奇跡! カッパとの遭遇⁉︎
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一之瀬数やが手術前の最後の試合であるユニコーン戦にイナズマジャパンは見事勝利し、予選グループの戦いもとうとうオルフェウス戦を残すのみとなった。
すでに全員が寝静まった深夜、円堂守がトイレのため目を覚まし眠気を抑えながら廊下を歩いていた。
「ふわぁ~」
ガタッ。
「ん? うん?」
円堂は振り向くと、月明かりが差し込む窓辺に誰かがいた。姿からしてイナズマジャパンの誰でもないし見覚えもない。
「えっ?」
目を擦って改めて見ると、先ほどの窓辺には誰もいなかった。
「今のって……カッパ!?」
☆☆☆☆☆
翌日。イナズマジャパンの全員が朝食を取り、先に食べ終わった者たちはグラウンドへ向かって数人が残ったとき、円堂が「聞いてくれよ!」と急に声を上げた。井上瑞貴たちがその内容を聞くと……。
「「「「「えぇ――っ!?」」」」」
「「カッパ!?」」
円堂の口から出た名前に全員が驚いて瑞貴と木野秋が声をそろえる。
「ああ! 昨日の夜、俺がトイレに行く途中にさ、カタンって音がしたからそっちを見たらジーッとこっちを見てるカッパが! もうびっくりしたのなんのって!」
「……キャプテン、それってホントにカッパだったんスか?」
「えっ」
ほぼ機関銃のごとく説明する円堂に、壁山塀吾郎たちは疑ったり呆れたりして、基山ヒロトも苦笑しているのだ。誰も信じてない様子に円堂は必死に言う。……少し考える瑞貴に気づかずに。
「ホントだよ! ホントにいたんだってばカッパが! こーんな口して、頭にはこんなの乗せててさ!」
「「「「「…………」」」」」
口をつまんで横に伸ばし、コップを頭に乗せて髪をグシャグシャにして記憶のカッパの姿を真似るが、他のみんなは沈黙していた。
円堂はまず向かいにいる風丸一郎太に同意を求める。
「風丸、お前は信じてくれるよね?」
「えっ、ああ……」
「鬼道! 豪炎寺! 立向居!」
「「…………」」
「アハハハ……」
風丸は動揺しながらも頷き、鬼道有人と豪炎寺修也は顔を見合わせると難しい表情をし、立向居勇気は気まずそうに苦笑していた。いくら円堂でも心から信じてないとわかる。
「嘘じゃない! 信じてくれよ!」
「円堂くん。カッパなんているはずないだろ」
「えっ」
立ち上がって力説する円堂に、隣にいたヒロトも立ち上がって説明する。
「カッパっていうのは想像上の動物で、本当にはいないんだよ」
「かもしれないけど……」
「きっと、何かと見間違えたんだよ」
「ヒロト……」
(ヒロトがカッパを否定したら、自分たちが名乗っていた宇宙人説はどうなるんだろ……)
肩にポンッと置かれた円堂はヒロトも信じてないとわかる。それを見た瑞貴は密かに苦笑しながらそう思った。
だけど円堂はあきらめきれず、今度はヒロトの言葉に苦笑していた瑞貴に同意を求める。
「瑞貴、お前は信じてくれるよな!?」
「うん。信じるよ」
「「「「「えぇっ!?」」」」」
「瑞貴……!」
間髪も入れずに笑顔で頷いた瑞貴を見て他のみんなは驚く。瑞貴の表情からして気休めでも誤魔化しでもないので、初めて信じてくれたことに円堂も目をキラキラさせた。
「瑞貴姉、キャプテンが言うことだからってムリに信じなくてもいいんだよ?」
「「「「「うん」」」」」
「おい!」
木暮夕弥の言葉に他のみんなが同意すると、円堂はどういう意味だというかのように声を上げた。だけど瑞貴は動揺せずに言葉を続ける。
「世の中には科学では解明されない不思議もいっぱいあるし、真っ向に否定できないよ。それに……」
「「「「「それに?」」」」」
「カッパの存在を否定したら、私の存在も否定することになるし」
「「「「そこまで!?」」」」
(((((あっ……)))))
綱海条介と立向居と木暮とヒロトは声を上げるが、円堂と秋と風丸と豪炎寺と鬼道と壁山と染岡竜吾は違った。瑞貴が異世界から来たと知っているからだ。
パンッ!
「さっ、みんなそれより練習よ!」
「練習練習!」
「それにしてもカッパに出くわすなんてな~」
「キャプテン、寝ぼけてたんスね」
秋が両手を叩いて話の区切りを出すと、木暮や綱海や壁山を始めた者たちはトレーを返却口に置いて食堂を出る。残ったのは円堂と瑞貴だけだ。
「あれはカッパじゃなかったのか……?」
「さすがに中学生にもなると現実的だからね。信じるのが難しいんだよ。ほら、いつまでもコップを頭に乗せないで私たちも片付けよう」
「あ、ああ……」
円堂はトレーを返却口に片付ける瑞貴の背中を見る。――実際瑞貴も自分が異世界人と言っていたが、円堂たちは日々一緒に過ごしているので瑞貴が普通の人間にしか見えない。初めは信じると言ったものの、円堂を始め初期メンバーはだんだん半信半疑になっている。
振り向いて円堂の表情を見た瑞貴は、彼の考えを察したのか苦笑する。
「ムリに私のことを信じなくていいよ。みんなの……守のそばにいるだけでいいんだ」
「えっ? 今何か言ったか?」
「みんなのそばにいれるだけでいいって言ったの。さっ、早く行こう」
一之瀬との一件以来、瑞貴は円堂への想いを自覚したが伝えることは当分ないだろう。土門飛鳥と相談して秋たちに自分の気持ちを正直に伝えると決意したがなかなか言えない。
瑞貴には過去に仲間と思っていたチームメイトに裏切られ疎遠されていた記憶が縛り付けている。今回は自分が『裏切り』をしたも同然だと思い、秋たちが自分から離れるのではないかと恐怖しているのだ。
すでに全員が寝静まった深夜、円堂守がトイレのため目を覚まし眠気を抑えながら廊下を歩いていた。
「ふわぁ~」
ガタッ。
「ん? うん?」
円堂は振り向くと、月明かりが差し込む窓辺に誰かがいた。姿からしてイナズマジャパンの誰でもないし見覚えもない。
「えっ?」
目を擦って改めて見ると、先ほどの窓辺には誰もいなかった。
「今のって……カッパ!?」
☆☆☆☆☆
翌日。イナズマジャパンの全員が朝食を取り、先に食べ終わった者たちはグラウンドへ向かって数人が残ったとき、円堂が「聞いてくれよ!」と急に声を上げた。井上瑞貴たちがその内容を聞くと……。
「「「「「えぇ――っ!?」」」」」
「「カッパ!?」」
円堂の口から出た名前に全員が驚いて瑞貴と木野秋が声をそろえる。
「ああ! 昨日の夜、俺がトイレに行く途中にさ、カタンって音がしたからそっちを見たらジーッとこっちを見てるカッパが! もうびっくりしたのなんのって!」
「……キャプテン、それってホントにカッパだったんスか?」
「えっ」
ほぼ機関銃のごとく説明する円堂に、壁山塀吾郎たちは疑ったり呆れたりして、基山ヒロトも苦笑しているのだ。誰も信じてない様子に円堂は必死に言う。……少し考える瑞貴に気づかずに。
「ホントだよ! ホントにいたんだってばカッパが! こーんな口して、頭にはこんなの乗せててさ!」
「「「「「…………」」」」」
口をつまんで横に伸ばし、コップを頭に乗せて髪をグシャグシャにして記憶のカッパの姿を真似るが、他のみんなは沈黙していた。
円堂はまず向かいにいる風丸一郎太に同意を求める。
「風丸、お前は信じてくれるよね?」
「えっ、ああ……」
「鬼道! 豪炎寺! 立向居!」
「「…………」」
「アハハハ……」
風丸は動揺しながらも頷き、鬼道有人と豪炎寺修也は顔を見合わせると難しい表情をし、立向居勇気は気まずそうに苦笑していた。いくら円堂でも心から信じてないとわかる。
「嘘じゃない! 信じてくれよ!」
「円堂くん。カッパなんているはずないだろ」
「えっ」
立ち上がって力説する円堂に、隣にいたヒロトも立ち上がって説明する。
「カッパっていうのは想像上の動物で、本当にはいないんだよ」
「かもしれないけど……」
「きっと、何かと見間違えたんだよ」
「ヒロト……」
(ヒロトがカッパを否定したら、自分たちが名乗っていた宇宙人説はどうなるんだろ……)
肩にポンッと置かれた円堂はヒロトも信じてないとわかる。それを見た瑞貴は密かに苦笑しながらそう思った。
だけど円堂はあきらめきれず、今度はヒロトの言葉に苦笑していた瑞貴に同意を求める。
「瑞貴、お前は信じてくれるよな!?」
「うん。信じるよ」
「「「「「えぇっ!?」」」」」
「瑞貴……!」
間髪も入れずに笑顔で頷いた瑞貴を見て他のみんなは驚く。瑞貴の表情からして気休めでも誤魔化しでもないので、初めて信じてくれたことに円堂も目をキラキラさせた。
「瑞貴姉、キャプテンが言うことだからってムリに信じなくてもいいんだよ?」
「「「「「うん」」」」」
「おい!」
木暮夕弥の言葉に他のみんなが同意すると、円堂はどういう意味だというかのように声を上げた。だけど瑞貴は動揺せずに言葉を続ける。
「世の中には科学では解明されない不思議もいっぱいあるし、真っ向に否定できないよ。それに……」
「「「「「それに?」」」」」
「カッパの存在を否定したら、私の存在も否定することになるし」
「「「「そこまで!?」」」」
(((((あっ……)))))
綱海条介と立向居と木暮とヒロトは声を上げるが、円堂と秋と風丸と豪炎寺と鬼道と壁山と染岡竜吾は違った。瑞貴が異世界から来たと知っているからだ。
パンッ!
「さっ、みんなそれより練習よ!」
「練習練習!」
「それにしてもカッパに出くわすなんてな~」
「キャプテン、寝ぼけてたんスね」
秋が両手を叩いて話の区切りを出すと、木暮や綱海や壁山を始めた者たちはトレーを返却口に置いて食堂を出る。残ったのは円堂と瑞貴だけだ。
「あれはカッパじゃなかったのか……?」
「さすがに中学生にもなると現実的だからね。信じるのが難しいんだよ。ほら、いつまでもコップを頭に乗せないで私たちも片付けよう」
「あ、ああ……」
円堂はトレーを返却口に片付ける瑞貴の背中を見る。――実際瑞貴も自分が異世界人と言っていたが、円堂たちは日々一緒に過ごしているので瑞貴が普通の人間にしか見えない。初めは信じると言ったものの、円堂を始め初期メンバーはだんだん半信半疑になっている。
振り向いて円堂の表情を見た瑞貴は、彼の考えを察したのか苦笑する。
「ムリに私のことを信じなくていいよ。みんなの……守のそばにいるだけでいいんだ」
「えっ? 今何か言ったか?」
「みんなのそばにいれるだけでいいって言ったの。さっ、早く行こう」
一之瀬との一件以来、瑞貴は円堂への想いを自覚したが伝えることは当分ないだろう。土門飛鳥と相談して秋たちに自分の気持ちを正直に伝えると決意したがなかなか言えない。
瑞貴には過去に仲間と思っていたチームメイトに裏切られ疎遠されていた記憶が縛り付けている。今回は自分が『裏切り』をしたも同然だと思い、秋たちが自分から離れるのではないかと恐怖しているのだ。