新監督を探せ!
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瑞貴は鬼道から手渡された封筒をジッと見つめたあと封を切る。風丸と半田は瑞貴の両隣でその様子を見る。
「なんだそれ?」
「鬼道くんから渡された」
「ハァ?」
封筒の中には手紙と写真が二枚入っていた。しかしその写真には――。
「な・に・こ・れ」
写真には瑞貴が写っていた。それもメイド喫茶で着たメイド服姿と秋葉名戸学園との試合で着たドレスアップ姿だ。
瑞貴の表情を見て全員が写真を覗き込むと、風丸と半田と豪炎寺は顔を耳まで赤くし、染岡と円堂は笑い合い、一年組は苦笑している。至って土門は冷や汗ダラダラ。
(お前か)
手紙にはいろいろ書いてあるが、瑞貴の友達の佐久間次郎と源田幸次郎と成神健也だけでなく、希望するサッカー部員にこの写真のデータを送った、という内容が一番目に留まった。その途端、瑞貴から不穏なオーラが漂う。
瑞貴は手紙と写真を封筒に入れ、黙って半田につきつける。半田は瑞貴の空気に気づき、逆らわない方が得策だと思って黙って受けとった。
「あ~す~か~?」
「あっ、いや、その~……」
瑞貴は――冬海のときよりマシだが――怖いくらいニッコリと笑って土門に詰め寄る。土門は逃げようにも瑞貴の空気がそれを許さず、後退するだけだった。するとガシッと瑞貴は土門のユニフォームをつかみ、引っ張り出す。
「ちょおっと練習に付き合ってもらおうか」
「えっ!? ちょっ!?」
「あっ、なんなら私が飛鳥の練習に付き合ってあげる。DFだから敵の必殺シュートをくらうこともあるよね。シューティングアローの強化にもなるしいっぱいくらわしてあげる」
「ご遠慮します~~っ!!」
土門の悲惨な叫びがグラウンド中へ響き渡った。
☆☆☆☆☆
部活が終わり、土門に必殺技を容赦なくくらわせた瑞貴はスッキリした表情で帰宅するべく歩いていていると、横からサッカーボールがテンテンと転がってきた。
瑞貴はボールを拾い上げ、転がった方向を見ると公園に二人の少年がいた。
「すみませーん。ボールをこっちにくださーい」
一人より大きなもう一人の少年が手を振って頼んできたので瑞貴は微笑み、ボールを軽くトラップして少年へボールを送る。ボールは少年の手の中へすっぽりと収まった。
それを確認した瑞貴は再び足を運ぼうとすると、こちらに向かって走ってくる音が聞こえた。振り向くとそれは先ほどの少年たちで、目をキラキラさせてくる彼らに瑞貴はデジャヴを感じた。
「おねえちゃんスゴい!」
「サッカーやってるんですか!?」
少年たちのスゴいスゴいというオーラに瑞貴は逆らえるわけもなく頷いた。
「お姉ちゃんはサッカー部なんだ」
「スゴいです! なっ、京介!」
「うん!」
聞き覚えのある名前に瑞貴は石化した。恐る恐る二人をよく見てみると、『イナズマイレブンGO』の主要人物である剣城京介と兄・剣城優一にそっくりである。
「き、君たちの名前は?」
「俺、剣城優一っていいます」
「ぼく、つるぎきょうすけ」
予想的中し、まさかの出会いに瑞貴は苦笑を浮かべるしかなかった。
「お姉ちゃんの名前は井上瑞貴。よろしくね、優一くん、京介くん」
「「よろしくおねがいします!」」
それから三人でサッカーをしたが、もう夕暮れになってきた。
「瑞貴姉さん。俺たちそろそろ帰ります。父さんたちが心配するので」
「そっか。じゃあまた会ったらサッカーやろうね」
「はい。ほら京介、帰るぞ」
「え~! もっとみずきねえちゃんといっしょにいたい!」
京介はギュッと瑞貴の足にしがみついた。原作で見た最初の悪っぽい印象が微塵もない純粋な子供に瑞貴の胸はキュンとする。抱きしめたい衝動に駆られるがそれはダメなので瑞貴は京介と向かい合うようにしゃがむ。
「京介くん。サッカー好き?」
「うん!」
「じゃあその気持ちを忘れないで。そしたらきっとまた会えるから。――約束」
瑞貴が小指を差し出すと京介は頷いて自分の小指を絡め、約束をした。指を離すと隣で優一が羨ましそうに見ていたので、瑞貴は小指を差し出す。
「優一くんもしてくれる?」
「はい!」
優一は嬉しそうに瑞貴と小指を絡め、瑞貴は剣城兄弟と約束をしたのだ。
☆☆☆☆☆
次の日。雷門中の屋上で瑞貴と円堂と染岡と秋と土門と風丸は円になって座っていた。
「どーするよ!? 決勝まであと二日! 二日で新監督見つけなきゃならないんだぜ!?」
「あーもう! 規約なんか嫌い!」
「でも規約がなきゃ、帝国学園の監督よりもっと非道が強い人が出るよ? おまけに私たちは中学生なんだから責任を取ってくれる大人がいなきゃ」
染岡と秋は瑞貴の最もな説明に押し黙る。
「みんなのモチベーション下がってるから、練習もなんだかなーって感じだし」
土門の言葉に風丸も同意するように頷く。あれから壁山だけでなく他の部員も練習にやる気を失くしているのだ。
「なんだそれ?」
「鬼道くんから渡された」
「ハァ?」
封筒の中には手紙と写真が二枚入っていた。しかしその写真には――。
「な・に・こ・れ」
写真には瑞貴が写っていた。それもメイド喫茶で着たメイド服姿と秋葉名戸学園との試合で着たドレスアップ姿だ。
瑞貴の表情を見て全員が写真を覗き込むと、風丸と半田と豪炎寺は顔を耳まで赤くし、染岡と円堂は笑い合い、一年組は苦笑している。至って土門は冷や汗ダラダラ。
(お前か)
手紙にはいろいろ書いてあるが、瑞貴の友達の佐久間次郎と源田幸次郎と成神健也だけでなく、希望するサッカー部員にこの写真のデータを送った、という内容が一番目に留まった。その途端、瑞貴から不穏なオーラが漂う。
瑞貴は手紙と写真を封筒に入れ、黙って半田につきつける。半田は瑞貴の空気に気づき、逆らわない方が得策だと思って黙って受けとった。
「あ~す~か~?」
「あっ、いや、その~……」
瑞貴は――冬海のときよりマシだが――怖いくらいニッコリと笑って土門に詰め寄る。土門は逃げようにも瑞貴の空気がそれを許さず、後退するだけだった。するとガシッと瑞貴は土門のユニフォームをつかみ、引っ張り出す。
「ちょおっと練習に付き合ってもらおうか」
「えっ!? ちょっ!?」
「あっ、なんなら私が飛鳥の練習に付き合ってあげる。DFだから敵の必殺シュートをくらうこともあるよね。シューティングアローの強化にもなるしいっぱいくらわしてあげる」
「ご遠慮します~~っ!!」
土門の悲惨な叫びがグラウンド中へ響き渡った。
☆☆☆☆☆
部活が終わり、土門に必殺技を容赦なくくらわせた瑞貴はスッキリした表情で帰宅するべく歩いていていると、横からサッカーボールがテンテンと転がってきた。
瑞貴はボールを拾い上げ、転がった方向を見ると公園に二人の少年がいた。
「すみませーん。ボールをこっちにくださーい」
一人より大きなもう一人の少年が手を振って頼んできたので瑞貴は微笑み、ボールを軽くトラップして少年へボールを送る。ボールは少年の手の中へすっぽりと収まった。
それを確認した瑞貴は再び足を運ぼうとすると、こちらに向かって走ってくる音が聞こえた。振り向くとそれは先ほどの少年たちで、目をキラキラさせてくる彼らに瑞貴はデジャヴを感じた。
「おねえちゃんスゴい!」
「サッカーやってるんですか!?」
少年たちのスゴいスゴいというオーラに瑞貴は逆らえるわけもなく頷いた。
「お姉ちゃんはサッカー部なんだ」
「スゴいです! なっ、京介!」
「うん!」
聞き覚えのある名前に瑞貴は石化した。恐る恐る二人をよく見てみると、『イナズマイレブンGO』の主要人物である剣城京介と兄・剣城優一にそっくりである。
「き、君たちの名前は?」
「俺、剣城優一っていいます」
「ぼく、つるぎきょうすけ」
予想的中し、まさかの出会いに瑞貴は苦笑を浮かべるしかなかった。
「お姉ちゃんの名前は井上瑞貴。よろしくね、優一くん、京介くん」
「「よろしくおねがいします!」」
それから三人でサッカーをしたが、もう夕暮れになってきた。
「瑞貴姉さん。俺たちそろそろ帰ります。父さんたちが心配するので」
「そっか。じゃあまた会ったらサッカーやろうね」
「はい。ほら京介、帰るぞ」
「え~! もっとみずきねえちゃんといっしょにいたい!」
京介はギュッと瑞貴の足にしがみついた。原作で見た最初の悪っぽい印象が微塵もない純粋な子供に瑞貴の胸はキュンとする。抱きしめたい衝動に駆られるがそれはダメなので瑞貴は京介と向かい合うようにしゃがむ。
「京介くん。サッカー好き?」
「うん!」
「じゃあその気持ちを忘れないで。そしたらきっとまた会えるから。――約束」
瑞貴が小指を差し出すと京介は頷いて自分の小指を絡め、約束をした。指を離すと隣で優一が羨ましそうに見ていたので、瑞貴は小指を差し出す。
「優一くんもしてくれる?」
「はい!」
優一は嬉しそうに瑞貴と小指を絡め、瑞貴は剣城兄弟と約束をしたのだ。
☆☆☆☆☆
次の日。雷門中の屋上で瑞貴と円堂と染岡と秋と土門と風丸は円になって座っていた。
「どーするよ!? 決勝まであと二日! 二日で新監督見つけなきゃならないんだぜ!?」
「あーもう! 規約なんか嫌い!」
「でも規約がなきゃ、帝国学園の監督よりもっと非道が強い人が出るよ? おまけに私たちは中学生なんだから責任を取ってくれる大人がいなきゃ」
染岡と秋は瑞貴の最もな説明に押し黙る。
「みんなのモチベーション下がってるから、練習もなんだかなーって感じだし」
土門の言葉に風丸も同意するように頷く。あれから壁山だけでなく他の部員も練習にやる気を失くしているのだ。