帝国のスパイ!
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「ホントかよ……」
「嘘だろ……」
円堂と半田を始め、まるで信じられないような目で見る雷門中サッカー部。春奈は手帳にこのことを書き記していた。
「答えてください、冬海先生」
すると冬海は不気味に笑い出し、シートベルトを外してバスから出る。
「そうですよ。私がブレーキオイルを抜きました」
「なんのために!」
「あなた方をフットボールフロンティアの決勝戦に参加させないためです」
「なんだって!?」
知られざる真相に円堂は驚くが、冬海は淡々と話を続ける。
「あなた方が決勝戦に出ると困る人がいるんです。その人のために私はやった」
「――帝国の学園長か!」
「っ!」
豪炎寺が叫ぶと冬海は肩を揺らして焦ったような顔をして豪炎寺を見る。どうやら図星のようだ。豪炎寺は冬海の様子にお構いなしに続ける。
「帝国のためなら、生徒がどうなってもいいと思ってるのか!」
「君たちは知らないんだ! あの方が…どんなに恐ろしいかを……」
「ああ! 知りたくもない!」
豪炎寺の言葉を同意するかのようにみんなは冬海を睨み続ける。
「あなたのような教師は学校を去りなさい!」
夏未は冬海に向かって指差し、次いで腰に手を当てる。
「これは理事長の言葉と思ってもらって結構です!」
「クビですか、そりゃあいい。いい加減こんなところで教師やってるのも飽きてきたところです。しかし……この雷門中に入り込んだ帝国のスパイが、私だけと思わないことだ」
スパイは冬海だけと思っていた夏未は驚いた顔をする。隣で瑞貴はギュッと拳を握りしめる。
(ダメ――!)
瑞貴がそう心の中で叫び、なんとか止めようとしたが甲斐なく――。
「ねぇ……――土門くん」
「「「「「!?」」」」」
ぷっつん。
何かが切れる音がした。しかしみんなはそれに気づかず、土門を見ていた。
「では、失礼しますよ。ハッハッハッ……」
「――オイおっさん。ちょお待てぇや」
「「「「「!」」」」」
発せられた低い声に冬海だけでなく全員が声の主を見ると――瑞貴だった。
前髪のせいで表情は見えないが、瑞貴は腰に手を当てながら黙って冬海の前に近づき、そして――。
ボカァ!!
「「「「「なっ!?」」」」」
なんと殴り飛ばした。その反動で冬海は倒れ、円堂を始めとする雷門メンバーは驚かれずにはいられなかった。
「ええ加減にしろや。いい歳こいて調子のいいこと言ってんじゃねぇぞ。このボケナスが」
「そ、そうだよ。俺は土門を信じる。なっ、土門!」
「……円堂……瑞貴ちゃん……冬海の言う通りだよ。――ワリィ!」
土門はそう言って走り出し、円堂が名を呼ぶも足を止めなかった。
みんなは呆然と土門の後ろ姿を見るが、すぐに青ざめながら顔を戻す。――まだ問題は残っているのだ。瑞貴は冬海に再び殴りかかろうとすると、豪炎寺がその手首をつかんで止める。
「やめろ瑞貴!」
その手を振り解こうとする瑞貴だが、所詮は男と女。力の差は歴然だ。
「嘘だろ……」
円堂と半田を始め、まるで信じられないような目で見る雷門中サッカー部。春奈は手帳にこのことを書き記していた。
「答えてください、冬海先生」
すると冬海は不気味に笑い出し、シートベルトを外してバスから出る。
「そうですよ。私がブレーキオイルを抜きました」
「なんのために!」
「あなた方をフットボールフロンティアの決勝戦に参加させないためです」
「なんだって!?」
知られざる真相に円堂は驚くが、冬海は淡々と話を続ける。
「あなた方が決勝戦に出ると困る人がいるんです。その人のために私はやった」
「――帝国の学園長か!」
「っ!」
豪炎寺が叫ぶと冬海は肩を揺らして焦ったような顔をして豪炎寺を見る。どうやら図星のようだ。豪炎寺は冬海の様子にお構いなしに続ける。
「帝国のためなら、生徒がどうなってもいいと思ってるのか!」
「君たちは知らないんだ! あの方が…どんなに恐ろしいかを……」
「ああ! 知りたくもない!」
豪炎寺の言葉を同意するかのようにみんなは冬海を睨み続ける。
「あなたのような教師は学校を去りなさい!」
夏未は冬海に向かって指差し、次いで腰に手を当てる。
「これは理事長の言葉と思ってもらって結構です!」
「クビですか、そりゃあいい。いい加減こんなところで教師やってるのも飽きてきたところです。しかし……この雷門中に入り込んだ帝国のスパイが、私だけと思わないことだ」
スパイは冬海だけと思っていた夏未は驚いた顔をする。隣で瑞貴はギュッと拳を握りしめる。
(ダメ――!)
瑞貴がそう心の中で叫び、なんとか止めようとしたが甲斐なく――。
「ねぇ……――土門くん」
「「「「「!?」」」」」
ぷっつん。
何かが切れる音がした。しかしみんなはそれに気づかず、土門を見ていた。
「では、失礼しますよ。ハッハッハッ……」
「――オイおっさん。ちょお待てぇや」
「「「「「!」」」」」
発せられた低い声に冬海だけでなく全員が声の主を見ると――瑞貴だった。
前髪のせいで表情は見えないが、瑞貴は腰に手を当てながら黙って冬海の前に近づき、そして――。
ボカァ!!
「「「「「なっ!?」」」」」
なんと殴り飛ばした。その反動で冬海は倒れ、円堂を始めとする雷門メンバーは驚かれずにはいられなかった。
「ええ加減にしろや。いい歳こいて調子のいいこと言ってんじゃねぇぞ。このボケナスが」
「そ、そうだよ。俺は土門を信じる。なっ、土門!」
「……円堂……瑞貴ちゃん……冬海の言う通りだよ。――ワリィ!」
土門はそう言って走り出し、円堂が名を呼ぶも足を止めなかった。
みんなは呆然と土門の後ろ姿を見るが、すぐに青ざめながら顔を戻す。――まだ問題は残っているのだ。瑞貴は冬海に再び殴りかかろうとすると、豪炎寺がその手首をつかんで止める。
「やめろ瑞貴!」
その手を振り解こうとする瑞貴だが、所詮は男と女。力の差は歴然だ。