不死鳥の決意!
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「帰ろうか、送るよ」
「うん」
一之瀬と瑞貴は観客席からクジャクスタジアムを出ると、入口に三つの人影が見えた。向こうもこちらに気づいたらしく一人が大きく手を振る。その正体は円堂だ。
「瑞貴! 一之瀬!」
「守! 秋ちゃん!」
「土門まで? ずっとここにいたの?」
「うん。瑞貴ちゃんを待ってたの」
「俺は一之瀬を迎えにな」
秋がいるのはチャンスだと思い、瑞貴は顔を向けると一之瀬も頷いて秋のそばに向かう。
「秋、本当にごめん。俺のせいで悩ませて……」
「ううん、いいの。試合、スゴかったよ」
笑い合う二人の姿を瑞貴と円堂と土門も微笑みながら見守っていた。そして秋は瑞貴のそばにやってくる。
「さっき円堂くんにも言ったんだけど、瑞貴ちゃんも一之瀬くんと全力で戦ってくれてありがとう」
「約束したもん。当然だよ」
秋と瑞貴が話している間、一之瀬は円堂と土門を促して女子たちから少し離れる。円堂は不思議そうにし、土門はなんとなく何を話すかわかった。
「俺、瑞貴にフラれたよ」
「えぇっ!?」
「そ、そうか」
円堂は驚くが土門は瑞貴に相談を受けたので予想通りと思った。だけど一之瀬は悲しむどころか笑っている。
「でも、俺はあきらめないよ。いつか瑞貴の気持ちを俺に向けさせる」
「一之瀬……」
「本当にあきらめの悪い奴だな、お前は」
「ああ」
土門の言葉に一之瀬は頷くと、次いで円堂に顔を向ける。
「円堂、瑞貴は好きな人がいるんだってさ。だから俺の気持ちに応えられないって」
「えっ……えぇっ!?」
(おいおい……)
衝撃的な事実に円堂はショックを受けるように声を上げる。一之瀬はこのまま去るのが悔しいため、少し意地悪をしたのだと土門は気づいて苦笑した。
「守、そろそろ帰ろう! 船が出ちゃうよー!」
「あ、ああ!」
「一哉、飛鳥、またね!」
「「ああ!」」
瑞貴の呼び声に円堂は急いで駆け出し、一之瀬は親指と人差し指と中指を立てるとコメカミに当てて横に振り、土門は笑顔で頷いた。
三人が去って行く姿を見送りながら、土門は一之瀬に声をかける。
「まさかもう円堂に宣戦布告してたとはな」
「ハーフタイムで偶然会ってね。だからと言ってやすやす瑞貴を渡すつもりはないよ。でも、土門だって瑞貴のこと好きなんだろ?」
「そうだけど俺はサッカーに比べて恋にしぶとくないし、瑞貴ちゃんの幸せを願うって決めたんだ。その相手がお前でも円堂でもな」
「そうか……」
一之瀬も土門もアメリカエリアに帰るため、足を進めた。
――ジャパンエリア行きの船の甲板では、円堂がずっと海を眺めながらボーッとしていた。それに瑞貴は声をかける。
「どうしたの?」
「あっ…いや……なんでもないさ」
苦笑を返す円堂に瑞貴は首を傾げつつ秋の元へ戻った。
「円堂くん、なんだって?」
「それがなんでもないって言われた」
その会話をしている二人を余所に、円堂は一之瀬の言葉を思い返す。
『瑞貴は好きな人がいるんだってさ』
(瑞貴の好きな奴って…いったい……?)
秋と笑い合いながら話す瑞貴を見ながら、円堂は痛む胸を抑えるようにその部分のジャージを握りしめる。
……瑞貴が自分の想いに気づいたように、円堂も自分の想いに気づく日が来るのだろうか。
☆副キャプテン 今日の格言☆
私たちはサッカーで繋がっている仲間なんだから
以上!!
「うん」
一之瀬と瑞貴は観客席からクジャクスタジアムを出ると、入口に三つの人影が見えた。向こうもこちらに気づいたらしく一人が大きく手を振る。その正体は円堂だ。
「瑞貴! 一之瀬!」
「守! 秋ちゃん!」
「土門まで? ずっとここにいたの?」
「うん。瑞貴ちゃんを待ってたの」
「俺は一之瀬を迎えにな」
秋がいるのはチャンスだと思い、瑞貴は顔を向けると一之瀬も頷いて秋のそばに向かう。
「秋、本当にごめん。俺のせいで悩ませて……」
「ううん、いいの。試合、スゴかったよ」
笑い合う二人の姿を瑞貴と円堂と土門も微笑みながら見守っていた。そして秋は瑞貴のそばにやってくる。
「さっき円堂くんにも言ったんだけど、瑞貴ちゃんも一之瀬くんと全力で戦ってくれてありがとう」
「約束したもん。当然だよ」
秋と瑞貴が話している間、一之瀬は円堂と土門を促して女子たちから少し離れる。円堂は不思議そうにし、土門はなんとなく何を話すかわかった。
「俺、瑞貴にフラれたよ」
「えぇっ!?」
「そ、そうか」
円堂は驚くが土門は瑞貴に相談を受けたので予想通りと思った。だけど一之瀬は悲しむどころか笑っている。
「でも、俺はあきらめないよ。いつか瑞貴の気持ちを俺に向けさせる」
「一之瀬……」
「本当にあきらめの悪い奴だな、お前は」
「ああ」
土門の言葉に一之瀬は頷くと、次いで円堂に顔を向ける。
「円堂、瑞貴は好きな人がいるんだってさ。だから俺の気持ちに応えられないって」
「えっ……えぇっ!?」
(おいおい……)
衝撃的な事実に円堂はショックを受けるように声を上げる。一之瀬はこのまま去るのが悔しいため、少し意地悪をしたのだと土門は気づいて苦笑した。
「守、そろそろ帰ろう! 船が出ちゃうよー!」
「あ、ああ!」
「一哉、飛鳥、またね!」
「「ああ!」」
瑞貴の呼び声に円堂は急いで駆け出し、一之瀬は親指と人差し指と中指を立てるとコメカミに当てて横に振り、土門は笑顔で頷いた。
三人が去って行く姿を見送りながら、土門は一之瀬に声をかける。
「まさかもう円堂に宣戦布告してたとはな」
「ハーフタイムで偶然会ってね。だからと言ってやすやす瑞貴を渡すつもりはないよ。でも、土門だって瑞貴のこと好きなんだろ?」
「そうだけど俺はサッカーに比べて恋にしぶとくないし、瑞貴ちゃんの幸せを願うって決めたんだ。その相手がお前でも円堂でもな」
「そうか……」
一之瀬も土門もアメリカエリアに帰るため、足を進めた。
――ジャパンエリア行きの船の甲板では、円堂がずっと海を眺めながらボーッとしていた。それに瑞貴は声をかける。
「どうしたの?」
「あっ…いや……なんでもないさ」
苦笑を返す円堂に瑞貴は首を傾げつつ秋の元へ戻った。
「円堂くん、なんだって?」
「それがなんでもないって言われた」
その会話をしている二人を余所に、円堂は一之瀬の言葉を思い返す。
『瑞貴は好きな人がいるんだってさ』
(瑞貴の好きな奴って…いったい……?)
秋と笑い合いながら話す瑞貴を見ながら、円堂は痛む胸を抑えるようにその部分のジャージを握りしめる。
……瑞貴が自分の想いに気づいたように、円堂も自分の想いに気づく日が来るのだろうか。
☆副キャプテン 今日の格言☆
私たちはサッカーで繋がっている仲間なんだから
以上!!