激突! 虎と鷹‼
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「虎丸はしっかりしてるけど、まだ小学生。……これしか言えないんだ、ごめんね。それに征矢なら大丈夫。時には意外な人が人の真実を見抜いているものだよ。ごちそうさま」
瑞貴は再び力なく微笑む。だけど言葉の真意を読み取れない円堂たちは再び不思議に思って顔を見合わせるだけだった。
――食器を片付けて部屋に戻った瑞貴は家族の写真を見つめると、同時に原作を思い出した。
(……今回虎丸の不調の原因はホームシック……私には感じたことのない気持ちだから)
幼い頃に瑞貴は家族を失った。家に戻っても一人なので合宿など遠出に長期の泊まりでも、家が恋しいと思ったことは一度もなく、むしろ逆にイベントが終わるのを惜しんでいた。
だから今回は虎丸の気持ちに共感ができず、相談に乗ろうにも虎丸にとっては気休めにもならないだろう。
「征矢がうまくやってくれるといいんだけど……――ん?」
星を見ようと窓を開ければ、グラウンドで飛鷹と虎丸がパス回しをしていた。すぐに一階に降りて外を出た瑞貴は二人に気づかれないように木の陰に隠れて様子を伺う。
「なんでわかったんですか? 俺が変だって」
「なんでかな。けど……何故か俺の周りにはたくさん年下の仲間が集まってな。奴らの顔色を見ると、何か悩みがありそうってすぐにわかっちまうのさ」
鈴目純一を始めとする仲間たちと過ごすのは飛鷹にとって楽しい時間だった。だからこそ大切に思っているから気づくのだろう。
「仲間…ですか……。いいですね、そういうの」
「ん?」
「俺は自分のサッカーのせいで、本当のことを話せる仲間なんて一人も作れなかったから……」
「おかしなもんだな」
「えっ?」
「仲間のいない天才小学生と、サッカーを知らなかった不良が一緒に世界を相手に戦ってるなんてよ」
「へへっ」
飛鷹からのパスを受け取った虎丸の表情はとても嬉しそうだ。
「本当にうまくなりましたね、飛鷹さん」
「そうか?」
「はい。ずっと練習してたんですね!」
「っ!?」
突如ドリブルを始めた虎丸に飛鷹が驚くと、すでに虎丸は自分を抜いたあとだった。
「でなくちゃ俺からボールを取るなんて有り得ないですよ。たとえマグレでも!」
「……昨日今日サッカーを始めた俺は、練習あるのみだったんだ。響木さんと出会わなければ、俺は今でもケンカに明け暮れていただろう。少しでもうまくなって、チームの役に立たないとな。響木さんの思いに応えるためにも」
「…………」
「虎丸、俺たちは仲間だ。何かあったらいつでも相談しな。少しは力になれるかもしれない」
「すみませんでした……」
素直に頭を下げた虎丸には、飛鷹の言葉が届いたのだろう。
(よかったね、虎丸)
自分が何もできなかったことは悔しいが、仲間に託したことで良い結果となった。瑞貴は何もかも背負っていた以前と違い、仲間に託して成功する嬉しさを覚えた。
「でも、一つだけ言わせてもらってもいいですか?」
「なんだ? 言ってみろ」
「飛鷹さん……――あまり料理はうまくないですね」
「えっ!? そうか!?」
「あの雷雷丼、醤油が多すぎ。あと油はもっと少ないほうが。それと玉ねぎとかはガンガン火を通しちゃダメです!」
「そ、そうなのか……?」
いつの間にかチームに溶け込んでいる飛鷹、仲間がいる本当の意味がわかった虎丸、二人のこれからが楽しみになった瑞貴はそっとその場をあとにした。
瑞貴は再び力なく微笑む。だけど言葉の真意を読み取れない円堂たちは再び不思議に思って顔を見合わせるだけだった。
――食器を片付けて部屋に戻った瑞貴は家族の写真を見つめると、同時に原作を思い出した。
(……今回虎丸の不調の原因はホームシック……私には感じたことのない気持ちだから)
幼い頃に瑞貴は家族を失った。家に戻っても一人なので合宿など遠出に長期の泊まりでも、家が恋しいと思ったことは一度もなく、むしろ逆にイベントが終わるのを惜しんでいた。
だから今回は虎丸の気持ちに共感ができず、相談に乗ろうにも虎丸にとっては気休めにもならないだろう。
「征矢がうまくやってくれるといいんだけど……――ん?」
星を見ようと窓を開ければ、グラウンドで飛鷹と虎丸がパス回しをしていた。すぐに一階に降りて外を出た瑞貴は二人に気づかれないように木の陰に隠れて様子を伺う。
「なんでわかったんですか? 俺が変だって」
「なんでかな。けど……何故か俺の周りにはたくさん年下の仲間が集まってな。奴らの顔色を見ると、何か悩みがありそうってすぐにわかっちまうのさ」
鈴目純一を始めとする仲間たちと過ごすのは飛鷹にとって楽しい時間だった。だからこそ大切に思っているから気づくのだろう。
「仲間…ですか……。いいですね、そういうの」
「ん?」
「俺は自分のサッカーのせいで、本当のことを話せる仲間なんて一人も作れなかったから……」
「おかしなもんだな」
「えっ?」
「仲間のいない天才小学生と、サッカーを知らなかった不良が一緒に世界を相手に戦ってるなんてよ」
「へへっ」
飛鷹からのパスを受け取った虎丸の表情はとても嬉しそうだ。
「本当にうまくなりましたね、飛鷹さん」
「そうか?」
「はい。ずっと練習してたんですね!」
「っ!?」
突如ドリブルを始めた虎丸に飛鷹が驚くと、すでに虎丸は自分を抜いたあとだった。
「でなくちゃ俺からボールを取るなんて有り得ないですよ。たとえマグレでも!」
「……昨日今日サッカーを始めた俺は、練習あるのみだったんだ。響木さんと出会わなければ、俺は今でもケンカに明け暮れていただろう。少しでもうまくなって、チームの役に立たないとな。響木さんの思いに応えるためにも」
「…………」
「虎丸、俺たちは仲間だ。何かあったらいつでも相談しな。少しは力になれるかもしれない」
「すみませんでした……」
素直に頭を下げた虎丸には、飛鷹の言葉が届いたのだろう。
(よかったね、虎丸)
自分が何もできなかったことは悔しいが、仲間に託したことで良い結果となった。瑞貴は何もかも背負っていた以前と違い、仲間に託して成功する嬉しさを覚えた。
「でも、一つだけ言わせてもらってもいいですか?」
「なんだ? 言ってみろ」
「飛鷹さん……――あまり料理はうまくないですね」
「えっ!? そうか!?」
「あの雷雷丼、醤油が多すぎ。あと油はもっと少ないほうが。それと玉ねぎとかはガンガン火を通しちゃダメです!」
「そ、そうなのか……?」
いつの間にかチームに溶け込んでいる飛鷹、仲間がいる本当の意味がわかった虎丸、二人のこれからが楽しみになった瑞貴はそっとその場をあとにした。