ライオコット島の伝説!
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ピシャ――ンッ!!
「「「「「「きゃあ!」」」」」」
強い雷が鳴ってベンチにいるマネージャーやリカと塔子は悲鳴を上げて身をかがめる。あまりに異常なためピッチにいる選手たちも動きを止めた。
本当に雨が降るかもしれないし、そうでなくても雷で心配だ。風丸は円堂に声をかける。
「どうする? 続けるか?」
「うーん……」
「「「「「「きゃあ!」」」」」」
「えっ!?」
再び聞こえた女子組の悲鳴に瑞貴を始め全員が顔を向けると、なんと二つのベンチの間に箱が浮いて強く輝いていたのだ。しかもその箱は例の腕輪が入っているものだ。あまりにも不気味なため全員が警戒する。
「なんで、こんなんなってんの!?」
「なんなんですか……!?」
「どうなってんだ!?」
リカも春奈も円堂も驚く中、冬花がもしかしてと夏未から聞いた伝説の話を思い出す。
「これ……夏未さんの言ってた話の……!?」
「まさか! あれは伝説よ!?」
「あのじいさんたち、絶対怪しかったもん。やっぱり何かあるんだよ!」
最初から胡散臭いと思っていた塔子がそう言うと、ガタガタと箱が揺れて縄もガムテープも紙も破壊された。箱のフタが開くとその中にあった二つの腕輪が浮かび、物凄いスピードで動いた。その方向には瑞貴がいる。
「あの腕輪、瑞貴姉を狙ってる!」
「瑞貴! よけろ!」
「っ!」
木暮が驚きの声を上げ、円堂の叫びで瑞貴はなんとか紙一重でよける。しかしよけられた腕輪は方向転換して背後から再び瑞貴へとめがけて突進して来るのだ。
「うしろだ!」
「しまった!」
鬼道が気づいたのも遅く、反射的に両腕を顔に覆った瑞貴だが覚悟していた痛みが来ない。
瑞貴は恐る恐る目を開けると両手首に二つの腕輪がそれぞれ付いてあった。塔子もリカも驚きのあまり目を見開く。
「な、何これ!」
「腕輪が勝手に瑞貴に!?」
「ハニー! はよさっきみたいに取るんや!」
「うっ…くっ……外れない!」
「「「「「何っ!?」」」」」
最初はリカと春奈から腕輪を取ったのに、自分に付けられた途端、二人のように瑞貴の手でも取れなくなった。
すると突然瑞貴に頭痛が走り、体も痛み始めて両膝を地に付ける。
「あ…頭が……体が痛い……!」
「瑞貴!」
「わあ――っ!!」
パアアァァアアア――!!
円堂が駆け寄ろうとした途端、瑞貴の体の痛みがピークに達して二つの腕輪から眩しいくらいの光が輝いて全員目を閉じた。そして光が治まったのを感じて目を見開くと……。
「な、なんだ!?」
「ミズキが二人!?」
「「「「「ええっ!?」」」」」
なんとさっきまで瑞貴がいた場所には二人の瑞貴がいる。あまりにも衝撃的なことに円堂やフィディオを始め全員が驚いた。
「「イタタ……でも痛みがなくなった/なりました……。――ん? ええっ!?」」
二人の瑞貴もお互い顔を見合わせて驚いた。何もかもが瓜二つで、違う所といえば二人の片手首にそれぞれ一つずつ白と紫の腕輪があり、いつも頬に流している髪がそれぞれ片方ずつ長く、うしろ髪がストレートとパーマになっている。
「なんで俺がもう一人いるんだ!?」
「どういうことですか!?」
もう一つ違う所は二人の言葉遣い。白の腕輪を付けたストレート髪の瑞貴はキレたときの乱暴な言葉遣いで、紫の腕輪を付けたパーマ髪の瑞貴は初対面の人物に対する丁寧さがある。
見分けの付け方はわかっても、この超常現象に他のみんなは混乱する一方だ。
「どっちが本物なの!? 瑞貴ちゃんはもう僕たちに敬語は使わないし……」
「でもミズキが『俺』なんて使うのか!?」
ピッシャ――ンッ!!
吹雪やテレスたちが二人の瑞貴を交互に見る中、グラウンドを照らす照明な雷が落ちた。その衝撃で爆風が起こって身構えると、すぐに止んだ。
「円堂さーん! 上――っ!!」
「なっ!?」
立向居の言葉に円堂が上を見上げると、ゴールバーに乗っているのは、ボールを片足で押さえた白い服で翼を持つ少年だ。