新監督を探せ!
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「「新監督だ!」」
翌日の部室で瑞貴と円堂が連れて来た響木に、みんなは驚いた。
「響木正剛だ。よろしく頼む。さあ! 決勝はもうすぐだ。お前ら全員鍛えてやる!」
「「「「「オウッ!!」」」」」
監督も決まり、みんなもやる気を出し始めた。これで一件落着――。
「その前に――瑞貴」
「は、はい!」
いきなり名前を呼ばれたので瑞貴は背筋を伸ばして姿勢を正す。監督としてなったせいか、響木の威圧感が増してきた気がする、と思った。
「お前は手の怪我が原因の特訓の成果を見せてみろ」
「えっ!」
「なんだって!?」
ギクリと瑞貴は体を震わすと、マネージャーを含み、円堂たちは瑞貴の周りに集まって手の平を見る。そこにはタコや傷だらけでとても女の子の手とは思えなかった。
みんな驚いているが、唯一違う気持ちを抱いているのは似たような手を持つ円堂だけだ。
「お前、この手……」
「ひ、響木さ――じゃなかった。響木監督。別に見せる必要はないんじゃないですか? 大したことじゃありませんし」
円堂が言葉を発しようとすると瑞貴はそれを遮って響木の前に立つ。
「真面目に見せてくれたら、次に来たとき大盛りラーメンと餃子とチャーハンをやる。――鬼瓦のおごりで」
「やりましょう」
「「「「「おい!!」」」」」
敬礼をしてまで了承した瑞貴に部員一同はズッコけた。しかも女子なのに大盛りラーメンと餃子とチャーハンを平気で平らげること事態にも驚く。自分たちが見る限りはいつもラーメンしか頼んでいなかったからだ。
それ以前に鬼瓦という人、可哀相……とも思った。
――それから雷門中のグラウンドへ場所を移す。染岡と豪炎寺はセンターサークルに立ち、それに対して瑞貴はゴールの前に立って自分専用のキーパー手袋を嵌めている。他の者はグラウンドの外で見学だ。
「キーパーの練習をしてたでヤンスか?」
「ウチってGKは守しかいないでしょ? だから万が一交代になったときのためにね。私もオールプレーヤーとして経験あるし」
栗松の質問に答えた瑞貴は一つ深呼吸をすると、両手を叩いてから腰を落として構える。
「勝負は三本! 修也と竜吾は必殺技を使ってね。さあ来い!」
「……本当に大丈夫なのか?」
「平気だってば! 本気で撃っても大丈夫! むしろ手加減したら怒る!」
心配そうな言葉を放つ染岡に瑞貴は言い返す。怒ったとき冬海の二の舞になるのはごめんなので染岡と豪炎寺は軽く冷や汗をかいた。
瑞貴はあまり乗り気でない二人にイラッとし、腰に手を当てて笑う。
「止められても自信失くさないでね!」
その挑発の言葉に豪炎寺はピクッと肩を震わし、染岡はコメカミに青筋を浮かばせる。
「言ってくれるじゃねぇか……お前こそ自信なくすなよ!」
染岡は豪炎寺に先に撃つと伝える。豪炎寺はそれを了承して頷いた。
「じゃあいくぞ! ――ドラゴンクラッシュ!」
染岡のドラゴンクラッシュが瑞貴に襲いかかる。ボールを見切った瑞貴はグッと拳を握る。
「熱血パンチ!」
瑞貴はドラゴンクラッシュを熱血パンチで跳ね返し、染岡の足元へ転がる。シュートを撃った染岡を始め、部員は呆然としていた。しかし円堂はすぐ立ち直る。
「ス……スッゲーよ瑞貴! お前、熱血パンチが使えるのか!」
「たくさん練習したからね。今度は私のオリジナルを見せてあげる」
「次は俺がいこう」
豪炎寺がそう告げると瑞貴が再び構える。豪炎寺はドリブルをし、ヒールリフトからボールを上げた。
「ファイアトルネード!」
豪炎寺がファイアトルネードを放たれる。瑞貴は片腕で円を描くように回す。
「エンジェリング!」
瑞貴の手から現れた光の輪はファイアトルネードを囲み、その攻撃でボールは威力を失くし、そのまま瑞貴の手に治まる。
「「「「「おぉ――っ!!」」」」」
「きゃー! 瑞貴先輩カッコいいー!」
ファイアトルネードまであっさり止められて、部員から歓声の声があがる。春奈などもう抱きつきたい思いでいっぱいだ。
「さあ、三本目だ!」
「俺のファイアトルネードまで……」
「豪炎寺。あの技を使うぞ」
「ああ!」
そして最後の勝負。二人の体勢からして放つ必殺技はもちろん――。
「ドラゴン……」
「トルネード!」
染岡と豪炎寺の連携技。ドラゴントルネードが撃たれた。今までにないくらい強烈な技に全員息を呑む。それに対し瑞貴はニッと笑い、片手を空に掲げた。
「ゴッドハンド!」
「「なっ!」」
「ゴッドハンド!?」
それは円堂の必殺技・ゴッドハンドだった。違うと言えば色が黄色ではなく緑色というところだ。
全員が驚く中、瑞貴はすでにドラゴントルネードを受け止めていた。
「どうだった?」
ニコッと瑞貴が微笑むと、全員我に返って瑞貴の元へ駆け寄った。
「スッゲーよ瑞貴! 熱血パンチだけじゃなくてゴッドハンドまで使えるなんて!」
「エンジェリングも綺麗な技だったよ! まるで天使みたい!」
「止められたのは悔しいけどよ、やるじゃねぇか」
「ああ。これなら交代も安心だ」
「瑞貴先輩スゴいです~!」
円堂や秋や染岡や豪炎寺が褒め、春奈は瑞貴の腰に抱きついた。他の者も興奮が治まらないようだ。
「さあみんな、次は決勝だ!」
「絶対勝つよ!」
「「「「「オ――ッ!!」」」」」
☆副キャプテン 今日の格言☆
私はFWだから、ゴールを守ってくれるGKがいると、安心してシュートを撃ちにいけるんです!
以上!!