目金、立つ!
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「俺たちだって負けられねぇ」
「欠流が体を張って同点にしてくれたんだ」
「「みんな、絶対逆転するぜ!」」
「「「「「オ――ッ!!」」」」」
試合が再開されると秋葉名戸学園のプレーはさっきとは打って変わり、卑怯なことを一切しなくなった。
両者一歩も譲らない攻防が続き、土門が瑞貴にパスを送った。パスを受けとった瑞貴はそのままゴール前に上がって行く。相戸留はゴールをズラそうとせず立ち向かう。
「来い!」
「瑞貴さん! シューティングアローです!」
「了解! シューティングアロー!」
目金の指示に答え、瑞貴はシューティングアローを放ち、ボールは相戸留ごとゴールに突き刺さった。
《決まった――っ!! 試合終了直前、井上のシューティングアローがゴールに突き刺さった――っ!! 雷門中逆転! 逆転です!!》
そして試合終了のホイッスルが鳴る。秋と春奈は手を取り合って喜び、夏未は「冷や冷やさせるわね」と安心するように言う。
秋葉名戸中は負けた悔しさで膝を地面に付いたり座り込む。
「負けた……これで、僕たちの夢も……」
「夢とはなんのことです?」
野部流の呟きを聞いた目金が秋葉名戸学園のそばに立つ。
「フットボールフロンティアで優勝すれば、アメリカ遠征という特典がついてくるんだ……」
「みんなでアメリカに行って、向こうにしか売っていない限定フィギュアをゲットするつもりだったんだ」
「……コズミックプリティ・レイナのアメリカ限定バージョンですね」
「えっ……知ってるのか?」
「当然です」
「君はなんて奴だ……」
「負けたよ。完全に……」
どこまでも幅広いオタク知識を持っている目金に野部流と漫画は眉を下げながら感心する。
「「さよならレイナ……永遠(トワ)に……」」
「――ご心配には及びませんよ」
空を見上げて悲しそうに呟く二人に、目金は安心させるように言う。
「君たちの夢は、僕が受け継ぎました。この大会で優勝したあかつきには、僕が必ずコズミックプリティ・レイナを買ってくることを約束しましょう」
「「め、目金くん!!」」
復活した秋葉名戸イレブンは立ち上がって目金に感謝している。その光景を雷門中サッカー部は微笑ましく見ていた。
「スッゲー奴だったんだ。目金って」
「まっ、ある意味ね」
彼らの友情か、もしくは限定フィギュアをゲットできる喜びか、真二屋はスイカを食べながら涙を流していた。
――試合が終わったので雷門中サッカー部も学校へ戻るべく秋葉名戸学園を出る。
「お待ちくださいサクラ様!」
「ゲッ」
瑞貴は顔を嫌な表情をしながらうしろを振り向くと、案の定漫画がいた。
「な、なんですか? それと私はサクラじゃなくて井上瑞貴です」
「あぁすまない。それより頼みたいことがあるんだけど」
急に真剣な表情になった漫画に、瑞貴は首を傾げながら「なんでしょう?」と言うと――。
「今度井上さんにゲームに出たサクラ様のコスチュームを全て着てほしいんだ!」
「ハァ!?」
「もちろん、僕らがデザインしたオリジナルも! あっ、そのあとは撮影会もして!」
にこやかに笑う漫画に、瑞貴は体をプルプルと震わし、他の部員は青ざめながら一歩うしろへ下がる。目金だけは「いい考えです!」というような表情で眼鏡を光らせていたが。
「嫌だ――っ!!」
瑞貴の声は秋葉名戸学園中に響き渡ったとか――……。
☆☆☆☆☆
帝国学園サッカー部は準決勝に勝ち進み、学園のグラウンドで練習をして休憩に入った。キャプテンの鬼道有人は自分の携帯が鳴ったことに気づく。
「土門からか?」
鬼道は携帯を開き、しばらく画面を見ながら考えこむ。
「……佐久間、源田、成神」
「「「はい/なんだ/なんスか?」」」
「この画像いるか?」
鬼道が携帯の画面を佐久間次郎と源田幸次郎と成神健也に見せて一拍――。
「わああぁぁぁあああ!」
「な、なんて格好してるんだあいつ!?」
「ください! 鬼道先輩! 即刻俺の携帯に送信してください!」
騒がしくなると、他の帝国学園のメンバーが四人に近づく。鬼道が持っている携帯の画面にはなんと――メイド服とドレス姿の瑞貴だった。
「誰だよそれ?」
「あっ、こいつ雷門の女子選手じゃねぇか」
「まさか彼女にそんな趣味があったとは……。ククク……」
大野伝助と万丈一道と五条勝がそう言うと、咲山修二が思い出したように呟く。
「……確か雷門の準決勝の相手は秋葉名戸学園だったな」
…………。
そのひと言で一気に静まり返った。原因は間違いなく咲山の言ったことなのだから。
「でも雷門中の先輩、似合ってますね。あっ、鬼道先輩。僕の携帯にも送信してください」
「ああ」
洞面秀一郎がそう言うと鬼道は躊躇いもなく送信する。佐久間も源田もなんだかんだ言ってちゃっかりもらっていた。ちなみに最初に受け取った本人である鬼道も、コッソリ保存していたとか。
――帝国学園サッカー部でそんなことになっていたなど、瑞貴はまだ知らない。
☆副キャプテン 今日の格言☆
人を見かけで判断しちゃダメだよ
以上!!
「欠流が体を張って同点にしてくれたんだ」
「「みんな、絶対逆転するぜ!」」
「「「「「オ――ッ!!」」」」」
試合が再開されると秋葉名戸学園のプレーはさっきとは打って変わり、卑怯なことを一切しなくなった。
両者一歩も譲らない攻防が続き、土門が瑞貴にパスを送った。パスを受けとった瑞貴はそのままゴール前に上がって行く。相戸留はゴールをズラそうとせず立ち向かう。
「来い!」
「瑞貴さん! シューティングアローです!」
「了解! シューティングアロー!」
目金の指示に答え、瑞貴はシューティングアローを放ち、ボールは相戸留ごとゴールに突き刺さった。
《決まった――っ!! 試合終了直前、井上のシューティングアローがゴールに突き刺さった――っ!! 雷門中逆転! 逆転です!!》
そして試合終了のホイッスルが鳴る。秋と春奈は手を取り合って喜び、夏未は「冷や冷やさせるわね」と安心するように言う。
秋葉名戸中は負けた悔しさで膝を地面に付いたり座り込む。
「負けた……これで、僕たちの夢も……」
「夢とはなんのことです?」
野部流の呟きを聞いた目金が秋葉名戸学園のそばに立つ。
「フットボールフロンティアで優勝すれば、アメリカ遠征という特典がついてくるんだ……」
「みんなでアメリカに行って、向こうにしか売っていない限定フィギュアをゲットするつもりだったんだ」
「……コズミックプリティ・レイナのアメリカ限定バージョンですね」
「えっ……知ってるのか?」
「当然です」
「君はなんて奴だ……」
「負けたよ。完全に……」
どこまでも幅広いオタク知識を持っている目金に野部流と漫画は眉を下げながら感心する。
「「さよならレイナ……永遠(トワ)に……」」
「――ご心配には及びませんよ」
空を見上げて悲しそうに呟く二人に、目金は安心させるように言う。
「君たちの夢は、僕が受け継ぎました。この大会で優勝したあかつきには、僕が必ずコズミックプリティ・レイナを買ってくることを約束しましょう」
「「め、目金くん!!」」
復活した秋葉名戸イレブンは立ち上がって目金に感謝している。その光景を雷門中サッカー部は微笑ましく見ていた。
「スッゲー奴だったんだ。目金って」
「まっ、ある意味ね」
彼らの友情か、もしくは限定フィギュアをゲットできる喜びか、真二屋はスイカを食べながら涙を流していた。
――試合が終わったので雷門中サッカー部も学校へ戻るべく秋葉名戸学園を出る。
「お待ちくださいサクラ様!」
「ゲッ」
瑞貴は顔を嫌な表情をしながらうしろを振り向くと、案の定漫画がいた。
「な、なんですか? それと私はサクラじゃなくて井上瑞貴です」
「あぁすまない。それより頼みたいことがあるんだけど」
急に真剣な表情になった漫画に、瑞貴は首を傾げながら「なんでしょう?」と言うと――。
「今度井上さんにゲームに出たサクラ様のコスチュームを全て着てほしいんだ!」
「ハァ!?」
「もちろん、僕らがデザインしたオリジナルも! あっ、そのあとは撮影会もして!」
にこやかに笑う漫画に、瑞貴は体をプルプルと震わし、他の部員は青ざめながら一歩うしろへ下がる。目金だけは「いい考えです!」というような表情で眼鏡を光らせていたが。
「嫌だ――っ!!」
瑞貴の声は秋葉名戸学園中に響き渡ったとか――……。
☆☆☆☆☆
帝国学園サッカー部は準決勝に勝ち進み、学園のグラウンドで練習をして休憩に入った。キャプテンの鬼道有人は自分の携帯が鳴ったことに気づく。
「土門からか?」
鬼道は携帯を開き、しばらく画面を見ながら考えこむ。
「……佐久間、源田、成神」
「「「はい/なんだ/なんスか?」」」
「この画像いるか?」
鬼道が携帯の画面を佐久間次郎と源田幸次郎と成神健也に見せて一拍――。
「わああぁぁぁあああ!」
「な、なんて格好してるんだあいつ!?」
「ください! 鬼道先輩! 即刻俺の携帯に送信してください!」
騒がしくなると、他の帝国学園のメンバーが四人に近づく。鬼道が持っている携帯の画面にはなんと――メイド服とドレス姿の瑞貴だった。
「誰だよそれ?」
「あっ、こいつ雷門の女子選手じゃねぇか」
「まさか彼女にそんな趣味があったとは……。ククク……」
大野伝助と万丈一道と五条勝がそう言うと、咲山修二が思い出したように呟く。
「……確か雷門の準決勝の相手は秋葉名戸学園だったな」
…………。
そのひと言で一気に静まり返った。原因は間違いなく咲山の言ったことなのだから。
「でも雷門中の先輩、似合ってますね。あっ、鬼道先輩。僕の携帯にも送信してください」
「ああ」
洞面秀一郎がそう言うと鬼道は躊躇いもなく送信する。佐久間も源田もなんだかんだ言ってちゃっかりもらっていた。ちなみに最初に受け取った本人である鬼道も、コッソリ保存していたとか。
――帝国学園サッカー部でそんなことになっていたなど、瑞貴はまだ知らない。
☆副キャプテン 今日の格言☆
人を見かけで判断しちゃダメだよ
以上!!