最後の決戦! 影山零治‼
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イナズマジャパンとは反対に、予選リーグを突破したオルフェウスはアンジェロを始め全員が喜びに溢れていた。
「やったー! 予選通過だー!」
「この程度で喜んでどうする。俺たちが目指すのは世界一だ。なっ、キャプテン!」
「もちろんだ」
「――フィディオ」
ブラージの言葉にヒデも同意すると、影山がフィディオに声をかけた。
「はい」
「何故カテナチオカウンターに、父の……影山東吾のプレーが必要だと思ったのだ?」
「キャプテンが送ってきてくれたビデオのおかげです。そこにカゲヤマ=トウゴのプレーが映っていました」
「ナカタ……」
「俺はあなたを知りたかった……。サッカーを憎みながらもサッカーを知り尽くしているあなたを。カゲヤマ=トウゴのプレーを見て、全てはそこに関わりがあると確信しました。だから調べたんです。あなたの過去を……そしてわかりました。あなたが抱える心の闇を」
ビデオを見たフィディオはその後、影山に関することを調べてきた。もちろん中には瑞貴たちが言っていた悪事もあったが、その発端が影山東吾の代表落ちだということがわかった。
「だからこそ、俺はカゲヤマ=トウゴのプレーにこだわろうと思いました。チームの勝利のためにも、何より――あなたのために、カテナチオカウンターを完成させなければいけないと」
「何故だ…何故そこまで……」
「俺が――あなたと同じだからです」
「!?」
フィディオの家族関係の事情は、どうやら影山も知らなかったようだ。
「俺の父も、自分の才能に限界を感じて苦しみ続けたサッカー選手でした。でもどんなに生活が荒れても、俺は父が……父のプレーが好きでした。だから俺はサッカーをあきらめなかった。あなたが憎んでも憎んでも、サッカーを続けてきた理由は、きっと同じはずです。あなたは父であるカゲヤマ=トウゴというプレーヤーが好きなんです!」
「私が父を……?」
「カゲヤマ=トウゴのプレーを再現すれば、その頃の気持ちを思い出すかもしれない……そう考えたんです」
「そうか……。フフッ、お前如きに気づかされるとはな。いや――お前だから、か」
自分と同じ境遇であるフィディオだからこそ、影山の心の光に気づき解放する方法を見いだせたのだ。
父と同じ領域に達することができた、影山が憧れた父を超えた者――それが、フィディオと鬼道だ。二人の顔を見渡した影山は笑みを浮かべる。
「さすがだな。お前たちは本物だ」
「あなたこそ」
「私もなりたかった……お前たちのように」
「あなたなら、なれたはずです」
「……フッ」
鬼道は真っ直ぐ影山を見てそう言った。影山と本気のサッカーをぶつけてきた鬼道も、今なら影山の闇とサッカーへの愛情を理解できた。
するとスタジアムの外からパトカーの音が聞こえた。その原因がわかった鬼道は驚くように影山を見る。
「まさか、自分で!?」
「私にとってこれは最後の試合だ……楽しかったよ」
「…………」
その言葉を聞いた鬼道はゴーグルに手を掛けてゆっくり外した。
「久しぶりだな。お前の素顔を見るのは……」
いつもはゴーグル越しにしか見えない鬼道の瞳は、ツリ目で力強い意思を宿す赤色だった。
――鬼道がゴーグルを付けるようになったのは、帝国学園に入学して影山と共にサッカー部の見学をしていたときだった。
『これを付けてみろ。試合の流れがよく見える。』
差し出されたゴーグルを鬼道は付けてみるが、円柱の形をしているため真っ直ぐしか見えず、付ける前より視界が狭くなった。
『しかし、これでは視野が狭(セバ)まってしまいます』
『果たしてそうかな?』
『えっ?』
『それは見るべき所をより深く見るためにある』
『より深く……――っ!』
すぐに鬼道は影山の狙いに気づいた。それから鬼道はずっとゴーグルを付けているのだ。
「やったー! 予選通過だー!」
「この程度で喜んでどうする。俺たちが目指すのは世界一だ。なっ、キャプテン!」
「もちろんだ」
「――フィディオ」
ブラージの言葉にヒデも同意すると、影山がフィディオに声をかけた。
「はい」
「何故カテナチオカウンターに、父の……影山東吾のプレーが必要だと思ったのだ?」
「キャプテンが送ってきてくれたビデオのおかげです。そこにカゲヤマ=トウゴのプレーが映っていました」
「ナカタ……」
「俺はあなたを知りたかった……。サッカーを憎みながらもサッカーを知り尽くしているあなたを。カゲヤマ=トウゴのプレーを見て、全てはそこに関わりがあると確信しました。だから調べたんです。あなたの過去を……そしてわかりました。あなたが抱える心の闇を」
ビデオを見たフィディオはその後、影山に関することを調べてきた。もちろん中には瑞貴たちが言っていた悪事もあったが、その発端が影山東吾の代表落ちだということがわかった。
「だからこそ、俺はカゲヤマ=トウゴのプレーにこだわろうと思いました。チームの勝利のためにも、何より――あなたのために、カテナチオカウンターを完成させなければいけないと」
「何故だ…何故そこまで……」
「俺が――あなたと同じだからです」
「!?」
フィディオの家族関係の事情は、どうやら影山も知らなかったようだ。
「俺の父も、自分の才能に限界を感じて苦しみ続けたサッカー選手でした。でもどんなに生活が荒れても、俺は父が……父のプレーが好きでした。だから俺はサッカーをあきらめなかった。あなたが憎んでも憎んでも、サッカーを続けてきた理由は、きっと同じはずです。あなたは父であるカゲヤマ=トウゴというプレーヤーが好きなんです!」
「私が父を……?」
「カゲヤマ=トウゴのプレーを再現すれば、その頃の気持ちを思い出すかもしれない……そう考えたんです」
「そうか……。フフッ、お前如きに気づかされるとはな。いや――お前だから、か」
自分と同じ境遇であるフィディオだからこそ、影山の心の光に気づき解放する方法を見いだせたのだ。
父と同じ領域に達することができた、影山が憧れた父を超えた者――それが、フィディオと鬼道だ。二人の顔を見渡した影山は笑みを浮かべる。
「さすがだな。お前たちは本物だ」
「あなたこそ」
「私もなりたかった……お前たちのように」
「あなたなら、なれたはずです」
「……フッ」
鬼道は真っ直ぐ影山を見てそう言った。影山と本気のサッカーをぶつけてきた鬼道も、今なら影山の闇とサッカーへの愛情を理解できた。
するとスタジアムの外からパトカーの音が聞こえた。その原因がわかった鬼道は驚くように影山を見る。
「まさか、自分で!?」
「私にとってこれは最後の試合だ……楽しかったよ」
「…………」
その言葉を聞いた鬼道はゴーグルに手を掛けてゆっくり外した。
「久しぶりだな。お前の素顔を見るのは……」
いつもはゴーグル越しにしか見えない鬼道の瞳は、ツリ目で力強い意思を宿す赤色だった。
――鬼道がゴーグルを付けるようになったのは、帝国学園に入学して影山と共にサッカー部の見学をしていたときだった。
『これを付けてみろ。試合の流れがよく見える。』
差し出されたゴーグルを鬼道は付けてみるが、円柱の形をしているため真っ直ぐしか見えず、付ける前より視界が狭くなった。
『しかし、これでは視野が狭(セバ)まってしまいます』
『果たしてそうかな?』
『えっ?』
『それは見るべき所をより深く見るためにある』
『より深く……――っ!』
すぐに鬼道は影山の狙いに気づいた。それから鬼道はずっとゴーグルを付けているのだ。