不死鳥の決意!
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「俺…が……!?」
「何故カズヤを下げるんだ?」
「ギンギンに攻めてるところなのに……」
「…………」
一之瀬は驚き、マークとディランは一之瀬が下がることに戸惑い、土門は限界が来たのだと察する。
「一哉……」
「…………」
それは瑞貴も円堂も気づいていた。土門と同じように、一之瀬の容態を。
一方ユニコーンのベンチでは、ストレッチするエディを余所に一之瀬はマックへ必死に懇願する。
「お願いです! このまま戦わせてください!」
「お前はずっと全力の戦いをしてきた。疲労が激しいはずだ」
「大丈夫です! まだやれます! 今日は特別な試合なんです……俺は最後までピッチに立っていたいんです!」
「もう交代は認められた。お前はフィールドを出なければならないんだ」
ピッチへ走るエディの姿を見て、一之瀬は顔をうつむけて肩を落とす。力なくピッチを出ようとしたが、ライン際で止まった。
「やだ……俺はまだ……!」
「私には、選手を守る責任がある」
「監督…まさか……俺の体のことを……!」
肩に手を置いたマックの言葉に一之瀬は気づいた。マックもまた一之瀬の事情を知る者だったのだ。それを知った一之瀬は顔を上げると静かに頷く。
「みんな…あとは頼む……」
一之瀬は振り返らずにそう言い残してピッチを出た。
「一哉……」
「一之瀬……」
(一之瀬くん……)
その姿を見届けた瑞貴と円堂と秋の目は悲しげだった。だが、マークは気を引き締めて振り向くと、ディランも土門も力強く頷いた。その姿を見た円堂と瑞貴は我に返る。
「そうだ……試合はまだ終わってない!」
「私たちの勝負はこれからだ!」
タイムアップが迫ってくる中、イナズマジャパンとユニコーンは激しい攻防を繰り返している。その様子を一之瀬は虚ろな瞳でベンチからピッチを見る。
(終わり…なのか……? これが…俺のサッカーの終わりだって言うのか……?)
実況どころか誰の声も聞こえない。だが、その分試合を見ることに集中ができて一之瀬は胸元をつかむと瞳に意志が戻ってくる。
(俺は……嫌だ……)
「フェアリーブレイク!」
(!)
勝ち越し点を取った瑞貴のシュート。その姿に一之瀬は瑞貴の言葉を思い出す。
『絶対に次も一緒にサッカーやろうよ!』
(これが…これが最後だなんて……!)
瑞貴は『次』を信じているのに、一之瀬は今まで『次』をあきらめていた。だけどその気持ちがこの場で覆(クツガエ)り、それをそれを表すかのようにさらに胸元を握りしめた。
それと同時にホイッスルが鳴り響く。
《ここで試合終了――っ!! 4対3! イナズマジャパンがアメリカ代表ユニコーンを破りました――っ!!》
《FFI世界大会の歴史に残る、と言っても過言ではない名勝負でしたね》
喜び合うイナズマジャパンに対し、ユニコーンは負けたショックで落胆していた。
「一哉……」
「一之瀬」
ピッチを見つめたまま立っている一之瀬の元に瑞貴と円堂が来た。
「勝利おめでとう、瑞貴、円堂。最後までピッチに立っていたかったけど……できなかった」
「いや、お前がベンチに下がったあとも、ピッチにはずっと気迫が残ってた」
「だから、最後まで一哉とも戦ってた気がする」
二人の言葉を聞いて、一之瀬は再びピッチに顔を向ける。
「ベンチで見てたんだ。みんなのプレーを…ずっと見てた……。そしてわかったんだ。俺は――サッカーがしたい!」
「「!」」
「俺はあきらめない。もう一度フィールドに戻ってみせる。絶対に!」
「ああ……そうだよ! その通りだ!」
「私も、一哉が絶対に帰ってくれるって信じてる!」
ピッチに戻る決意をした一之瀬に、円堂も瑞貴も嬉しそうに笑う。そして一之瀬は改めて二人と向き合った。
「いつかまた、フィールドで会おう!」
「オウッ!」
「待ってるよ!」
一之瀬と円堂がガッチリ握手を交わし瑞貴がその上に手を置き、三人は笑い合った。
「何故カズヤを下げるんだ?」
「ギンギンに攻めてるところなのに……」
「…………」
一之瀬は驚き、マークとディランは一之瀬が下がることに戸惑い、土門は限界が来たのだと察する。
「一哉……」
「…………」
それは瑞貴も円堂も気づいていた。土門と同じように、一之瀬の容態を。
一方ユニコーンのベンチでは、ストレッチするエディを余所に一之瀬はマックへ必死に懇願する。
「お願いです! このまま戦わせてください!」
「お前はずっと全力の戦いをしてきた。疲労が激しいはずだ」
「大丈夫です! まだやれます! 今日は特別な試合なんです……俺は最後までピッチに立っていたいんです!」
「もう交代は認められた。お前はフィールドを出なければならないんだ」
ピッチへ走るエディの姿を見て、一之瀬は顔をうつむけて肩を落とす。力なくピッチを出ようとしたが、ライン際で止まった。
「やだ……俺はまだ……!」
「私には、選手を守る責任がある」
「監督…まさか……俺の体のことを……!」
肩に手を置いたマックの言葉に一之瀬は気づいた。マックもまた一之瀬の事情を知る者だったのだ。それを知った一之瀬は顔を上げると静かに頷く。
「みんな…あとは頼む……」
一之瀬は振り返らずにそう言い残してピッチを出た。
「一哉……」
「一之瀬……」
(一之瀬くん……)
その姿を見届けた瑞貴と円堂と秋の目は悲しげだった。だが、マークは気を引き締めて振り向くと、ディランも土門も力強く頷いた。その姿を見た円堂と瑞貴は我に返る。
「そうだ……試合はまだ終わってない!」
「私たちの勝負はこれからだ!」
タイムアップが迫ってくる中、イナズマジャパンとユニコーンは激しい攻防を繰り返している。その様子を一之瀬は虚ろな瞳でベンチからピッチを見る。
(終わり…なのか……? これが…俺のサッカーの終わりだって言うのか……?)
実況どころか誰の声も聞こえない。だが、その分試合を見ることに集中ができて一之瀬は胸元をつかむと瞳に意志が戻ってくる。
(俺は……嫌だ……)
「フェアリーブレイク!」
(!)
勝ち越し点を取った瑞貴のシュート。その姿に一之瀬は瑞貴の言葉を思い出す。
『絶対に次も一緒にサッカーやろうよ!』
(これが…これが最後だなんて……!)
瑞貴は『次』を信じているのに、一之瀬は今まで『次』をあきらめていた。だけどその気持ちがこの場で覆(クツガエ)り、それをそれを表すかのようにさらに胸元を握りしめた。
それと同時にホイッスルが鳴り響く。
《ここで試合終了――っ!! 4対3! イナズマジャパンがアメリカ代表ユニコーンを破りました――っ!!》
《FFI世界大会の歴史に残る、と言っても過言ではない名勝負でしたね》
喜び合うイナズマジャパンに対し、ユニコーンは負けたショックで落胆していた。
「一哉……」
「一之瀬」
ピッチを見つめたまま立っている一之瀬の元に瑞貴と円堂が来た。
「勝利おめでとう、瑞貴、円堂。最後までピッチに立っていたかったけど……できなかった」
「いや、お前がベンチに下がったあとも、ピッチにはずっと気迫が残ってた」
「だから、最後まで一哉とも戦ってた気がする」
二人の言葉を聞いて、一之瀬は再びピッチに顔を向ける。
「ベンチで見てたんだ。みんなのプレーを…ずっと見てた……。そしてわかったんだ。俺は――サッカーがしたい!」
「「!」」
「俺はあきらめない。もう一度フィールドに戻ってみせる。絶対に!」
「ああ……そうだよ! その通りだ!」
「私も、一哉が絶対に帰ってくれるって信じてる!」
ピッチに戻る決意をした一之瀬に、円堂も瑞貴も嬉しそうに笑う。そして一之瀬は改めて二人と向き合った。
「いつかまた、フィールドで会おう!」
「オウッ!」
「待ってるよ!」
一之瀬と円堂がガッチリ握手を交わし瑞貴がその上に手を置き、三人は笑い合った。