奇跡! カッパとの遭遇⁉︎
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瑞貴はヒロトチームの得点を書こうとチョークを取ると木暮が駆け寄って来た。
「瑞貴姉、俺に書かせて!」
「いいけど……」
瑞貴はチョークを渡すと、木暮は河童チームの得点より大きく1点を書いた。
「やったやった! まずは1点だ!」
ピューイ、ピューイ。
「試合終了の合図、かな?」
「えっ、終わり? なんでいきなり終わりなんだよ~」
河童の指笛に終了と瑞貴が気づくと、ここからだと思っていた木暮は苦笑した。
河童がボールを持ち、四人はセンターラインを挟んで向かい合い、足が動けるようになったので瑞貴はラインの上に立った。
「礼」
瑞貴の言葉で四人は礼をする。ヒロトは清々しい表情をしていたが、木暮は不満げにブスッとしていた。
「ありがとう。楽しかったよ」
「あ~あ。せっかく今からってとこだったのに」
「まあまあ」
「ん」
「えっ?」
木暮を宥める瑞貴に河童がボールを差し出してきた。その意図がわからず瑞貴は目をパチクリすると、木暮が目を輝かせてきた。
「今度は瑞貴姉と試合するの!? 俺やる!」
「違う」
「違うのかよ……」
「アハハハ……」
リベンジができると思っていたので木暮は河童の言葉にさらに意気消沈した。それにヒロトは苦笑した。
「フェアリーブレイク、撃って」
「なるほど。瑞貴ちゃんのシュートが見たいんだね。足はもう大丈夫?」
「うん!」
試合中はゆっくり休めたので足はもう大丈夫だ。リクエストに応えるべく瑞貴は河童からボールを受け取った。
瑞貴はペナルティエリアから少し離れた場所で構え、ヒロトたちはそのうしろで見学する。そのまま瑞貴は走り出すと神秘的な妖精が現れ、瑞貴の背中に羽を作って羽ばたく。
「フェアリーブレイク!」
無人なのでフェアリーブレイクはゴールに入った。だけどその光景に全員が見惚れていた。
「ゴール!」
「フェアリーブレイク……!」
「やっぱり瑞貴姉のフェアリーブレイクって綺麗だよね!」
「うん!」
小河童が掛け声を上げ、河童は目を輝かせ、木暮とヒロトは顔を見合わせて笑った。瑞貴はゴールに入ったボールを拾い河童に返す。
「ありがとう」
「どういたしまして」
今度は河童が礼を言うと瑞貴は笑って頷いた。
「ん」
次に河童が指差した場所には、たくさんの木々の中に胡瓜をまとった木が道となって続いている。
「胡瓜……?」
「そうか。あの胡瓜を辿って行けば、森を抜けられるんだね」
「「スイ」」
ヒロトの推測に河童と小河童は頷いた。
「えっ、じゃあ俺たち帰れんの!? やった…帰れる……帰れるんだ!」
「それじゃあ、また」
「ありがとう!」
帰れることに木暮は嬉しくなって先に進み、ヒロトと瑞貴は河童と小河童に挨拶してから木暮を追いかける。胡瓜の道に入りヒロトと瑞貴はもう一度振り向くが、グラウンドには河童も小河童もいなかった。
「あれ?」
「二人共いない?」
「ヒロトさん! 瑞貴姉! 早く早くー!」
「ああ」
「今行くよ」
今採ったであろう胡瓜を両手に持った木暮に二人はもう一度グラウンドに目を移し、それから歩き始めた。……グラウンドの横の池で水面が音を立てたことは知らずに。
「瑞貴姉もヒロトさんも食べよう!」
「うん」
「ありがとう」
木暮から受け取った胡瓜を瑞貴もヒロトも食べる。朝から何も食べていなかったので正直ありがたい。
胡瓜の道を抜けるとヒロトが使っていたボールを見つけ、さらに進むと森の向こうに光が見えた。
「出口だ!」
木暮を筆頭に三人が走って行くと、森を抜けた場所は高台で、イナズマジャパンの宿舎とグラウンドが見えた。
「見て、瑞貴姉! ヒロトさん!」
「うん。宿舎が見えてきた」
「さっ、帰ろう」
「うん! ……あ~あ。怒られるだろうな…無断外泊だし……」
連絡ができない状況とはいえ一晩も帰らなかったのは事実だ。木暮は怒られる覚悟をする。
――宿舎に入り、みんなが集まっている食堂の扉をヒロトが開ける。
「ごめんなさい!」
「「「「「ん?」」」」」
勢いよく頭を下げて謝る木暮に、中にいた円堂たちはキョトンとした。
返ってきた反応が予想と違っていたので木暮も頭を上げると、みんな怒る表情など微塵も出していなかった。瑞貴もヒロトも不思議そうに顔を見合わせる。
「あれ? 怒ってない……?」
「ほらほら、木暮くんも座って。早くしないとなくなっちゃうわよ」
いつも何かすれば「木暮くん!」と怒る春奈も普通に声をかけ、持っていたおにぎりの皿を鬼道と立向居の前に置く。
「……怒ってないの?」
「怒るって、何を?」
「だって俺たち昨日帰って来なかったから。まあ、朝起きてすぐ帰ればよかったんだけど……でも、森の中でサッカーしてたらこんな時間になっちゃって! だから俺!」
慌てながらも正直に言う木暮だが、春奈はますます不思議そうにするだけだった。
「瑞貴姉、俺に書かせて!」
「いいけど……」
瑞貴はチョークを渡すと、木暮は河童チームの得点より大きく1点を書いた。
「やったやった! まずは1点だ!」
ピューイ、ピューイ。
「試合終了の合図、かな?」
「えっ、終わり? なんでいきなり終わりなんだよ~」
河童の指笛に終了と瑞貴が気づくと、ここからだと思っていた木暮は苦笑した。
河童がボールを持ち、四人はセンターラインを挟んで向かい合い、足が動けるようになったので瑞貴はラインの上に立った。
「礼」
瑞貴の言葉で四人は礼をする。ヒロトは清々しい表情をしていたが、木暮は不満げにブスッとしていた。
「ありがとう。楽しかったよ」
「あ~あ。せっかく今からってとこだったのに」
「まあまあ」
「ん」
「えっ?」
木暮を宥める瑞貴に河童がボールを差し出してきた。その意図がわからず瑞貴は目をパチクリすると、木暮が目を輝かせてきた。
「今度は瑞貴姉と試合するの!? 俺やる!」
「違う」
「違うのかよ……」
「アハハハ……」
リベンジができると思っていたので木暮は河童の言葉にさらに意気消沈した。それにヒロトは苦笑した。
「フェアリーブレイク、撃って」
「なるほど。瑞貴ちゃんのシュートが見たいんだね。足はもう大丈夫?」
「うん!」
試合中はゆっくり休めたので足はもう大丈夫だ。リクエストに応えるべく瑞貴は河童からボールを受け取った。
瑞貴はペナルティエリアから少し離れた場所で構え、ヒロトたちはそのうしろで見学する。そのまま瑞貴は走り出すと神秘的な妖精が現れ、瑞貴の背中に羽を作って羽ばたく。
「フェアリーブレイク!」
無人なのでフェアリーブレイクはゴールに入った。だけどその光景に全員が見惚れていた。
「ゴール!」
「フェアリーブレイク……!」
「やっぱり瑞貴姉のフェアリーブレイクって綺麗だよね!」
「うん!」
小河童が掛け声を上げ、河童は目を輝かせ、木暮とヒロトは顔を見合わせて笑った。瑞貴はゴールに入ったボールを拾い河童に返す。
「ありがとう」
「どういたしまして」
今度は河童が礼を言うと瑞貴は笑って頷いた。
「ん」
次に河童が指差した場所には、たくさんの木々の中に胡瓜をまとった木が道となって続いている。
「胡瓜……?」
「そうか。あの胡瓜を辿って行けば、森を抜けられるんだね」
「「スイ」」
ヒロトの推測に河童と小河童は頷いた。
「えっ、じゃあ俺たち帰れんの!? やった…帰れる……帰れるんだ!」
「それじゃあ、また」
「ありがとう!」
帰れることに木暮は嬉しくなって先に進み、ヒロトと瑞貴は河童と小河童に挨拶してから木暮を追いかける。胡瓜の道に入りヒロトと瑞貴はもう一度振り向くが、グラウンドには河童も小河童もいなかった。
「あれ?」
「二人共いない?」
「ヒロトさん! 瑞貴姉! 早く早くー!」
「ああ」
「今行くよ」
今採ったであろう胡瓜を両手に持った木暮に二人はもう一度グラウンドに目を移し、それから歩き始めた。……グラウンドの横の池で水面が音を立てたことは知らずに。
「瑞貴姉もヒロトさんも食べよう!」
「うん」
「ありがとう」
木暮から受け取った胡瓜を瑞貴もヒロトも食べる。朝から何も食べていなかったので正直ありがたい。
胡瓜の道を抜けるとヒロトが使っていたボールを見つけ、さらに進むと森の向こうに光が見えた。
「出口だ!」
木暮を筆頭に三人が走って行くと、森を抜けた場所は高台で、イナズマジャパンの宿舎とグラウンドが見えた。
「見て、瑞貴姉! ヒロトさん!」
「うん。宿舎が見えてきた」
「さっ、帰ろう」
「うん! ……あ~あ。怒られるだろうな…無断外泊だし……」
連絡ができない状況とはいえ一晩も帰らなかったのは事実だ。木暮は怒られる覚悟をする。
――宿舎に入り、みんなが集まっている食堂の扉をヒロトが開ける。
「ごめんなさい!」
「「「「「ん?」」」」」
勢いよく頭を下げて謝る木暮に、中にいた円堂たちはキョトンとした。
返ってきた反応が予想と違っていたので木暮も頭を上げると、みんな怒る表情など微塵も出していなかった。瑞貴もヒロトも不思議そうに顔を見合わせる。
「あれ? 怒ってない……?」
「ほらほら、木暮くんも座って。早くしないとなくなっちゃうわよ」
いつも何かすれば「木暮くん!」と怒る春奈も普通に声をかけ、持っていたおにぎりの皿を鬼道と立向居の前に置く。
「……怒ってないの?」
「怒るって、何を?」
「だって俺たち昨日帰って来なかったから。まあ、朝起きてすぐ帰ればよかったんだけど……でも、森の中でサッカーしてたらこんな時間になっちゃって! だから俺!」
慌てながらも正直に言う木暮だが、春奈はますます不思議そうにするだけだった。