一之瀬! 最後のキックオフ‼︎
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――昼間の雨が嘘のように夜は晴れた。だけど瑞貴の心は晴れないまま、宿舎の誰もいない玄関で携帯を見つめている。画面には一之瀬の名前と電話番号が表示されていた。
(一哉からの告白は嬉しいのに…なんで……)
『瑞貴!』
脳裏に思い浮かぶ円堂の姿だ。一之瀬の返事を考えなくてはならないのに、何度も何度も振り切っても現れる。
(もう一度、一哉の声を聞けば考えることが――!)
「瑞貴?」
「みぎゃあ!」
ガシャン!
突然うしろから声をかけられて瑞貴は肩を跳ねると、その反動で携帯をうしろに飛んでしまい、呼びかけた相手の足元に落ちる。
「ま、守!?」
「ワリィ、驚かせたな」
今まで考えていた相手が現れて瑞貴はさらに驚き、対して円堂は驚かせてしまったことを申し訳なさそうに苦笑しながら頬を掻いてしゃがむ。
「携帯、落ちたぞ……――えっ!」
「ああああ、ありがとう! じゃ、おやすみ~!」
円堂が携帯を拾うと目を見開く。それに気づかず瑞貴は慌てて奪い返すように円堂の手から携帯を取って部屋に逃げ出した。
部屋に入るとすぐに扉を閉め、携帯の画面を確認する。先ほどまで見ていた一之瀬の名前と電話番号だけの表示がそのままになっていた。
「よかった。一哉に繋がってなかった」
この状況で繋がったなんて事故が起こったらマトモに一之瀬と会話ができないだろう。いつも一人で考えたりしていたが、今回ばかりは答えどころかヒントすらわからない。
「相談、したいな……」
瑞貴は一之瀬の幼馴染を頭に思い浮かべた。自分と共通の友人で一之瀬と近しい人物に話せば何か変わることができると思って。
一方、円堂は未だに玄関に残ったままだった。
「さっき……一之瀬の名前が……」
円堂は瑞貴の携帯の画面に映る一之瀬の名前をハッキリ見た。もちろん情報交換をしていたなど疑っていない。だが、昨日から瑞貴が一之瀬のことを考えている姿に円堂は嫌な気持ちがした。
「なんで…なんでこんなに瑞貴のことが気になっているんだ……!?」
最近ずっと瑞貴のことを考えている自分自身に、円堂は訳がわからなかった。
☆☆☆☆☆
翌日。イナズマジャパンはユニコーン戦に向けて練習をし、終了のホイッスルが鳴った。吹雪士郎や風丸や壁山も汗だらけで息が上がっている。それはゴールにいる円堂も同じだった。
「「ハァ…ハァ……」」
「ハァ~……。今日も…キツかったっス……」
「ハァ…ハァ……」
「はい、マモルくん」
「サンキュー、フユッペ」
冬花から差し出されたタオルを受け取り、円堂は汗だらけの顔を拭く。
「今日、みんな一段と気合い入ってたね」
「ああ。一之瀬や土門とやれるからな!」
「俺、早く対決してみたいです!」
拳を作って気合いを入れる宇都宮虎丸の言葉に同意するように、土方雷電も飛鷹征矢も笑い、風丸も吹雪も鬼道も頷いた。
「こんなにみんなを熱くさせる二人かぁ……どんな人たちなんだろ?」
「仲間だ!」
「えっ?」
「チームが変わっても、一之瀬も土門も、大切な仲間なんだ!」
円堂は空を見上げて雷門時代の二人の姿を思い浮かべ、冬花にもその気持ちが伝わって頷く。
「よーし! もうひと練習! 一之瀬たちに負けてられないからな!」
「「「「「オウッ!!」」」」」
円堂の掛け声で自主練の合図が出た。動こうとする風丸に吹雪が呼びかける。
「風丸くん」
「ん?」
「今、考えている必殺技があるんだ。それにはスピードが必要なんだ」
「……やってみよう!」
風丸は面白そうな顔をして、吹雪の提案に乗ることにした。
「俺はこいつで特訓だ!」
綱海条介はサーフボードを持ってグラウンドを飛び出した。
「シン、ちょっといいかな」
「ん?」
瑞貴は久遠道也が留守にしている代わりに、みんなの練習を見ている神崎シンの元へ駆け寄る。
(一哉からの告白は嬉しいのに…なんで……)
『瑞貴!』
脳裏に思い浮かぶ円堂の姿だ。一之瀬の返事を考えなくてはならないのに、何度も何度も振り切っても現れる。
(もう一度、一哉の声を聞けば考えることが――!)
「瑞貴?」
「みぎゃあ!」
ガシャン!
突然うしろから声をかけられて瑞貴は肩を跳ねると、その反動で携帯をうしろに飛んでしまい、呼びかけた相手の足元に落ちる。
「ま、守!?」
「ワリィ、驚かせたな」
今まで考えていた相手が現れて瑞貴はさらに驚き、対して円堂は驚かせてしまったことを申し訳なさそうに苦笑しながら頬を掻いてしゃがむ。
「携帯、落ちたぞ……――えっ!」
「ああああ、ありがとう! じゃ、おやすみ~!」
円堂が携帯を拾うと目を見開く。それに気づかず瑞貴は慌てて奪い返すように円堂の手から携帯を取って部屋に逃げ出した。
部屋に入るとすぐに扉を閉め、携帯の画面を確認する。先ほどまで見ていた一之瀬の名前と電話番号だけの表示がそのままになっていた。
「よかった。一哉に繋がってなかった」
この状況で繋がったなんて事故が起こったらマトモに一之瀬と会話ができないだろう。いつも一人で考えたりしていたが、今回ばかりは答えどころかヒントすらわからない。
「相談、したいな……」
瑞貴は一之瀬の幼馴染を頭に思い浮かべた。自分と共通の友人で一之瀬と近しい人物に話せば何か変わることができると思って。
一方、円堂は未だに玄関に残ったままだった。
「さっき……一之瀬の名前が……」
円堂は瑞貴の携帯の画面に映る一之瀬の名前をハッキリ見た。もちろん情報交換をしていたなど疑っていない。だが、昨日から瑞貴が一之瀬のことを考えている姿に円堂は嫌な気持ちがした。
「なんで…なんでこんなに瑞貴のことが気になっているんだ……!?」
最近ずっと瑞貴のことを考えている自分自身に、円堂は訳がわからなかった。
☆☆☆☆☆
翌日。イナズマジャパンはユニコーン戦に向けて練習をし、終了のホイッスルが鳴った。吹雪士郎や風丸や壁山も汗だらけで息が上がっている。それはゴールにいる円堂も同じだった。
「「ハァ…ハァ……」」
「ハァ~……。今日も…キツかったっス……」
「ハァ…ハァ……」
「はい、マモルくん」
「サンキュー、フユッペ」
冬花から差し出されたタオルを受け取り、円堂は汗だらけの顔を拭く。
「今日、みんな一段と気合い入ってたね」
「ああ。一之瀬や土門とやれるからな!」
「俺、早く対決してみたいです!」
拳を作って気合いを入れる宇都宮虎丸の言葉に同意するように、土方雷電も飛鷹征矢も笑い、風丸も吹雪も鬼道も頷いた。
「こんなにみんなを熱くさせる二人かぁ……どんな人たちなんだろ?」
「仲間だ!」
「えっ?」
「チームが変わっても、一之瀬も土門も、大切な仲間なんだ!」
円堂は空を見上げて雷門時代の二人の姿を思い浮かべ、冬花にもその気持ちが伝わって頷く。
「よーし! もうひと練習! 一之瀬たちに負けてられないからな!」
「「「「「オウッ!!」」」」」
円堂の掛け声で自主練の合図が出た。動こうとする風丸に吹雪が呼びかける。
「風丸くん」
「ん?」
「今、考えている必殺技があるんだ。それにはスピードが必要なんだ」
「……やってみよう!」
風丸は面白そうな顔をして、吹雪の提案に乗ることにした。
「俺はこいつで特訓だ!」
綱海条介はサーフボードを持ってグラウンドを飛び出した。
「シン、ちょっといいかな」
「ん?」
瑞貴は久遠道也が留守にしている代わりに、みんなの練習を見ている神崎シンの元へ駆け寄る。