目金、立つ!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「無理矢理にでもゴールをこじ開けてやる! ドラゴン――」
「シュートを撃ってはいけません!」
「なっ!?」
目金の声に染岡は動きを止めると、呂簿がスライディングをする。しかしボールはコートの外に出てしまった。
いきなりの指示に染岡が目金を見ようとすると同時に土煙が晴れてきた。
「見破ってしまいましたよ。シュートが決まらなかった訳を!」
相戸留と仮沢と無敵がゴールを移動させているが、目金は無敵のズボンを引っ張って動きを止めていた。
「ゴールをズラしてる!?」
「シュートが入らなかった訳はこれか!」
「どう考えたって反則でしょ!」
円堂と豪炎寺が秋葉名戸学園サッカー部の守りの秘密に驚いて言葉を放つ。瑞貴はスポーツマンシップに反する彼らの行動に怒っていた。
「貴様……何故わかった!?」
「フッ。仮面ソイヤー第28話、怪人砂ゴリラが土煙の煙幕作戦……あれを思い出したのですよ。五里霧中とはあれをヒントにして作った技だと見ました!」
それと同時に目金は無敵のズボンを引っ張ったショックでうしろに倒れてしまう。
「よく知っていたな。ズバリ! その通りだ!」
開き直った無敵はポーズを決めて目金を褒める。
「これが君たちの勝ち方ですか!?」
「僕たちは絶対に優勝しなければならないんでね!」
「だからといってこんな卑怯なことを――」
「勝てばいいのだよ! 勝てば!」
「!」
漫画と野部流の発言に目金はショックを受けた顔をした。
しかし試合はまだ続いている。スローインする半田は染岡と瑞貴がマークされているので、誰にボールを渡そうと悩んでいた。そのとき――。
「僕にボールをください!」
「目金?」
「半田ー! 目金にボールを渡せー!」
「えぇ!?」
ただでさえ時間がないし、部の中でも弱い目金にボールを渡すのに円堂の言葉があっても半田は不安だった。
「大丈夫だよ真一! 欠流を見て!」
瑞貴に言われて半田は目金を見ると、彼の表情はいつもと違っていた。どこか怒っている。それを見た半田の決意は固まった。
「わかった! 頼むぞ、目金!」
ボールを受けた目金はそのままドリブルで上がって行く。
「ここは通さん!」
無敵はそう言ってチラリとベンチでスイカを持っている監督に目を向ける。
「正々堂々悪に挑む、それがヒーローでしょ!? スイカとボールを入れ替えて、相手を欺くなどヒーローの技ではありません!」
「!」
目金の言葉に動揺した無敵は転んでスイカに顔をぶつけてしまう。
「止めるんだ!」
続けて野部流と漫画が目金を止めに上がって行く。
「漫画萌先生……野部流来人先生……僕は悲しい! あなたたちの描くシルキー・ナナの勇気と愛に僕は幾度となく元気をもらいました! なのに、その作者であるあなた方がこんな卑怯なことをする人たちだったとは……――シルキー・ナナに謝りなさい!!」
「「!」」
目金の渇に漫画と野部流はどこか呆けた感じで動きを止めた。
続いて呂簿が機械のような動きでスライディングするが、目金はボールを持ったまま飛んだ。
「接近中や合体中に攻撃を仕掛けるなど、ロボットマニアとしては失格です!」
「!」
目金が着地すると呂簿は燃え尽きたように倒れたままになる。
《おぉっと。ここで雷門中目金が怒涛のドリブル! 秋葉名戸陣内に切り込んでいくぞ――っ!!》
「やるじゃないの、目金くん!」
「よ、よくわかんねぇけど、スッゲー!」
「なんだかんだ言いながら、サッカーの技術も上がってきてるじゃん!」
夏未と円堂と瑞貴は目金の勢いに感心する。
「シュートを撃たせちゃダメなんだナー!」
「みんな! 五里霧中だー!」
相戸留と芸夢の指示でDFラインにいる残った選手がまた土煙を出し、五里霧中を放とうとしている。
「まだこんなことを続けるつもりですか!?」
「これが、オタクの必殺技だ!」
「君たちなどオタクではありません!」
「何!?」
突然の否定発言に芸夢は驚く。
「オタクとは、一つの世界を紳士に真っ直ぐに極めた者! ゲームのルールを破ってまで勝とうとするあなたたちに――オタクを名乗る資格などありません!」
「「「!」」」
その言葉がトドメとなったのか芸無を始め、DF全員がショックを受けたように動きを止める。だが相戸留だけはあきらめが悪かった。一人だけでも行動しようとしている。ゴールが近くになる頃、目金は染岡にパスを送った。
「染岡くん! ドラゴンクラッシュを!」
「だけど!」
「僕に考えがあります!」
そう言って目金は染岡より前に出る。染岡は目金のやる気に賭けることにした。
「わかった! ドラゴンクラッシュ!」
「ゴールずらし!」
相戸留がふくよかな腹でゴールポストに当て、ゴールをズラした。しかし目金がゴールする直前で顔にドラゴンクラッシュを受け、そのせいで軌道が変わり、ドラゴンクラッシュはゴールに入る。
《ゴォ――ルッ!! 目金がドラゴンクラッシュの軌道を変え、ゴールに押し込んだー! 雷門中同点! 土壇場で同点に追いついた――っ!!》
しかしドラゴンクラッシュをまともに受けた目金はフラついている。
「これぞ……メガネクラッシュ……」
「わー! 欠流ー!」
「目金ー!」
倒れようとする目金を寸前で瑞貴が受け止める。円堂たちは慌てて駆け寄り、目金は担架で運ばれて行く。
「あ…あとは頼みます……土門くん……」
「あ、ああ……」
目金が力なくそう言うと、土門は苦笑を浮かべながら答える。
「――どうしてなんだ?」
振り向くと秋葉名戸イレブンが真剣な顔で目金を見ていた。
「どうして、そんな姿になってまで、君は……」
「目を覚ましてほしかったのですよ。同じオタクとして。サッカーも悪くないですよ」
ヒビが入りまくりの眼鏡を押し上げながら言うと、その言葉に秋葉名戸学園サッカー部は何かに気づいた顔をする。
「目金くん……。君の言葉で目が覚めたよ。僕たち――もう卑怯なことはやめるよ!」
「我々も全力を尽くしたサッカーで雷門中に挑もうではないか!」
漫画と野部流の言葉に同意するように秋葉名戸イレブンは頷く。その様子に目金も満足そうに笑って運ばれた。
「シュートを撃ってはいけません!」
「なっ!?」
目金の声に染岡は動きを止めると、呂簿がスライディングをする。しかしボールはコートの外に出てしまった。
いきなりの指示に染岡が目金を見ようとすると同時に土煙が晴れてきた。
「見破ってしまいましたよ。シュートが決まらなかった訳を!」
相戸留と仮沢と無敵がゴールを移動させているが、目金は無敵のズボンを引っ張って動きを止めていた。
「ゴールをズラしてる!?」
「シュートが入らなかった訳はこれか!」
「どう考えたって反則でしょ!」
円堂と豪炎寺が秋葉名戸学園サッカー部の守りの秘密に驚いて言葉を放つ。瑞貴はスポーツマンシップに反する彼らの行動に怒っていた。
「貴様……何故わかった!?」
「フッ。仮面ソイヤー第28話、怪人砂ゴリラが土煙の煙幕作戦……あれを思い出したのですよ。五里霧中とはあれをヒントにして作った技だと見ました!」
それと同時に目金は無敵のズボンを引っ張ったショックでうしろに倒れてしまう。
「よく知っていたな。ズバリ! その通りだ!」
開き直った無敵はポーズを決めて目金を褒める。
「これが君たちの勝ち方ですか!?」
「僕たちは絶対に優勝しなければならないんでね!」
「だからといってこんな卑怯なことを――」
「勝てばいいのだよ! 勝てば!」
「!」
漫画と野部流の発言に目金はショックを受けた顔をした。
しかし試合はまだ続いている。スローインする半田は染岡と瑞貴がマークされているので、誰にボールを渡そうと悩んでいた。そのとき――。
「僕にボールをください!」
「目金?」
「半田ー! 目金にボールを渡せー!」
「えぇ!?」
ただでさえ時間がないし、部の中でも弱い目金にボールを渡すのに円堂の言葉があっても半田は不安だった。
「大丈夫だよ真一! 欠流を見て!」
瑞貴に言われて半田は目金を見ると、彼の表情はいつもと違っていた。どこか怒っている。それを見た半田の決意は固まった。
「わかった! 頼むぞ、目金!」
ボールを受けた目金はそのままドリブルで上がって行く。
「ここは通さん!」
無敵はそう言ってチラリとベンチでスイカを持っている監督に目を向ける。
「正々堂々悪に挑む、それがヒーローでしょ!? スイカとボールを入れ替えて、相手を欺くなどヒーローの技ではありません!」
「!」
目金の言葉に動揺した無敵は転んでスイカに顔をぶつけてしまう。
「止めるんだ!」
続けて野部流と漫画が目金を止めに上がって行く。
「漫画萌先生……野部流来人先生……僕は悲しい! あなたたちの描くシルキー・ナナの勇気と愛に僕は幾度となく元気をもらいました! なのに、その作者であるあなた方がこんな卑怯なことをする人たちだったとは……――シルキー・ナナに謝りなさい!!」
「「!」」
目金の渇に漫画と野部流はどこか呆けた感じで動きを止めた。
続いて呂簿が機械のような動きでスライディングするが、目金はボールを持ったまま飛んだ。
「接近中や合体中に攻撃を仕掛けるなど、ロボットマニアとしては失格です!」
「!」
目金が着地すると呂簿は燃え尽きたように倒れたままになる。
《おぉっと。ここで雷門中目金が怒涛のドリブル! 秋葉名戸陣内に切り込んでいくぞ――っ!!》
「やるじゃないの、目金くん!」
「よ、よくわかんねぇけど、スッゲー!」
「なんだかんだ言いながら、サッカーの技術も上がってきてるじゃん!」
夏未と円堂と瑞貴は目金の勢いに感心する。
「シュートを撃たせちゃダメなんだナー!」
「みんな! 五里霧中だー!」
相戸留と芸夢の指示でDFラインにいる残った選手がまた土煙を出し、五里霧中を放とうとしている。
「まだこんなことを続けるつもりですか!?」
「これが、オタクの必殺技だ!」
「君たちなどオタクではありません!」
「何!?」
突然の否定発言に芸夢は驚く。
「オタクとは、一つの世界を紳士に真っ直ぐに極めた者! ゲームのルールを破ってまで勝とうとするあなたたちに――オタクを名乗る資格などありません!」
「「「!」」」
その言葉がトドメとなったのか芸無を始め、DF全員がショックを受けたように動きを止める。だが相戸留だけはあきらめが悪かった。一人だけでも行動しようとしている。ゴールが近くになる頃、目金は染岡にパスを送った。
「染岡くん! ドラゴンクラッシュを!」
「だけど!」
「僕に考えがあります!」
そう言って目金は染岡より前に出る。染岡は目金のやる気に賭けることにした。
「わかった! ドラゴンクラッシュ!」
「ゴールずらし!」
相戸留がふくよかな腹でゴールポストに当て、ゴールをズラした。しかし目金がゴールする直前で顔にドラゴンクラッシュを受け、そのせいで軌道が変わり、ドラゴンクラッシュはゴールに入る。
《ゴォ――ルッ!! 目金がドラゴンクラッシュの軌道を変え、ゴールに押し込んだー! 雷門中同点! 土壇場で同点に追いついた――っ!!》
しかしドラゴンクラッシュをまともに受けた目金はフラついている。
「これぞ……メガネクラッシュ……」
「わー! 欠流ー!」
「目金ー!」
倒れようとする目金を寸前で瑞貴が受け止める。円堂たちは慌てて駆け寄り、目金は担架で運ばれて行く。
「あ…あとは頼みます……土門くん……」
「あ、ああ……」
目金が力なくそう言うと、土門は苦笑を浮かべながら答える。
「――どうしてなんだ?」
振り向くと秋葉名戸イレブンが真剣な顔で目金を見ていた。
「どうして、そんな姿になってまで、君は……」
「目を覚ましてほしかったのですよ。同じオタクとして。サッカーも悪くないですよ」
ヒビが入りまくりの眼鏡を押し上げながら言うと、その言葉に秋葉名戸学園サッカー部は何かに気づいた顔をする。
「目金くん……。君の言葉で目が覚めたよ。僕たち――もう卑怯なことはやめるよ!」
「我々も全力を尽くしたサッカーで雷門中に挑もうではないか!」
漫画と野部流の言葉に同意するように秋葉名戸イレブンは頷く。その様子に目金も満足そうに笑って運ばれた。