一之瀬! 最後のキックオフ‼︎
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秋は瑞貴の隣に向かい声をかける。
「瑞貴ちゃん? みんな出て行っちゃったよ?」
「あっ、うん」
〈では、この試合のMVP・一之瀬のプレーをもう一度見てみましょう〉
「「!」」
レビンの声に反応して二人は同時にテレビへ顔を向ける。そこには鬼気迫る顔でシュートを撃つ一之瀬の姿が映っていた。
「あんな目をした一之瀬くん……初めて……」
「秋ちゃんも見たことないの?」
「うん……。どうしたんだろう?」
秋は幼い頃からの付き合いで、瑞貴は雷門に来た頃から一緒に暮らしていたため、二人は一之瀬の変化がわかった。
(一哉……なんか焦ってる?)
すると扉から顔を出す円堂を冬花が見つける。瑞貴と秋はテレビに注目しているので気づいていない。
「マモルくん?」
「瑞貴がいないから来たんだけど……」
「今、テレビで一之瀬さんの紹介をしてるから秋さんと見ているよ。瑞貴ちゃん、一之瀬さんが気になるみたい」
「えぇっ!?」
いつもの円堂なら先ほどのプレーだろうと思うだろう。当然冬花はそのつもりで言ったのだが、今の円堂は他の思いがあったのか声を上げた。
それに秋も瑞貴も気づいて振り向き、円堂の姿を確認すると瑞貴は慌てて椅子から立ち上がる。
「ごめん守! すぐに行くね!」
「オ、オウ……」
駆け寄って来た瑞貴と共にミーティングルームを出る円堂。瑞貴は先に歩いていたため、うしろにいる円堂が顔を少しうつむけて眉を下げていたことに気づかなかった。
(まただ……。どうして俺は瑞貴が他の男のことを考えていると、嫌な気持ちになるんだ……?)
☆☆☆☆☆
昨日のことを思い返した瑞貴は、自分の足元に影ができたことに気づく。
「瑞貴」
「一哉!」
「久しぶりだね」
やってきた一之瀬に、瑞貴は久しぶりに会えた喜び合うで嬉しそうに笑う。こうしてお互いの姿を見るのは開会式以来だろう。
「元気にしてた?」
「うん。イナズマジャパンの活躍はいつも見ているよ。瑞貴もだいぶレベルアップしたね」
「一哉こそ。昨日ナイツオブクイーンとの試合見たよ。スゴいプレーでみんなと一緒に興奮しちゃった」
世間話もそこそこになると、瑞貴が「それで、今日はどうしたの?」と尋ねた途端に一之瀬は黙った。瑞貴も一之瀬が言うまで待っているが沈黙が続くだけだ。
「…………」
「?」
その様子に瑞貴は不思議に思うと、一之瀬が傘を持っているのとは逆の手が拳を作ったり解いたりしているのに気づいた。
「一哉、寒い?」
「えっ」
「さっきから手が……やっぱり冷えてる!」
「あっ……」
瑞貴が一之瀬の手を取って確認すると、お互いの傘が引っ付くほど近づけ、一之瀬の手を握って暖める。気休め程度だろうが少しはマシかもしれない。
その行動に一之瀬は目を見開くと、次いで決意したように真っ直ぐ瑞貴を見つめる。
「瑞貴」
「ん?」
「実はね――……っ」
「一哉?」
言葉を発したと思ったら再び黙って顔を向けて顔を背ける。少し経ったあと再び顔を上げた一之瀬は微笑んだ。
「俺、この大会のあとプロリーグのユースチームに入ることになったんだ」
「おめでとう一哉! プロのユースなんてスゴいじゃない!」
「この大会での優勝を、入団の手土産にするつもりさ。次の試合、負けないよ」
「私たちだって負けないよ! ――っ!」
家族同然の一之瀬がユースに入ることは瑞貴にとって素直に嬉しいし、次の試合は負けられないと思う。だけど一之瀬の先ほどの表情と会話から原作を思い出した。
「瑞貴ちゃん? みんな出て行っちゃったよ?」
「あっ、うん」
〈では、この試合のMVP・一之瀬のプレーをもう一度見てみましょう〉
「「!」」
レビンの声に反応して二人は同時にテレビへ顔を向ける。そこには鬼気迫る顔でシュートを撃つ一之瀬の姿が映っていた。
「あんな目をした一之瀬くん……初めて……」
「秋ちゃんも見たことないの?」
「うん……。どうしたんだろう?」
秋は幼い頃からの付き合いで、瑞貴は雷門に来た頃から一緒に暮らしていたため、二人は一之瀬の変化がわかった。
(一哉……なんか焦ってる?)
すると扉から顔を出す円堂を冬花が見つける。瑞貴と秋はテレビに注目しているので気づいていない。
「マモルくん?」
「瑞貴がいないから来たんだけど……」
「今、テレビで一之瀬さんの紹介をしてるから秋さんと見ているよ。瑞貴ちゃん、一之瀬さんが気になるみたい」
「えぇっ!?」
いつもの円堂なら先ほどのプレーだろうと思うだろう。当然冬花はそのつもりで言ったのだが、今の円堂は他の思いがあったのか声を上げた。
それに秋も瑞貴も気づいて振り向き、円堂の姿を確認すると瑞貴は慌てて椅子から立ち上がる。
「ごめん守! すぐに行くね!」
「オ、オウ……」
駆け寄って来た瑞貴と共にミーティングルームを出る円堂。瑞貴は先に歩いていたため、うしろにいる円堂が顔を少しうつむけて眉を下げていたことに気づかなかった。
(まただ……。どうして俺は瑞貴が他の男のことを考えていると、嫌な気持ちになるんだ……?)
☆☆☆☆☆
昨日のことを思い返した瑞貴は、自分の足元に影ができたことに気づく。
「瑞貴」
「一哉!」
「久しぶりだね」
やってきた一之瀬に、瑞貴は久しぶりに会えた喜び合うで嬉しそうに笑う。こうしてお互いの姿を見るのは開会式以来だろう。
「元気にしてた?」
「うん。イナズマジャパンの活躍はいつも見ているよ。瑞貴もだいぶレベルアップしたね」
「一哉こそ。昨日ナイツオブクイーンとの試合見たよ。スゴいプレーでみんなと一緒に興奮しちゃった」
世間話もそこそこになると、瑞貴が「それで、今日はどうしたの?」と尋ねた途端に一之瀬は黙った。瑞貴も一之瀬が言うまで待っているが沈黙が続くだけだ。
「…………」
「?」
その様子に瑞貴は不思議に思うと、一之瀬が傘を持っているのとは逆の手が拳を作ったり解いたりしているのに気づいた。
「一哉、寒い?」
「えっ」
「さっきから手が……やっぱり冷えてる!」
「あっ……」
瑞貴が一之瀬の手を取って確認すると、お互いの傘が引っ付くほど近づけ、一之瀬の手を握って暖める。気休め程度だろうが少しはマシかもしれない。
その行動に一之瀬は目を見開くと、次いで決意したように真っ直ぐ瑞貴を見つめる。
「瑞貴」
「ん?」
「実はね――……っ」
「一哉?」
言葉を発したと思ったら再び黙って顔を向けて顔を背ける。少し経ったあと再び顔を上げた一之瀬は微笑んだ。
「俺、この大会のあとプロリーグのユースチームに入ることになったんだ」
「おめでとう一哉! プロのユースなんてスゴいじゃない!」
「この大会での優勝を、入団の手土産にするつもりさ。次の試合、負けないよ」
「私たちだって負けないよ! ――っ!」
家族同然の一之瀬がユースに入ることは瑞貴にとって素直に嬉しいし、次の試合は負けられないと思う。だけど一之瀬の先ほどの表情と会話から原作を思い出した。