一之瀬! 最後のキックオフ‼︎
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それは井上瑞貴と円堂守が久遠冬花の事情を知った翌日に起こった。――ライオコット島に珍しく雨が降ったので練習中止となったが、瑞貴はとある場所に傘を差して立っていた。その表情はどこか哀愁を帯びている。
キッカケは昨日ミーティング前にかかってきた、一之瀬一哉からの電話だった。
〈久しぶりに会えないかな、瑞貴〉
『うん、いいよ! じゃあ秋ちゃんたちにも声かけとくね』
〈いや、瑞貴。――君だけに来てほしいんだ〉
『えっ?』
〈明日、午後1時アメリカエリアの公園で〉
そう言って一之瀬との電話は終了した。瑞貴はこのできごとがどこか覚えを感じたのだ。
☆☆☆☆☆
昨日の18時頃。次の相手となるアメリカ代表ユニコーンの試合が放送するので、円堂を始めとするイナズマジャパン全員がミーティングルームのテレビに注目する。
〈フットボールフロンティアインターナショナル・ダイジェスト!!〉
「始まったぞ!」
〈昨日行われたイギリス代表ナイツオブクイーン対アメリカ代表ユニコーンの結果をお伝えします〉
マクスター=ランドの司会とレビン=マードックの解説の元で番組が始まる。映像が切り替わってナイツオブクイーンとユニコーンの試合が映る。
フィリップ=オーウェンからパスカットしたのは、円堂も瑞貴も知る土門飛鳥だ。
「土門だ!」
「スゴい……世界と互角に戦うプレーをしている……」
土門はポール=アップルトンのドリブルをボルケイノカットで止める。必殺技も雷門中にいたときよりレベルアップしていた。
〈土門の加入でユニコーンのディフェンスはさらに強固になりましたね〉
〈そうですね〉
「土門さん、スゴいっス!」
「あいつもレベルアップしてやがったか!」
同じ雷門中出身の壁山塀吾郎も染岡竜吾も、土門の成長した姿を見て嬉しそうに笑う。
次に映ったのはゲイリー=リンクスの追っ手から振り切る一之瀬だ。
「一之瀬!」
「っ……」
土門と同じく雷門中サッカー部として一緒に戦った一之瀬の登場に、円堂は嬉しそうに声を上げるが瑞貴は目を見開くだけだった。
一之瀬は華麗なテクニックでエリック=パープルトンを抜き、フィリップとゲイリーに挟まれながらも、マーク=クルーガーへパスを出してエドガー=バルチナスをかわし、さらにディラン=キースに回して見事にシュートを決めた。
「「「「「おぉー/スッゲー!!」」」」」
〈司令塔・一之瀬が攻撃の中心となり、イギリスのDFを粉砕。キャプテンのマーク、FWのディランもプレーに冴えを見せ、ユニコーン快勝です〉
〈特に北中米大陸予選でも大活躍した一之瀬は、今大会入っても絶好調ですね〉
「元チームメイトとしては嬉しいような……。でも、戦う相手としては嬉しくないような……。複雑な気持ちですね……」
「あっ……」
一之瀬はかなり手強い相手になっているので音無春奈は苦笑しながら言う。木野秋も次に戦う相手が幼馴染なので尚更複雑だろう。
「うーん……なんだろ、この感じ」
「どうした?」
首を傾げる円堂に風丸一郎太が声をかける。
「うん……。前と変わったっていうか……なんか違うんだよな、一之瀬のプレー」
「俺もそう思った」
「瑞貴はどうだ?」
「あっ、うん。冷静だけど勢いがあるっていうか……雷門にいた頃とは違うよね」
鬼道有人も同意したので円堂は瑞貴にも声をかけると、ジッとテレビを見ていた瑞貴は少し驚きながらも答える。
「レベルアップしたからじゃないのか?」
「レベルアップ……うん。そうだな、きっと!」
風丸の言葉に円堂は自己完結して再びテレビを見る。喜び合うユニコーンの選手の次に握手を交わす一之瀬と土門の姿が映った。
「二人と約束したんだ。次は世界の舞台で戦おうって! そのときがとうとう……くぅ~! よし! 夕飯前にもうひと練習だ!」
「「「「「オウッ!!」」」」」
「みんなスゴい気合い!」
立ち上がった円堂を始め、みんな張り切って次々とミーティングルームを出て行く。その様子に冬花と秋は顔を見合わせて笑うと、未だに椅子に座ったままテレビを見て動かない瑞貴を見つけた。
キッカケは昨日ミーティング前にかかってきた、一之瀬一哉からの電話だった。
〈久しぶりに会えないかな、瑞貴〉
『うん、いいよ! じゃあ秋ちゃんたちにも声かけとくね』
〈いや、瑞貴。――君だけに来てほしいんだ〉
『えっ?』
〈明日、午後1時アメリカエリアの公園で〉
そう言って一之瀬との電話は終了した。瑞貴はこのできごとがどこか覚えを感じたのだ。
☆☆☆☆☆
昨日の18時頃。次の相手となるアメリカ代表ユニコーンの試合が放送するので、円堂を始めとするイナズマジャパン全員がミーティングルームのテレビに注目する。
〈フットボールフロンティアインターナショナル・ダイジェスト!!〉
「始まったぞ!」
〈昨日行われたイギリス代表ナイツオブクイーン対アメリカ代表ユニコーンの結果をお伝えします〉
マクスター=ランドの司会とレビン=マードックの解説の元で番組が始まる。映像が切り替わってナイツオブクイーンとユニコーンの試合が映る。
フィリップ=オーウェンからパスカットしたのは、円堂も瑞貴も知る土門飛鳥だ。
「土門だ!」
「スゴい……世界と互角に戦うプレーをしている……」
土門はポール=アップルトンのドリブルをボルケイノカットで止める。必殺技も雷門中にいたときよりレベルアップしていた。
〈土門の加入でユニコーンのディフェンスはさらに強固になりましたね〉
〈そうですね〉
「土門さん、スゴいっス!」
「あいつもレベルアップしてやがったか!」
同じ雷門中出身の壁山塀吾郎も染岡竜吾も、土門の成長した姿を見て嬉しそうに笑う。
次に映ったのはゲイリー=リンクスの追っ手から振り切る一之瀬だ。
「一之瀬!」
「っ……」
土門と同じく雷門中サッカー部として一緒に戦った一之瀬の登場に、円堂は嬉しそうに声を上げるが瑞貴は目を見開くだけだった。
一之瀬は華麗なテクニックでエリック=パープルトンを抜き、フィリップとゲイリーに挟まれながらも、マーク=クルーガーへパスを出してエドガー=バルチナスをかわし、さらにディラン=キースに回して見事にシュートを決めた。
「「「「「おぉー/スッゲー!!」」」」」
〈司令塔・一之瀬が攻撃の中心となり、イギリスのDFを粉砕。キャプテンのマーク、FWのディランもプレーに冴えを見せ、ユニコーン快勝です〉
〈特に北中米大陸予選でも大活躍した一之瀬は、今大会入っても絶好調ですね〉
「元チームメイトとしては嬉しいような……。でも、戦う相手としては嬉しくないような……。複雑な気持ちですね……」
「あっ……」
一之瀬はかなり手強い相手になっているので音無春奈は苦笑しながら言う。木野秋も次に戦う相手が幼馴染なので尚更複雑だろう。
「うーん……なんだろ、この感じ」
「どうした?」
首を傾げる円堂に風丸一郎太が声をかける。
「うん……。前と変わったっていうか……なんか違うんだよな、一之瀬のプレー」
「俺もそう思った」
「瑞貴はどうだ?」
「あっ、うん。冷静だけど勢いがあるっていうか……雷門にいた頃とは違うよね」
鬼道有人も同意したので円堂は瑞貴にも声をかけると、ジッとテレビを見ていた瑞貴は少し驚きながらも答える。
「レベルアップしたからじゃないのか?」
「レベルアップ……うん。そうだな、きっと!」
風丸の言葉に円堂は自己完結して再びテレビを見る。喜び合うユニコーンの選手の次に握手を交わす一之瀬と土門の姿が映った。
「二人と約束したんだ。次は世界の舞台で戦おうって! そのときがとうとう……くぅ~! よし! 夕飯前にもうひと練習だ!」
「「「「「オウッ!!」」」」」
「みんなスゴい気合い!」
立ち上がった円堂を始め、みんな張り切って次々とミーティングルームを出て行く。その様子に冬花と秋は顔を見合わせて笑うと、未だに椅子に座ったままテレビを見て動かない瑞貴を見つけた。