「響木さん……」
「それに……あいつの精神的な支えにもなるからだ」
「「「!」」」
響木の言う『あいつ』とは久遠も冬花も夏未も見当がつく。それは間違いなく――瑞貴だ。彼女とシンは兄妹みたいなもので、円堂と同じくらい信頼し合っている。世界大会という舞台で心の支えとなる人物がいればという配慮もあったのだろう。
「あの子のこと、そこまで考えてくれてありがとうございます。そして僕も、イナズマジャパンのコーチをやってよかったって心から思いますよ」
優しく微笑むシンにつられて、他のみんなも微笑んだ。
☆☆☆☆☆
早朝練習も終わってマネージャーが用意してくれた朝食のおにぎりを食べている間、瑞貴はふと周りを見渡すととある人物がいないことに気づいた。そして瑞貴の表情に気づいた人物もいて声をかける。
「瑞貴、どうした?」
「あっ、守。夏未ちゃんがいないって思って。食べ終わったら出発するのに……」
「だったらさ、一緒に探しに行こうぜ!」
「一緒に……」
ニカッと笑う円堂はいつもの表情だ。しかし瑞貴は夏未がどうしてこの場にいないのかはなんとなく見当が付いている。
夏未は今までリトルギガントにいたので、その強さと情報をイナズマジャパンに伝えるべきかどうか迷っているのだ。確かに情報は多ければ有利だが、逆に足枷になってしまうこともある。親友として会いに行きたかったが……。
「一緒より手分けしたほうがいいかな。私は宿舎周辺を回るから、守は海岸に探しに行ってくれる?」
「ああ!」
そう返事して円堂はおにぎりの一つをつかんで出て行った。
「あのおにぎり……夏未ちゃんの……」
最初の頃に比べて夏未のおにぎりは、まだ形がいびつなものの塩加減がちゃんとできていた。素直に『おいしい』と思えるほどに。迷わずそれをつかんで外に行った円堂はきっと夏未を見つけるに違いない。
(これが嫉妬って奴なんだ……。守が好きって自覚すればするほど、初めて味わう感情が多いな)
それが居心地悪いものであり、同時に初めて体験することで胸を踊らせることもある。サッカーのことしか考えてなかった人生に、新しい扉が開いた気分だ。