世界一へ! 11の言葉‼
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『守、片付けるのよ。そのノートも』
『なんでサッカーダメなんだよ!?』
『!』
顔が泥だらけになっても訴える円堂。そんな息子の姿を初めて見たのか、温子は目を見開いて声音は落ち着いた。
『……守。このボールとノートはね、おじいちゃんのなの』
『じいちゃんの?』
☆☆☆☆☆
看板をのけて窓を開け、円堂は両肘を窓枠に置いて顔を両手で支えながら外を見る。隣で瑞貴も同じように窓の外を見ながら、円堂がサッカーを始めた経緯を聞いた。
「守が始めてサッカーボールを蹴った日か……」
「母ちゃんは、じいちゃんが死んだのはサッカーのせいだと思ってて、それでやらせたくなかったんだ。でも俺があんまりうるさく言うから父さんが母ちゃんを説得してくれたんだって」
☆☆☆☆☆
それから円堂は祖父と同様にオレンジのバンダナを付け始め、サッカーに夢中になっていた。部屋でコッソリボールを蹴ってベッドにぶつかった反動で、壁や机に当たると開いていた窓の外に行ってしまった。
ガッチャン!!
外に飛んだボールが花壇に当たってしまい、花も植えていた植木鉢が粉々になってしまった。割れた音は当然温子の耳に入っていたので大声で円堂を叱る。
『守ー! 家の中でやっちゃダメって言ったでしょー!』
同年代の子供たちが友達と公園で遊ぶ中でも、円堂はボールを蹴っていた。ボールは大介が残した一個だけ。それを円堂は朝から晩までずっと蹴っていた。飽きるなんて言葉を知らないくらいに。
――年月が経って中学生になり、円堂は絶対サッカー部に入ろうと決めていたのだが……。
『ええぇぇえええ!?』
『悪いけど、この学校にサッカー部はないんだ』
意気揚々と職員室に行って冬海卓に入部届と書いた封筒を渡すが、彼からとんでもないことを聞かされた。
職員室を出てボールを持ったままだと気づかずトイレに入ろうとすると、声をかけられた。
『あの!』
『俺?』
『サッカー、やるの?』
そこにいたのは秋だった。円堂はクラスメイトの名前はまだ覚えていなかったので彼女が声をかけてきたことに驚いた。
部がなくても部室はあるということで、冬海に案内してもらい外に移動すると、綺麗な校舎とは違い古びた小屋がポツンとあった。長年掃除もしていないようで蜘蛛の巣まである。
『部室ってここなんですよね?』
『ええ、そうです』
『えっ……ここが?』
『それじゃ、開けますよ』
『はい!』
冬海が鍵を開けたので円堂が扉を開くと、中には大量のダンボールや備品などがあった。これは部室というより……。
『物置になってる……』
『こんな状態ですが、使いますか?』
『俺、掃除します。サッカー部があるとわかればやりたい人、来ますから!』
『ハァ……ムダだとは思いますがね。じゃあ鍵、渡しときますよ』
『はい!』
円堂は迷わずそう言うと、冬海は興味なさそうにあとを任せて去って行った。
『なんでサッカーダメなんだよ!?』
『!』
顔が泥だらけになっても訴える円堂。そんな息子の姿を初めて見たのか、温子は目を見開いて声音は落ち着いた。
『……守。このボールとノートはね、おじいちゃんのなの』
『じいちゃんの?』
☆☆☆☆☆
看板をのけて窓を開け、円堂は両肘を窓枠に置いて顔を両手で支えながら外を見る。隣で瑞貴も同じように窓の外を見ながら、円堂がサッカーを始めた経緯を聞いた。
「守が始めてサッカーボールを蹴った日か……」
「母ちゃんは、じいちゃんが死んだのはサッカーのせいだと思ってて、それでやらせたくなかったんだ。でも俺があんまりうるさく言うから父さんが母ちゃんを説得してくれたんだって」
☆☆☆☆☆
それから円堂は祖父と同様にオレンジのバンダナを付け始め、サッカーに夢中になっていた。部屋でコッソリボールを蹴ってベッドにぶつかった反動で、壁や机に当たると開いていた窓の外に行ってしまった。
ガッチャン!!
外に飛んだボールが花壇に当たってしまい、花も植えていた植木鉢が粉々になってしまった。割れた音は当然温子の耳に入っていたので大声で円堂を叱る。
『守ー! 家の中でやっちゃダメって言ったでしょー!』
同年代の子供たちが友達と公園で遊ぶ中でも、円堂はボールを蹴っていた。ボールは大介が残した一個だけ。それを円堂は朝から晩までずっと蹴っていた。飽きるなんて言葉を知らないくらいに。
――年月が経って中学生になり、円堂は絶対サッカー部に入ろうと決めていたのだが……。
『ええぇぇえええ!?』
『悪いけど、この学校にサッカー部はないんだ』
意気揚々と職員室に行って冬海卓に入部届と書いた封筒を渡すが、彼からとんでもないことを聞かされた。
職員室を出てボールを持ったままだと気づかずトイレに入ろうとすると、声をかけられた。
『あの!』
『俺?』
『サッカー、やるの?』
そこにいたのは秋だった。円堂はクラスメイトの名前はまだ覚えていなかったので彼女が声をかけてきたことに驚いた。
部がなくても部室はあるということで、冬海に案内してもらい外に移動すると、綺麗な校舎とは違い古びた小屋がポツンとあった。長年掃除もしていないようで蜘蛛の巣まである。
『部室ってここなんですよね?』
『ええ、そうです』
『えっ……ここが?』
『それじゃ、開けますよ』
『はい!』
冬海が鍵を開けたので円堂が扉を開くと、中には大量のダンボールや備品などがあった。これは部室というより……。
『物置になってる……』
『こんな状態ですが、使いますか?』
『俺、掃除します。サッカー部があるとわかればやりたい人、来ますから!』
『ハァ……ムダだとは思いますがね。じゃあ鍵、渡しときますよ』
『はい!』
円堂は迷わずそう言うと、冬海は興味なさそうにあとを任せて去って行った。