奇跡! カッパとの遭遇⁉︎
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「二人もいる……!」
「こっち」
河童は指差すと小河童と共に走り出し、離れた所に止まるともう一度瑞貴たちを見て指差す。
「こっち!」
「こっち来いって……?」
「もしかしたら出口を知ってるかも!」
「案内してくれるんだね!」
森を出られる可能性にヒロトも木暮も瑞貴も顔を見合わせて笑う。しかし木暮とヒロトは立ち上がるが、瑞貴は座ったままで動かない。
「瑞貴姉?」
「どうしたの?」
「それが……足が動かなくて……」
動かないのではなく動けないのだ。足を崩しておいたとはいえ一晩中木暮の頭を乗せていたし、いつも布団以上の重いものを乗せて眠っているわけではないので当然だろう。
「ごめん瑞貴姉、俺のせいで……」
「大丈夫。しばらくしたら動けるから先に行ってて。あとで追いかけるから」
「この森で一人は危険だよ。ほら」
「えっ」
ヒロトは瑞貴の前に背を向けてしゃがんだ。その行動に瑞貴は目をパチクリすると、ヒロトが笑顔を向ける。その表情は昨夜と違って何か吹っ切れたように清々しかった。
「俺がおぶるから肩に手を置いて。上半身は動けるでしょ?」
「動けるけど、でもヒロトだって私の頭を肩に乗せてたからキツいんじゃない?」
「あれぐらい平気だよ。それよりほら、早く乗って」
「し、失礼します……」
瑞貴はヒロトの肩に手を乗せて上半身を預け、それを確認したヒロトは瑞貴の足に手をかけて立ち上がった。瑞貴が敷いていたハンカチは木暮が砂を払うと綺麗に畳む。
「重くない?」
「むしろ軽いよ。ちゃんとご飯食べてる?」
「食べてるよ!」
「じゃ、行こうか」
「うん!」
木暮も頷いて三人は河童と小河童を追いかけて走り出す。河童はボールを持ったまま、小河童は平泳ぎのように両腕を動かしているが、その足は速い。
「あいつら速すぎだよ!」
木暮もそれを感じている。ヒロトも瑞貴を背負っているとはいえ二人を見失わないように走るのがやっとだった。
すると森の切れ目で河童と小河童は止まって一度こちらに顔を向けると、そろって先を指差す。
「あっち」
「きっと出口だ!」
ヒロトたちも追いついて河童たちが指差した方向を見ると、斜面の下にサッカーコートがあった。
「グラウンド?」
「こんな所に、何故グラウンドが……?」
「あっ、降りていくよ」
ヒロトと木暮は不思議に思って眺めていると、瑞貴は河童と小河童が移動したのに気づいて声をかけた。
全員がグラウンドに降りて、河童が持っていたサッカーボールをセンターサークルの中心に置いた。そしてラインの外にある黒板にチョークで自分たちとヒロトと木暮の絵を描く。
「ああ。俺たちとサッカーしたいんだ!」
「うんうん」
木暮の言葉に正解だと河童は笑顔で頷く。その際に黒板から離れたので絵が見えた。
「なんで俺の絵だけいい加減なんだよ!」
「まあまあ」
ヒロトや河童たちより簡単に描かれた自分の絵に、木暮は文句を言うと瑞貴は宥めながらヒロトと苦笑する。
「「やろうやろう!」」
「仕方ないね……。ちょっとだけ付き合ってあげようか」
「フンッ」
ノリノリの河童と小河童に、ヒロトも断れないでいると木暮も不満に思いながらやるようだ。すると河童と小河童が大きめの岩を持ち出して黒板のそばに置く。足が動かない瑞貴のためなのだろう。
「「座って」」
「ありがとう。瑞貴ちゃん、座るなら大丈夫かい?」
「うん。亀崎くん、小河童くん、ありがとうございます」
「「どういたしまして」」
瑞貴も二人の好意に甘えてヒロトに岩へ腰掛けるよう降ろしてもらった。黒板と平行になったので審判を務めることにした。キックオフは河童たちからだ。
「さあ、いつでもいいよ」
ピューイ。
河童の指笛が鳴って試合開始。小河童からボールを受け取って河童は平泳ぎのように両腕を動かしてドリブルしていく。
「なんだあの格好?」
「でも、なかなかいいドリブルだね」
木暮は不思議に思い、ヒロトはボールを奪うべく駆け出すが河童は見事な動きでヒロトをかわす。
「あっ!」
「っ!」
木暮も止めようとスライディングするが、河童はジャンプしてかわしシュートを撃った。キーパーがいないのでゴールに入る。
「う、嘘でしょ……?」
「お、俺たちがかわされた……?」
日本代表の実力を持つ二人がアッサリかわされたことに、瑞貴も木暮もヒロトも驚く。
「ゴール!」
「あっ、亀崎くんチームに1点……っと」
「「スーイスイスイスイ! スーイスイスイ! スススのスイ~!」」
「えぇっ!?」
小河童の声に我に返った瑞貴は黒板の河童チームに1点を書き込むと、河童と小河童が両隣でクロールの動きをしながら踊っていたので戸惑いながら思わず交互に見る。
「マ、マグレに決まってる……」
偶然だと思った木暮は現実を受け止めようとしなかった。
次のキックオフではドリブルする小河童に木暮は食らいついていく。
「お前なんかに取られるかよ! わあ!」
だけど突破されてしまい、小河童は少しドリブルしてシュートを撃った。
「こっち」
河童は指差すと小河童と共に走り出し、離れた所に止まるともう一度瑞貴たちを見て指差す。
「こっち!」
「こっち来いって……?」
「もしかしたら出口を知ってるかも!」
「案内してくれるんだね!」
森を出られる可能性にヒロトも木暮も瑞貴も顔を見合わせて笑う。しかし木暮とヒロトは立ち上がるが、瑞貴は座ったままで動かない。
「瑞貴姉?」
「どうしたの?」
「それが……足が動かなくて……」
動かないのではなく動けないのだ。足を崩しておいたとはいえ一晩中木暮の頭を乗せていたし、いつも布団以上の重いものを乗せて眠っているわけではないので当然だろう。
「ごめん瑞貴姉、俺のせいで……」
「大丈夫。しばらくしたら動けるから先に行ってて。あとで追いかけるから」
「この森で一人は危険だよ。ほら」
「えっ」
ヒロトは瑞貴の前に背を向けてしゃがんだ。その行動に瑞貴は目をパチクリすると、ヒロトが笑顔を向ける。その表情は昨夜と違って何か吹っ切れたように清々しかった。
「俺がおぶるから肩に手を置いて。上半身は動けるでしょ?」
「動けるけど、でもヒロトだって私の頭を肩に乗せてたからキツいんじゃない?」
「あれぐらい平気だよ。それよりほら、早く乗って」
「し、失礼します……」
瑞貴はヒロトの肩に手を乗せて上半身を預け、それを確認したヒロトは瑞貴の足に手をかけて立ち上がった。瑞貴が敷いていたハンカチは木暮が砂を払うと綺麗に畳む。
「重くない?」
「むしろ軽いよ。ちゃんとご飯食べてる?」
「食べてるよ!」
「じゃ、行こうか」
「うん!」
木暮も頷いて三人は河童と小河童を追いかけて走り出す。河童はボールを持ったまま、小河童は平泳ぎのように両腕を動かしているが、その足は速い。
「あいつら速すぎだよ!」
木暮もそれを感じている。ヒロトも瑞貴を背負っているとはいえ二人を見失わないように走るのがやっとだった。
すると森の切れ目で河童と小河童は止まって一度こちらに顔を向けると、そろって先を指差す。
「あっち」
「きっと出口だ!」
ヒロトたちも追いついて河童たちが指差した方向を見ると、斜面の下にサッカーコートがあった。
「グラウンド?」
「こんな所に、何故グラウンドが……?」
「あっ、降りていくよ」
ヒロトと木暮は不思議に思って眺めていると、瑞貴は河童と小河童が移動したのに気づいて声をかけた。
全員がグラウンドに降りて、河童が持っていたサッカーボールをセンターサークルの中心に置いた。そしてラインの外にある黒板にチョークで自分たちとヒロトと木暮の絵を描く。
「ああ。俺たちとサッカーしたいんだ!」
「うんうん」
木暮の言葉に正解だと河童は笑顔で頷く。その際に黒板から離れたので絵が見えた。
「なんで俺の絵だけいい加減なんだよ!」
「まあまあ」
ヒロトや河童たちより簡単に描かれた自分の絵に、木暮は文句を言うと瑞貴は宥めながらヒロトと苦笑する。
「「やろうやろう!」」
「仕方ないね……。ちょっとだけ付き合ってあげようか」
「フンッ」
ノリノリの河童と小河童に、ヒロトも断れないでいると木暮も不満に思いながらやるようだ。すると河童と小河童が大きめの岩を持ち出して黒板のそばに置く。足が動かない瑞貴のためなのだろう。
「「座って」」
「ありがとう。瑞貴ちゃん、座るなら大丈夫かい?」
「うん。亀崎くん、小河童くん、ありがとうございます」
「「どういたしまして」」
瑞貴も二人の好意に甘えてヒロトに岩へ腰掛けるよう降ろしてもらった。黒板と平行になったので審判を務めることにした。キックオフは河童たちからだ。
「さあ、いつでもいいよ」
ピューイ。
河童の指笛が鳴って試合開始。小河童からボールを受け取って河童は平泳ぎのように両腕を動かしてドリブルしていく。
「なんだあの格好?」
「でも、なかなかいいドリブルだね」
木暮は不思議に思い、ヒロトはボールを奪うべく駆け出すが河童は見事な動きでヒロトをかわす。
「あっ!」
「っ!」
木暮も止めようとスライディングするが、河童はジャンプしてかわしシュートを撃った。キーパーがいないのでゴールに入る。
「う、嘘でしょ……?」
「お、俺たちがかわされた……?」
日本代表の実力を持つ二人がアッサリかわされたことに、瑞貴も木暮もヒロトも驚く。
「ゴール!」
「あっ、亀崎くんチームに1点……っと」
「「スーイスイスイスイ! スーイスイスイ! スススのスイ~!」」
「えぇっ!?」
小河童の声に我に返った瑞貴は黒板の河童チームに1点を書き込むと、河童と小河童が両隣でクロールの動きをしながら踊っていたので戸惑いながら思わず交互に見る。
「マ、マグレに決まってる……」
偶然だと思った木暮は現実を受け止めようとしなかった。
次のキックオフではドリブルする小河童に木暮は食らいついていく。
「お前なんかに取られるかよ! わあ!」
だけど突破されてしまい、小河童は少しドリブルしてシュートを撃った。