決戦! 帝国学園・前編!!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
――電車から下り、雷門中は帝国学園を目の前にした。近くで見るとますます大きく見える。
「迫力ある~」
「こんな所でやれるんだ! 燃えてきたぜ――っ!!」
帝国学園に入ると中はハイテクな機械でいっぱいだった。帝国学園との練習試合のとき、生徒たちが軍隊のような雰囲気だった統一性はここで鍛えられている。――同じく、帝国学園サッカー部も。
「気をつけろ! バスに細工してきた奴らだ! 落とし穴があるかもしれない! 壁が迫ってくるかもしれない!」
響木に言われ、壁山と栗松鉄平と宍戸佐吉と少林寺歩は壁を押したり床を叩いたりなど調べ始めた。
「監督が選手をからかうなんて……」
「たぶん……監督なりの緊張をほぐす方法なんだと思う……」
(本気でもおかしくないけど……)
夏未と秋の言葉に瑞貴が苦笑していると、隣で春奈が浮かない顔をしていたのに気づく。
ここは兄である鬼道有人がいる学校だ。そしてこれから戦う相手でもある。先日の一件もあって心境が豊かではないだろう。瑞貴は春奈の手をそっと握った。
「っ! 先輩?」
「大丈夫だよ……」
大丈夫、と言って瑞貴は春奈の手をギュッと握る。それに春奈は少しだけ安心感があった。
「ここが、俺たちのロッカールームか。開けるぞ」
円堂が開けようとすると扉が開き、中から鬼道が出てきた。
「鬼道!?」
再び春奈の顔が強張る。それでも瑞貴は春奈の手を握り続けた。
「無事に着いたみたいだな」
「なんだと!? まるで事故でも遭ったほうがいいような言いかたじゃねぇか! まさかこの部屋に何か仕掛けたんじゃ――」
「安心しろ。何もない」
食ってかかる染岡に鬼道は物ともしない。鬼道は妹の手を握りしめている瑞貴をチラリと見て、それに気づいた瑞貴は鬼道に微笑む。
少し面食らいながらもその場を去ろうとすると、壁にもたれかかっている豪炎寺修也と視線を交えた。
「待て! 何やってたのか白状しろ!」
「染岡、鬼道はそんな奴じゃない」
「大丈夫だよ、竜吾」
「止めるな円堂、瑞貴」
「……勝手に入ってすまなかった」
鬼道はそう言って今度こそ歩いて行く。何人かの部員はまだ疑っているようだが、鬼道は帝国の問題は自分で解決すると決めている。
「鬼道! 試合楽しみにしてるからなー!」
「お互いがんばろうねー!」
廊下の角に曲がる頃、円堂と瑞貴は鬼道に向かって叫んだ。
「瑞貴先輩、私ちょっと……」
「あっ、音無さん――」
「待って」
春奈は繋いだ手を解いて鬼道のあとを追って行く。秋も追おうとしたが、瑞貴がそれを制した。
「瑞貴ちゃん……」
「これは、春奈ちゃんの問題だから。自分で行かないと」
ロッカールームに入った早々、円堂と瑞貴と豪炎寺と土門飛鳥とマネージャー以外のメンバーはあちこち調べ始めた。
「何も仕掛けてられてないって」
「鬼道くんが大丈夫だって言ってたでしょ?」
「あいつも帝国の一員だぞ!? 騙されてるんじゃないのか!?」
染岡の発言により、調べていた部員たちは円堂と瑞貴に顔を向ける。
「鬼道は信じていい! 俺にはわかる!」
「大丈夫だって!」
「円堂くん……瑞貴ちゃん……」
決して疑っていない二人を秋は見つめる。染岡はその顔にバツが悪そうに下を向く。
パンパン!
「さあ、この話はおしまい! 決勝なのよ? 試合に集中しましょ」
まさに鶴の一声。秋の手拍子と言葉で空気も少し和らぎ、染岡と壁山たちの表情も少し晴れる。
「そうだな。連中がどんな手でこようと試合で勝ちゃいいんだ」
「そうっスよ! 絶対勝ちましょう!」
「サンキュ、木野」
「ありがとう、秋ちゃん」
円堂と瑞貴は擦れ違うときに秋に礼を言った。
「迫力ある~」
「こんな所でやれるんだ! 燃えてきたぜ――っ!!」
帝国学園に入ると中はハイテクな機械でいっぱいだった。帝国学園との練習試合のとき、生徒たちが軍隊のような雰囲気だった統一性はここで鍛えられている。――同じく、帝国学園サッカー部も。
「気をつけろ! バスに細工してきた奴らだ! 落とし穴があるかもしれない! 壁が迫ってくるかもしれない!」
響木に言われ、壁山と栗松鉄平と宍戸佐吉と少林寺歩は壁を押したり床を叩いたりなど調べ始めた。
「監督が選手をからかうなんて……」
「たぶん……監督なりの緊張をほぐす方法なんだと思う……」
(本気でもおかしくないけど……)
夏未と秋の言葉に瑞貴が苦笑していると、隣で春奈が浮かない顔をしていたのに気づく。
ここは兄である鬼道有人がいる学校だ。そしてこれから戦う相手でもある。先日の一件もあって心境が豊かではないだろう。瑞貴は春奈の手をそっと握った。
「っ! 先輩?」
「大丈夫だよ……」
大丈夫、と言って瑞貴は春奈の手をギュッと握る。それに春奈は少しだけ安心感があった。
「ここが、俺たちのロッカールームか。開けるぞ」
円堂が開けようとすると扉が開き、中から鬼道が出てきた。
「鬼道!?」
再び春奈の顔が強張る。それでも瑞貴は春奈の手を握り続けた。
「無事に着いたみたいだな」
「なんだと!? まるで事故でも遭ったほうがいいような言いかたじゃねぇか! まさかこの部屋に何か仕掛けたんじゃ――」
「安心しろ。何もない」
食ってかかる染岡に鬼道は物ともしない。鬼道は妹の手を握りしめている瑞貴をチラリと見て、それに気づいた瑞貴は鬼道に微笑む。
少し面食らいながらもその場を去ろうとすると、壁にもたれかかっている豪炎寺修也と視線を交えた。
「待て! 何やってたのか白状しろ!」
「染岡、鬼道はそんな奴じゃない」
「大丈夫だよ、竜吾」
「止めるな円堂、瑞貴」
「……勝手に入ってすまなかった」
鬼道はそう言って今度こそ歩いて行く。何人かの部員はまだ疑っているようだが、鬼道は帝国の問題は自分で解決すると決めている。
「鬼道! 試合楽しみにしてるからなー!」
「お互いがんばろうねー!」
廊下の角に曲がる頃、円堂と瑞貴は鬼道に向かって叫んだ。
「瑞貴先輩、私ちょっと……」
「あっ、音無さん――」
「待って」
春奈は繋いだ手を解いて鬼道のあとを追って行く。秋も追おうとしたが、瑞貴がそれを制した。
「瑞貴ちゃん……」
「これは、春奈ちゃんの問題だから。自分で行かないと」
ロッカールームに入った早々、円堂と瑞貴と豪炎寺と土門飛鳥とマネージャー以外のメンバーはあちこち調べ始めた。
「何も仕掛けてられてないって」
「鬼道くんが大丈夫だって言ってたでしょ?」
「あいつも帝国の一員だぞ!? 騙されてるんじゃないのか!?」
染岡の発言により、調べていた部員たちは円堂と瑞貴に顔を向ける。
「鬼道は信じていい! 俺にはわかる!」
「大丈夫だって!」
「円堂くん……瑞貴ちゃん……」
決して疑っていない二人を秋は見つめる。染岡はその顔にバツが悪そうに下を向く。
パンパン!
「さあ、この話はおしまい! 決勝なのよ? 試合に集中しましょ」
まさに鶴の一声。秋の手拍子と言葉で空気も少し和らぎ、染岡と壁山たちの表情も少し晴れる。
「そうだな。連中がどんな手でこようと試合で勝ちゃいいんだ」
「そうっスよ! 絶対勝ちましょう!」
「サンキュ、木野」
「ありがとう、秋ちゃん」
円堂と瑞貴は擦れ違うときに秋に礼を言った。